
はてなキーワード: 社会時評とは
SNSの海を漂っていたら、すごいアカウントを見つけてしまった。プロフィール欄には定年した元新聞記者の文字。へえ、どんな社会時評を書いてるんだろうと思って覗いてみたら、まあ見事なまでに参政党への愛と移民排斥の叫びで埋め尽くされていた。
もうね、ビックリした。驚きのあまり、スマホを持つ手が震えた。
何に驚いたかって、その主張の全てが「俺はこう思う」「こうに違いない」という感情論だけで構成されていること。元新聞記者なんだろ?あんたの商売道具だったはずの「データ」とか「事実」はどこに行ったんだよ。
日本の人口がどうなってて、労働力がどれだけ足りなくて、このままじゃ社会がどうにもならなくなる、みたいな話は、ちょっとググれば嫌というほど出てくる。でも、そういう「不都合なデータ」は一切見ない。ただひたすら、参政党が提供してくれる耳障りのいい「物語」を信じ、拡散している。
俺の勝手なイメージだけど、新聞記者って高学歴で、少なくとも産経系列以外は、自分の思想と目の前の事実を切り離して考える訓練を積んだプロ中のプロだと思ってた。でも、このじいさんを見てると「昔の新聞屋って、誰でもなれたの?」って素朴な疑問が湧いてくる。それとも、現役時代に酷使した「事実と意見を分離する能力」は、定年と同時に会社に返却しなきゃいけないルールでもあるわけ?
長年社会の木鐸を気取ってきて、たくさん情報に触れて、人より賢いはずの人間が、長生きした果てに出来上がるのが、シンプルな排斥主義を叫ぶじいさんとか、気の毒でしかない。
たぶん、社会との繋がりが切れて、孤独で、増え続ける不安のはけ口を探していたんだろうな。そこに「悪いのは全部あいつらだ!」って分かりやすく指差してくれたのが、唯一参政党だったんだろう。そう思うと、少しだけ、ほんの少しだけ、哀れな気持ちになった。
2010だけトップにない。あと知らんの多すぎ。
http://www.dan.co.jp/~dankogai/ldr-hbc/ より