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大泉一貫

宮城大学 名誉教授

宮城大学 名誉教授

1949年宮城県生まれ。東京大学大学院修了。農学博士。一次産業の成長化を主張、地域経済の活性化の研究に従事。著書に『日本の農業は成長産業に変えられる』(洋泉社)、『希望の日本農業論』(NHK出版)、『フードバリューチェーンが変える日本農業』(日本経済新聞出版社)等、日本地域政策学会名誉会長、「規制改革会議」「産業競争力会議農業分科会」等の委員・有識者等を歴任。
【注目するニュース分野】農業、食料問題
1949年宮城県生まれ。東京大学大学院修了。農学博士。一次産業の成長化を主張、地域経済の活性化の研究に従事。著書に『日本の農業は成長産業に変えられる』(洋泉社)、『希望の日本農業論』(NHK出版)、『フードバリューチェーンが変える日本農業』(日本経済新聞出版社)等、日本地域政策学会名誉会長、「規制改革会議」「産業競争力会議農業分科会」等の委員・有識者等を歴任。
【注目するニュース分野】農業、食料問題
大泉一貫

国内米価の高騰を受け安い輸入米に買いが殺到している。SBS米の入札価格が、通常の㎏200円強あたりだったのが443円と高騰。年間10万トンを4回に分けて入札するとして1回当たりは2万5千トン。その3回目の入札でこの価格なので4回目はまだ高くなる可能性がある。これまでアメリカ産、豪州産が主力だったところに、ベトナム産が加わった。 他方西友は台湾産米を店頭で㎏560円で販売している。コメの関税㎏341円を上乗せしてもこの価格。店頭では欠品が出ているという。米価高騰の煽りは今後様々なところに出てくるだろう。

大泉一貫

気候変動でバナナに限らず農産物の規格外品が多く出るようになった。加工に回されると二束三文になる。これから、腰を据えた対策が必要と思っていた。 そこに登場した「もったいないバナナ」救出作戦、買いたたきはなく、通常の価格で流通しているという。加工やネーミングだけでなく、炭など新たな加工用途で救出作戦を実行。企業ブランドも向上するという。 こうした対応はこれからますます必要になるように思う。

大泉一貫

これまでの農業とは違ったものになる予感がする記事です。単に農業生産だけでなく、エネルギー事業や不動産事業と組み合わせて企業価値の高い農業を作るプランのようです。是非成功し新たな農業モデルとして定着させて欲しいものです。 農業には、まだまだ投資効率の高いビジネスモデルを作れる余地があると思いますが、それには資本力と人材が必要となる様です。今後、クボタのような農業に関心のある企業がもっと多く出現し、先進農業経営者や農地所有者と提携して農業を成長産業にして欲しいと思います。

大泉一貫

野菜にはある程度の割合で規格外品が出る。そうなるととんでもなく安い価格になるか、場合によっては廃棄になってしまう。野菜の規格は、元々大量生産の時代に流通の都合で作られたもの。我が国の国民性がそうさせたという人もいるが、これほど厳しい国も珍しい。規格外野菜はもっと流通していいのではないかと常々思っていたが、それにネーミングで訴求するというのはいいアイディアと思う。お客は、意図が通じれば手をだすし、実際、つい買いたくなるようなストーリー性をもった魅力的なネーミングが紹介されている。他にどんな手法があるのか、今後工夫を重ね規格外品の流通がもっと増えれば良いのだが。

大泉一貫

小渕総理と違って石破総理には野中広務がいない。人柄も明と暗という違いがある。これまでの所作も発言の撤回など問題が多い。しかし、逆襲ができるとしたら「謙虚さとしたたかさ」という記事も分からなくはない。おそらく逆襲は「腹をくくれるか」どうかだろう。例えば、政治改革一本で、野党も驚く企業団体献金廃止を自民党から提案するというのもありの様な気がする。もともとリクルート国会で決着がついたのに、自民党が今でもグズグズしている案件。期待度は低いが「腹をくくって」謙虚に野党と向き合ったら意外なことになるかもしれないと読んで思った。

大泉一貫

コメも生乳も原料農産物で本来付加価値がつきにくい商品。原料農産物の生きる道は、コストダウンしかない。農水省は、農業を片手間にしかやってない八割以上の兼業農家の面倒を見ようとしてるからジレンマに陥る。消費サイドから物事を考えればジレンマに陥ることはない。 売れなければ、淘汰されるだけだし、淘汰されるのがイヤならそれなりの努力をして生産性を上げるのが筋。記事の成功事例は、たまたま契約ができてバリューチェーンがつながったから。海外市場まで視野に入れれば、コメや生乳の生産性や値決めの仕方は大きく変わるはず。ガラパゴスの中で考えていても残念ながら解決策は出てこないと思う。

