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北九州の「初代門司駅」遺構、イコモスが保存求め緊急要請

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北九州市の公共施設建設計画を巡り、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)は4日、明治時代の鉄道遺構である初代門司駅関連遺構が文化財としての危機に直面しているとして緊急要請「ヘリテージ・アラート」を発出した。同市に対して建設の中断と学識経験者との協議を求めた。

ヘリテージ・アラートは文化財保護行政に対する警告ともいえる。日本への発出は2022年の高輪築堤(東京)、23年の神宮外苑(同)に続き3年連続となる。イコモスは世界遺産について登録の可否を勧告する役割を持っている。今後の日本の世界遺産登録への影響を懸念する声も上がっている。

ヘリテージ・アラートはイコモスのテレサ・パトリシオ会長名で、文部科学相や福岡県知事、北九州市長、JR九州会長らに宛てられた。初代門司駅関連遺構について「当時の建築・土木技術の物的証拠であり、近世の伝統技術を用いた日本の技術者と、近代的な西洋の技術を習得した技術者の協力関係があった」と評価する。

さらに「学会や市民団体からの多数の保存要望の提出にもかかわらず、(中略)北九州市は(中略)遺跡の保存を怠っている」と指摘した。北九州市には遺跡の保存計画の策定も求めた。公共施設建設予定地の隣で掘削工事をしているJR九州には、工事の中断と見直しを要求している。

北九州市の武内和久市長は同日、「公共施設の老朽化は待ったなしの状態であり、(中略)本事業を計画通りに進めることとした。今後もこうした方針の下で、(中略)どういったことができるのかを引き続きしっかりと考えていく」とするコメントを発表した。

北九州市の公共施設計画は門司区役所などの老朽化した6施設を集約して現在のJR門司港駅近くに新設するもの。市が建設予定地を23年9〜11月に発掘調査したところ、1891年(明治24年)に初代門司駅が開業したころの機関車庫、駅舎外構の石垣の一部が発見された。市は追加の発掘調査をして遺構を取り壊し、建設する予定だ。

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