今回の行先は、久しぶりのイタリア。
旅の最初に、いきなり厄を払った。
飛行機の遅延で、イスタンブールに宿泊することに。
空港に付き、タバコが吸いたくなって、娘と二人で外に出たら最後。
マシンガンを持った兵隊が空港の中に入れてくれず、家族とはぐれてしまった。
トルコリラも無く、スマホもパスポートも空港内の妻に預けていた。
心細い中、空港の反対まで走り、荷物&身体チェックを受けたら中に入れた。
トルコは怖かった。
その夜は、娘を抱えて眠った。
これで、一度は死んだつもりで、旅行を楽しもうと思った。
イタリア行きの飛行機に、無事乗れた。
やっとイタリアのミラノについて、嬉しい気分へ・・。
ドライブインのバールへ。
早速エスプレッソを頂いた。
日本にも、もっとこんな気軽なバールが欲しい・・。
この国の濃くて甘いコーヒー、好きだ。
ミラノは都会のイメージだったが、田園風景が印象的だった。
向かったのはジェノバ、海沿いのリッチな街。
名物ジェノベーゼは、熱を使わずすっごく美味。
どうしたら、こんな脳天が吹っ飛びそうな味が出せるのだろう・・。
緑のパスタは食いしん坊の息子の大好物で・・感動しすぎて、怒って泣いていた。
この建物の主は、王にお金を貸すほど裕福だった。
どこまでも白い心によって、豊かになれたと感じた。
コロンブスの家で、家族撮影。
最初にやった先駆者が尊いと感じた。
イタリアの車も、歓迎してくれた。
アルファ147、個人的に思い入れのある車だ。
イタリアのドライバーは、熱いラテンの血が燃え滾り、国民総レーサーと言われる。
理論や計画性はドイツに劣るが、感覚的&直感的な運転は世界一かもしれない。
とても前のめりで感情優先ドライビングで、コンパクトハッチ&マニュアルを好むことこそ、イタリア流と感じた。
一番多いのがフィアットのパンダ。
次にプントや500が沢山だ。
その他には、ランチアが多く、アルファはそれなりに居て、フェラーリランボルギーニは一台も発見できなかった(マセラティはボローニャの功で)。
そして、ここの国の人々は、陽気で楽しい。
よく言えば素直で表裏が無く、どこまでも自分を生きている。
意外に親日が多く、フレンドリーで、沢山話しかけてくれた。
電車で向かったのは・・。
海沿いの町、チンクエッテレ。
ここでも、パンダが多い。
フィアットこそ、イタリア人の国民車だ。
カラフルな家が目を楽しませてくれる。
元々は漁村、でも有名な観光地になったそうだ・・。
美しい海。
心を洗い流すような色・・。
テンションが上がる。
レモンも印象的だ。
素敵な洞窟レストランでランチ。
やっぱり、ティラミスを頂いた。
発見した、アルファ。
ミトやジュリエッタが多いが、156や146や75まで現役で走っていた。
新型アルファが少なく感じたのは・・。
マニュアル設定が無いからだと思う。
イタリアではオートマを探す方が大変、マニュアル比率の高さは予想以上に驚いた。
妻が『自然な後ろ姿』を撮ってくれた写真。
ピノコと歩く私。
そして、今回の私的目的、ボローニャへ。
どこでも寒いが、息子の服は上着を合わせて二枚だけ、ミートテック最強説を感じた。
この土地から取れたレンガの色、なんだか落ち着く。
同時に、好きな石の色だ。
妻が見つけた、マセラティ。
ボローニャの地へ来て、初めて見て、それ以後は二度とマセラティを見無かった・・。
マッジョーレ広場の、ポセイドン。
圧倒的な迫力に驚いた。
そこから、迷路のような街を歩き(目に鼻に訴えかけてくる食材)。
名物ボロネーゼを食せなかったのが心残りだが・・。
地図を頼りに探したら・・。
どうにか、マセラティの誕生した場所へ行けた。
家族経営ながら世界を目指したスピリット、確かに感じられた。
そしてマセラティは、この国でも孤高でレア種。
