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  1. ホソバイワベンケイ(細葉岩弁慶) 2023

     北海道から東北地方の高山帯の礫地に分布する高山植物。 ベンケイソウ科イワベンケイ属の多年草。  雌雄異株で日本固有種。 高さは10-25cmで、近縁種のイワベンケイよりも葉が細長く縁がギザギザしている。 全体に肉厚の円柱形で、たくさんの茎が出て株立ち状となる。 密に生える葉は倒披針形で細長く、互い違いに生える(互生)。 葉には艶があって、明るい緑色をしている。  茎頂の集散状花序に、黄緑色の花を多数つ...

  2. エゾヨツバシオガマ(蝦夷四葉塩竈) 2023

     前回は「キバナシオガマ」を掲載したが、今回は「ヨツバシオガマ」じゃ。 分布が少し広く、地域での名前の違いなどもある同じハマウツボ科の花じゃな。  北海道、本州(中部地方以北)の高山帯に生育している。 シオガマギクの仲間では最もよく見られる種であるが、複数の仲間もあり見分けは難しい。 北海道のものは「キタヨツバシオガマ」とも呼ばれたり、ヨツバシオガマに1本化の話もある。 高さは20-50cm。名前の由来のと...

  3. キバナシオガマ(黄花塩竃) 2023

     大雪山固有種として知られ、高山帯の砂礫地や草地などに生える。 ハマウツボ科 シオガマギク属の高山植物。  シオガマの花の種類は多く、日本国内にも15種ほど分布し、その多くが日本固有の種。 そんな中で黄色の花を咲かせる種は「キバナシオガマ」のみじゃな。 自生の場所も数も少ないことから、絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されておる。 茎は根際で分枝し株を作り、4稜あって毛が散生する。 葉は根元に集まり、羽状に全...

  4. エゾタカネスミレ(蝦夷高嶺菫) 2023

     北海道の高山の砂礫地に生えるスミレ科スミレ属(ビオラ属)の多年草。 ビオラ属は世界に500種くらいが分布する(スミレ、パンジーも含め園芸種は多種)。  日本固有種で北海道に分布し、高山や亜高山の砂礫池に生える。 基本種は高嶺菫(タカネスミレ)で、本種はその亜種となっている。 草丈5~10cmの多年草で有茎種。 地下茎は短く、匍匐し、節間は短い。 葉は互生、葉身は円形で3cm程で厚くて硬く、暗緑色で光沢...

  5. チシマツガザクラ(千島栂桜) 2023

     東北地方~北海道の高山帯に分布する高山植物で、ツツジ科の常緑小低木。 チシマツガザクラ属は本種のみの一属一種じゃな。  高山の礫地や岩場に生え、高さ5cmほどで枝は地を這いマット状に広がる。 茎は細く、分枝しながら匍匐して広がる。 葉は1~3年目の枝に密に互生、線形~広線形で長さ3~4mm、幅は縁が裏面に巻き込むので約1mm。 質は厚く裏面の中軸の両側に毛が密生し、それを覆って翼状の稜がある。  ...

  6. チシマキンレイカ(千島金鈴花) 2023

     北海道の高山の礫地に生えるオミナエシ科の高山植物。 別名でタカネオミナエシ(高嶺女郎花)とも呼ばれる。  草丈10~15cmの多年草。 根元から出る葉はさじ形で長い柄があり、羽状に深く裂ける。 茎葉は0~2対で、小さい。  茎先の集散花序に、直径4ミリほどの黄色の花を多数つける。 花冠は5裂し、内側に毛がある。雄しべは4個で、雌しべは1個。 蕾の形は何の変哲もないが、一つ一つの花が咲きだすとそれ...

  7. チシマヒョウタンボク(千島瓢箪木) 2023

     北海道、本州(中部地方以北)の亜高山~高山帯の低木林に生える落葉低木。 ヒョウタンボクの名は、2つの果実が赤く熟す頃に合着して瓢箪形になることから。  高さは1~1.5mほどになり、よく分枝して全体無毛。 葉は広卵形から楕円形で長さ4~5cm、葉裏は粉白色を帯び全縁で短い葉柄がある。   新しい枝の先端の葉腋に紅紫色の花を2個ずつつける。 花冠は上唇と下唇からなる唇形で、長さは8~9ミリ。 基部は片側が...

  8. エゾツツジ(蝦夷躑躅) 2023

     本州北部(早池峰山・岩手山・秋田駒ヶ岳)と北海道の高山に分布する。 岩礫地や草地などに生え、茎の高さが5~30センチになる落葉小低木。  北海道で最初に採集されたことからこの名がある。 丈が低く、地面から直接花が出ているように見える。 丈が小さいために花が実際以上に大きく見え、色も鮮やかで美しいので遠くからでもよく目に入る。 葉は倒卵形で、先がまるく、裏面と縁に剛毛、腺毛がある。  若枝の先に長...

  9. エゾノヨロイグサ(蝦夷の鎧草) 2023

     北海道、本州(中部地方以北)の山地の林縁など、日当たりのよい場所に生育する。 大型の花が多いセリ科のシシウド属の植物。  草丈1~2mの多年草で、茎は直立して細く、紫色を帯びる。 葉は2~3回3出複葉で、小葉は狭卵形で2~3裂し、硬くて厚く光沢があり鋭い鋸歯がある。 葉の基部は鞘状にふくらむ。上部の葉は退化し、鞘が目立つ。  花期は7-8月でセリ科の花では少し遅めとも言える。 茎先や分枝した枝の先端...

  10. クルマユリ(車百合) 2023

     ユリ科ユリ属の多年草で北海道・本州の中部以北と四国の剣山などの高山帯から亜高山帯に分布。 鬼百合に似ているが、花は鬼百合より小型。  低地~高山帯の草地に生え、茎の高さは30~100センチ。 白色の鱗茎は球形で直径約2cmほど。 葉が茎の中央部で6-15枚輪生し、その上部に3-4枚まばらにつく。  花は7-8月頃に茎頂の枝分かれした長柄の先に数個つく。 花被片は6個、長さ3~4.5㎝、幅5~10㎝、黄赤色に紫黒色の...