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未来へ「偉大な実験場」に 最後のプレゼン、日本アピール

万博2025

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【パリ=中川竹美】2025年国際博覧会(万博)の誘致を目指す3カ国は13日、フランス・パリの博覧会国際事務局(BIE)総会でプレゼンテーションに臨んだ。開催国決定に向けて事実上、最後のアピールの機会で、大阪開催を目指す日本はノーベル賞受賞者の山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長らを起用。世界をリードする先端技術や若者の力を生かす万博像を提示し、開催計画の優位性を訴えた。

25年万博にはロシア、アゼルバイジャンも立候補。総会でのプレゼンは3回目で、日本は最後に登場した。BIEに加盟する170カ国の投票で開催国を選ぶ総会は11月23日に決まった。

切り札の山中氏は2番目に登場。身ぶり手ぶりを交えながら「大阪は漫才師も科学者も多く、みんな独創的で面白い人間でいたいと思っている」と会場全体に語りかけると、各国代表らから拍手が湧いた。1970年の大阪万博にも触れ「科学の進歩をもたらした」と万博の持つ可能性を力説。iPS細胞の作製など自身の実績も紹介し「25年万博を(先端技術の)偉大な実験場にするため、どんなことでもやる」と訴えた。

日本は3月、BIEの現地視察で万博に参加する発展途上国の支援が足りないと注文をつけられた。世耕弘成経済産業相は「70年の大阪万博には7回行きました」と会場の笑いを誘いつつ、「途上国が最小のコストで参加できるよう努力する」と表明。「万博は世界中からやってくるすべての人たちのものです」と呼びかけ、計100カ国に総額2億1800万ドル(約240億円)の支援を実施するとした。

次世代を担う若者目線の万博像も強く印象づけた。大学生らでつくる「inochi学生プロジェクト」のメンバーで、京都大医学部の川竹絢子さんは「誘致活動を引っ張るのは、私たち若者です」と強調。末期がんの女性との交流を引き合いに出し「万博に参加する人たちがみな、医療・健康に関する課題に立ち向かうアイデアを考えている」と力を込めた。

最後には、大阪府の松井一郎知事や山中氏ら出席者がバイオリンと和太鼓の生演奏に合わせて壇上で踊るパフォーマンスを披露。ロシアとアゼルバイジャンにはなかった工夫に、会場は手拍子に包まれた。

プレゼン終了後、松井氏は「最高のプレゼンを届けられた。最後まで気を緩めず活動したい」と話した。

ロシア、環境都市の構想示す

ロシアはドバイで開く2020年万博に立候補した経験がある。誘致は国の悲願で、中部の工業都市エカテリンブルクでの開催を目指す。プレゼンでは地元出身の水泳の五輪選手、宇宙飛行士が街の魅力をアピール。会場構想をスライドで説明し、閣僚が「我が国にとって最も重要なプロジェクトだ」と訴えた。

万博への政府支援の手厚さに加え、先端技術を生かしたスマートシティー(環境配慮型都市)をつくる構想を示した。サッカーのワールドカップ(W杯)の試合会場にも選ばれ、近年は国際イベントが多く開かれている点も強調。万博会場へのアクセスを改善するため、新たなインフラ整備を進めるとした。

アゼルバイジャン、文化の交差点PR

首都バクーを会場予定地とするアゼルバイジャンはマムマドフ首相や閣僚が登場し、国の総力を挙げた誘致活動を前面に打ち出した。首相は「東西の歴史文化の交差点であり、ここから新しい万博を切り開く」とフランス語であいさつ。会場の内部イメージをアニメーションで紹介するなど、前回よりも説明の方法に工夫を凝らした。

発展途上国の積極的な参加が成功につながるとし、パビリオンの建設費やデザイン、IT(情報技術)インフラの費用を支援すると説明。海外からの来場者の不安を払拭するため、「医療機関へのアクセスのしやすさも保証する」とした。

自動車レースのF1など国際イベントの開催都市としての実績も紹介。人材育成の場としての万博を映像を交えて訴えた。

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2025年 万博

2025年国際博覧会(大阪・関西万博)は2025年4月13日から10月13日まで大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)で開催されます。公式キャラクターは「ミャクミャク」。パビリオンの解説やアクセス方法のほか、イベントや参加国・地元の動きなど最新ニュースを豊富な写真や動画でお伝えします。

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