演出に従わせる誓約書 テラハ、出演者と交わす
フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演したプロレスラーの木村花さん(22)が、視聴者らから誹謗(ひぼう)中傷を多数受けた後に死去した問題で、制作側がスケジュールや演出を含む撮影方針に従わせる誓約書を出演者側と交わしていたことを、同局が3日、定例会見で明らかにした。
フジによると、誓約書には「スケジュールや撮影方針(演出、編集を含む)に関して、全て指示・決定に従う」との項目があった。誓約内容に違反して制作に影響が出た場合、出演者側が1話分の制作費を最低額とする損害賠償を負う内容も盛り込まれていた。
フジは「無理強いなどはない」「感情表現をねじ曲げるような指示はしていない」とし、「演出とは段取りなどのことで、スタッフの言うことを全て聞かなければならないということではない」と強調した。フジは事実関係の検証のため関係者の聞き取りなどを進めている。
一方、木村さんの母は、花さんが「(スタッフに)1のことを100にして盛り上げてほしいって言われて。(誹謗中傷を受けたシーンは)スタッフにめっちゃあおられた」と話していたと週刊文春に明かし、今週ツイッターで「ひとりでも多くのひとに真実を知ってほしいです」と訴えた。
「テラスハウス」は男女6人のシェアハウスでの共同生活を映す番組で「台本のない日々」が売り。木村さんが同居男性とのトラブルに憤ったシーンを巡り、SNS(交流サイト)上で匿名の誹謗中傷が集中。5月23日、「毎日100件近く率直な意見。傷付いたのは否定できなかったから」などとツイート後、死去した。自殺とみられている。死去後、フジは番組を打ち切った。〔共同〕