富士山の追加情報提出 世界遺産登録へ文化庁
文化庁は、今年6月に世界文化遺産への登録が審査される「富士山」(山梨県、静岡県)について、ユネスコに、保存管理計画などの追加情報を提出すると発表した。審査への影響は「判断しにくい」としている。
追加情報は、昨年視察したユネスコの諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)が求めた。文化庁によると、イコモスは観光客や観光開発への対応に関してさらに詳しい情報を要請。「富士山」の名称を、より遺産の性格が明確になるよう変更することも求めた。
文化庁は2016年をめどに保存管理計画を改定することや、遺産の名称変更を検討するとした回答を、期限の今月28日までに提出する方針。
イコモスは5月上旬に登録の可否をユネスコに勧告し、これを踏まえて6月の世界遺産委員会で審査される。国内の世界遺産では「平泉」(岩手県)や「石見銀山遺跡とその文化的景観」(島根県)も追加情報を求められたことがある。
富士山と同様に6月に審査される「武家の古都・鎌倉」(神奈川県)の情報要請はなかった。〔共同〕