どこにも属さず、どこにも当てはまらない感じが、今の自分と重なる気がした。
達成感と共に、短めの時間で頂けるランチを探して・・。
家族とオープンカフェで食べた、切り売りピザ。
美味しすぎて、チーズの香りが良かったこと以外、味を覚えていない。
娘は特大ドーナッツが癖になったみたいだ。
この国のスイーツは、どこまでも甘くて美味しい。
一番寒かった、天空のサンマリノ。
標高の高さと、風が強かった・・。
ここで飲んだ、グリューワイン、体だけでなく心まで暖かくなった。
忘れることは無いだろう。
後の旅はおまけと思っていたら、そうではなかった・・。
大理石の町シエナ、ここで感じたが、私は石の建物が好きだ。
だから自分の家も、石にしたんだなって。
ボローニャの赤茶レンガも好きだが、シエナのベージュレンガも好きだ。
ここでは、一番買い物をした。
イタリアンレザーの財布、あちらの色合いのマフラー、そして・・。
マヨリカ焼き、青と黄の色合い、職人技が素晴らしい。
イタリア人は、感性が世界一だと思う。
目を楽しませる色。
鼻を感動させる香り。
耳を天国にする音。
舌に訴えかける味。
極上の手触り。
感性の国、来てよかった・・。
ここからは郊外へ、サンジミニャーノ。
田舎も素敵だった。
オリーブとブドウが並ぶ丘に、ジーンと、癒された。
農園レストランに入ってみた。
焚火の暖かさが、寒さを緩めてくれる。
ここで頂いたポモドーロパスタ、世界一だ。
トマトだけ、なのに至高。
サンジョヴァンニの門を通り、娘が地面で何かを発見。
物を拾うなと娘に注意する私の癖は、ある意味バイアスだった。
視野を広くしていたい。
旅は最終局面。
聖地アッシジへ。
雪が出迎えてくれた。
雰囲気の良い、洞窟風レストラン。
サルシッチャ、どこまでもクリーミーで、本当においしかった・・。
ホテルロビーに映える木と、記念撮影。
夜が明け、アッシジの観光へ。
奥へ奥へと、空気を感じながら・・。
ここは、天国へ一番近い磁場に感じる。
それは、張り詰めた冷気と、そしてどこまでも清らかな静寂。
生きる事、それこそが、最も尊い。
人の命の本質は有限の時間、できれば込めて生きたい。
旅の終わりの地、ローマ。
ローマ風の薄いピザを食べていたら・・。
お店の人が、フリントロック式ピストルを貸してくれた。
娘に射撃を教える図。
自分が楽しくなって、構える父。
娘が目を止めたのは・・。
ローマと言えばの、ジェラート。
ここで頂いたイチゴのジェラート、人生で最も美味しいアイスだった。
街を歩いていて、私の目に留まったテーラーへ。
ゼニアはイイのは知っていたが、チェルルツティまで・・。
色合いや、生地の張り、仕立て素晴らしい。
日本と比べとてもお値打ち、サイズが無くて断念。
どうしてここの国の人は、ここまで素晴らしい物を作れるのだろう・・。
そして、トレビの泉へ・・。
昔コインが入った、そしてローマに帰ってきた。
そしてまたローマに帰ってくる気がする。
スペイン広場、懐かしい。
無事に、何事も無くが、有難い。
最後の宿、せっかくの世界三大ホテルなのに、朝が早すぎて良さを味わう余裕が無かった・・。
今度は欲張らず、ゆったり余裕を持った旅が良いなと、意識をアップデートした。
今回の旅で、少し鈍くなっていた感性が、また蘇ってきた気がする。
今の私は、膨大な学習や熟考による演算よりも、一瞬の直感による判断が大きな結果を産んでいる、不思議だがそんな世界に居る・・。
だからこそ、感性を大切にし、心惹かれる物や場所を吸収していたい。
日本へ帰国、妻の愛車フィアット500との再会が、嬉しかった。。
そして、私の愛車マセラティも、自宅で待っててくれている。
気力、体力、余裕、意欲、そして夢・・。
色々な物を大切にしてこれからを生きたいと、改めて思った。