10~12月期GDP、年率6.3%減 5四半期ぶりマイナス
内閣府が17日発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比1.6%減、年率換算では6.3%減だった。5四半期ぶりにマイナス成長に転じた。19年7~9月期は年率換算で0.5%増だった。消費増税前の駆け込み需要の反動減が響いたほか、大型台風や暖冬による消費の伸び悩みも重荷となり、年率でのマイナス幅は14年4~6月期(7.4%減)以来の大きさだった。QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比1.0%減で、年率では3.9%減だった。
生活実感に近い名目GDPは前期比1.2%減、年率では4.9%減だった。名目でも5四半期ぶりのマイナス成長となった。
実質GDPの内訳は、内需が2.1%分の押し下げ効果、外需の寄与度は0.5%分のプラスだった。
項目別にみると、個人消費が実質2.9%減と5四半期ぶりのマイナスとなった。10月からの消費増税を背景に購買意欲が鈍り、個人消費を押し下げた。
設備投資は3.7%減と3四半期ぶりのマイナスだった。民間在庫の寄与度は0.1%のプラスだった。
住宅投資は2.7%減と2四半期ぶりのマイナスとなった。公共投資は1.1%のプラスだった。
輸出は0.1%減だった。米中貿易摩擦のあおりを受けた世界経済の減速などを背景に2四半期連続でマイナスとなった。輸入は2.6%減と3四半期ぶりのマイナスだった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べてプラス1.3%だった。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは0.7%のプラスだった。
同時に発表した19年通年のGDPは実質で前年比0.7%増、生活実感に近い名目で1.3%増だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