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しばやんの日々

イギリスとフランスにとっての戊辰戦争

前回の記事で、西郷隆盛の命を受けて東征軍参謀の木梨精一郎(長州藩士)および渡辺清(大村藩士)がイギリス公使のパークスを訪ねて、江戸城総攻撃の際に新政府軍の負傷兵の手当てをする病院の世話をして欲しいと依頼したところ、パークスが激怒したことを書いた。徳富蘇峰の『近世日本国民史 第68冊』に、パークスと直接交渉した木梨精一郎の話(『維新戦役実座談』)の一節が引用されているので紹介したい。【木梨精一郎】「その時に...

梅の咲く季節にシーボルトが絶賛した賀茂神社を訪ねて

たまには古い街並みを歩きたいと思って、兵庫県たつの市の室津に行ってきた。そろそろ梅が見頃のようなので、最初に近くにある綾部山梅林(たつの市御津町黒崎1492 ☎079-322-3551)を旅程の最初に入れていた。この梅林は24ヘクタールの広大な綾部山広陵に2万本近い梅の木が植えられているという。今年は開花が遅れていて7分咲き程度であったが、充分楽しめることが出来た。この記事をアップする頃は満開になっているだろう。漂う梅...

室津の歴史と、その古い街並みを楽しむ

前回の記事で室津は古来より天然の良港として有名であったことを書いた。室津は三方を山で囲まれているので強風を避けることができ、風待ち・潮待ちのために絶好の港であるということで、古くから宿場として繁栄したのだが、風光も明媚であることから万葉時代から歌人が作品を残している。たとえば万葉集に山部赤人の歌がある。「玉藻刈る辛荷の島に島廻する 鵜にしもあれや家思はざらむ」 万葉集(巻6)「辛荷の島」とは、たつ...

万葉集で桜を詠った作品が少ないのはなぜか

桜が楽しめそうな季節が近づいてきたが、最初に万葉集に桜を詠んだ歌を紹介しよう。 「見渡せば 春日の野辺に 霞立ち      咲きにほへるは 桜花かも」 巻10の1872 作者未詳 「桜花 今ぞ盛りと人は言へど      我は寂しも 君としあらねば」 巻18の4074 大友池主【吉野の桜】万葉集で桜が題材になっている歌は41あるのだそうだが、群馬県立女子大の北川和秀教授の集計によると、万葉集で一番多く詠われている植物...

源頼朝が挙兵後約2ヶ月で南関東を制圧し、その後争いが鎮静化した理由を考える

前回の記事で天長8年(831)から桜の花見が天皇主催の定例行事として宮中で行われるようになったことを書いたが、一度決められた「花宴」はその後も毎年のように行われて、以降1200年分もの京都の花見の記録が残されているのだそうだ。花見が行なわれる日はほぼ満開に近い時期と考えられるので、記録されている日付すべてを太陽暦に読み替えて、時代ごとの気候変動を調べる研究が戦前から続いているのだという。【伊勢物語絵巻八二段...