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賃上げ、取り残される団塊ジュニア 若い世代優先で

賃金再考 データから

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緩やかながら起こり始めた賃上げ。しかし世代別に分けてみると、その機運にも温度差がある。「団塊ジュニア」と呼ばれる40代だけが取り残されている。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2016年の正社員の所定内給与(6月分)は32万1千円と、4年前から4700円増えた。ところが、45~49歳は7千円減り、40~44歳は4500円減った。20~34歳や55~64歳といった年齢層は7千~8千円程度増えているのと対照的だ。

SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「経営者は比較的収入の低い若年層を優先して賃上げしているのではないか」と指摘する。45~49歳の月収は37万8千円と20~30代や60代以上と比べて高い。賃金が少ない従業員の方が、賃上げ幅が大きくなりやすい可能性があるという。

人口分布も影響していそうだ。総務省の労働力調査で16年の正社員数をみると、40~44歳が514万人と最も多い。45~49歳(451万人)、35~39歳(420万人)と続く。

40代は1970年代前半に生まれた「団塊ジュニア」が含まれる。社内を年齢別に見れば、人手に余裕がある世代といえる。一般的には転職も少なくなる年齢だ。

今の40代前半から半ばの人たちは、1990年代前半のバブル崩壊後に大学や高校を卒業し、就職した。一部の専門家には「いわゆる就職氷河期に職を得られず、スキルや職歴を積めなかった人の賃金が伸びなかった」との見方もある。

働き手として最も多い40代の賃金が伸びていない。個人消費に勢いがつかない理由の一つと言えるだろう。

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