幕末の「ええじゃないか」は世直しを訴える民衆運動だったのか
学生時代に教科書や参考書をいくら読んでもピンとこない叙述はいくつかあったが、江戸時代末期の「ええじゃないか」は変な出来事だとは思いながら、「一般庶民が新しい世の中が生まれることを期待して自然発生的に起こった」という説明を鵜呑みにした記憶がある。Wikipediaには『ええじゃないか』をこう説明している。 「日本の江戸時代末期の慶応3年(1867年)7月から翌慶応4年(1868年)4月にかけて、東海道、畿内を中心に、江戸...
討幕の密勅、大政奉還から王政復古の大号令までの歴史を振り返る
前回の『ええじゃないか』騒動の記事で、岩倉具視らの陰謀により、慶応三年(1867)十月十三日、討幕派の薩長両藩に『討幕の密勅』が下ったことに少しだけ触れておいた。 武力討幕派の薩摩長州両藩にとっては、もし将軍徳川慶喜が土佐藩の建白による大政奉還を決断するとなると武力で幕府を倒す大義名分がなくなってしまうばかりか、新政府の主導権を土佐に奪われかねないことになる。そこで、朝廷より「討幕の密勅」を受けて、武力...
丹波古刹の「もみじめぐり」から香住へ~~香住カニ旅行1
毎年カニ解禁になると日本海方面に旅行することにしているのだが、今年は3年前と同じ香住の宿にして、途中に通る場所でこの季節に訪れたい名所・旧跡を巡る計画を立てて先週(9-10日)に行ってきた。 大阪では紅葉はまだまだだが、山間部に行けばそろそろ色づいているであろうことを期待して、初日は丹波市のいくつかの古刹の中から紅葉で有名な場所を選んで旅程に組み込んだ。旅程を組む際に、ネットで見つけた「丹波市のもみじめぐ...
香住から但馬妙見山の紅葉と朱塗りの三重塔を訪ねて~~香住カニ旅行2
香住で朝を迎えると、宿の主人から声がかかって「岡見公園」まで車で案内していただいた。「岡見公園」は名勝香住海岸から北に突き出た城山半島という岬の先端にある公園で、北に見える小さな島は白石島という名だそうだ。 春には桜が咲き、夏にはユウスゲという黄色い花が咲くこの場所は、5月から9月にかけて海に沈む夕日が楽しめるそうで「日本の夕陽百選」に認定されているという。一見穏やかそうな海に見えるのだが、北風の影...
「天空の城」竹田城を訪ねて~~香住カニ旅行3
但馬妙見山の三重塔を見た後、途中で昼食をとり、次の目的地の竹田城に向かう。 竹田城は国の史跡に指定され日本百名城の一つにも選ばれているのだが、石垣しか残されていないのでそれほど観光客が多いとは思っていなかったのが甘かった。到着すると駐車場待ちの車が延々と続いていて、駐車場待ちが50分と言われ、ここから山頂の竹田城までは2.6kmもあるという。車の列の先頭は500メートルほど先の「山城の郷」で、そこからは道路...
カリフォルニア州の排日運動が、日露戦争後に急拡大した背景を考える~~米国排日1
昭和21年の3月から4月にかけて、当時の松平慶民宮内大臣・木下道雄侍従次長らが、戦争に至った遠因・近因、経過および終戦の事情について、昭和天皇から5回にわたって聞き書きをした貴重な記録がある。その冒頭は昭和天皇の次のようなお言葉となっている。「大東亜戦争の遠因この原因を尋ねれば、遠く第一次世界大戦后の平和条約の内容に伏在してゐる。日本の主張した人種平等案は列国の容認する処とならず、黄白の差別感は依然存...