大泉一貫

農水省が、米粉の利用拡大チームを立ち上げたという。 小麦粉からすれば、少々扱い勝手が違うかもしれないが、用途は小麦粉同様いくらでも拡大可能だろう。しかもグルテンフリーで、テニスプレイヤーのジョコビッチも愛用していたという。 チーム発足の目的は「コメの国」復活を期待してのことというが、農水省も稲作の縮小・消滅可能性に危機感を持っていると分かってほっとした。 世界の穀物はだいたいが粉食で、復活の本筋は輸出である。このプロジェクト、輸出戦略とはリンケージしていない様だし、皆兼務でまだ本腰が入ってない感もあるが、まずは第一歩といったところか。

大泉一貫

株のことはよく分かりませんが、輸出国である米国が農産物の禁輸をしたり、輸入国からの報復関税で農産物輸出量が減少すると、米国の農業は確実に縮小します。 米国はこれまで二度穀物を輸出制限して痛い目に遭っています。いずれも1970年代で、二度目は1979年、アフガン侵攻したソ連への制裁措置でした。結果は、ソ連市場を失い、翌年制裁解除しても、農業不況は収まりませんでした。これに懲りてアメリカは二度と輸出制限をしなくなっています。今度は中国の報復措置ですが、中国は輸入先をブラジルに変えるだけです。余計なことかもしれませんが、ロシアの小麦は、2014年のクリミア併合以来1.5倍に増え輸出しています。

大泉一貫

この頃新幹線を使うたびに、遅れないかと心配になります。変なところでスピードが落ちて止まってしまうことがよくあります。地震のためと説明がありました。大雪や大雨、地震による運休や遅れはやむをえないとしても、連結器やパンタグラフの故障、ブレーキの異常、さらには脱線というのもありました。どうもインフラ由来の原因が多くなっているように感じます。 安全運転のためチェックを厳しくしているのでしょうが、車両は新しくなっても車両由来の故障も多くなってるのは気になります。新幹線網の耐用年数も気になりますし、航空機以外迂回路がないのも気になります。

大泉一貫

シーレーン破壊が現実味を帯びているという記事。 今年6月「食料安全保障」を目指して「食料・農業・農村基本法」が改定され、同時に「食料供給困難事態対策法」が成立した。「食料安全保障」の要諦はシーレーン破壊時にどう対応するかにあるが、法律は意外とのんびりした内容になっている。まさかそのようなことにはならないだろうが一応考えておくか、といったスタンス。危機感が必要とする記事内容と政府対応とのギャップは大きい。他方、肥料・農薬等資材の輸入に関しては、農協事業の盛衰がかかるだけに、輸入先を変えたり、国産を使うなど迅速な対応が見られる。 危機感を持った周到な準備が必要となっているのは確かだ。

大泉一貫

コメの需給見通しがでたが、生産量が多くなり、需給が逼迫することはないとの数字を事務的に並べた感がある。この夏のコメ騒動の教訓は、需給を常にタイトにして米価を維持しようとする現在の需給管理が、案外不測の事態に弱いこと、備蓄米が需給管理のバッファーを果たすが、機動的運営ができないことの二つだろう。これへの対応策は示されていない。農家のことは考えるが、消費サイドのことは考えてないという疑念もある。もっと言うなら、このまま稲作を縮小、消滅に向かう政策を続けて良いのかもある。 おそらく、担当した農水官僚は、そうしたことを考えるのは自分たちの仕事ではないというのだろう。では一体誰が考えるのだろうか?

大泉一貫

一石二鳥の技術と感じる。農村には、ザリガニの他、ジャンボタニシなど外来生物で困っているところが多い。その駆除ができ、輸入に頼る養殖餌は国産化が進められるという。産業化すれば捕獲業などの新しいビジネスが生まれるかもしれない。用途も養殖餌以外にもあるかもしれない。多くの応用がききそうな技術である。 外来生物ではないが、コメにつくカメムシなども異常発生で困っている。これらの駆除にも使えれば可能性はますます広がると思う。今後に期待したい。

大泉一貫

国際コメ市場はほんのちょっとしたことで大きく変動します。貿易量が生産量の8%程度と非常に少ないからです。他の穀物の貿易量は生産量に対し30%から40%はあります。 変動要因はインド、ベトナム、タイのコメ。特にインドです。いずれも自己都合で禁輸したり輸出したりしているからです。インドは昨年7月に禁輸したばかり。それが余りそうなので国際市場に投げ売りと言った印象です。トン500ドルは確かに安く、輸入国のインフレ抑制になります。カリフォルニア米ですら1000ドル以上はするでしょうし、日本のコメは円安でも2000ドルの後半といったところです。日本がこの市場に参入する際の大きな課題となります。

大泉一貫

養殖は、漁獲高が減少する一方の水産大国日本にとって「唯一ののぞみ」となっています。東日本大震災直後、ノルウエーを訪問し、漁業資源管理や養殖を導入しようと努力してきましたが、規制や零細な漁業者が多くなかなか定着しませんでした。それが、やっと大企業主導の陸上養殖で輸出の可能性も出てきたようです。海面養殖も可能性はありますが、やはり規制の少ない陸上養殖の可能性が大きいようです。豊かな水と餌がポイントですが、様々な技術開発があると聞いています。 我が国の漁業のV字回復とはいかないでしょうが、零細な漁業から資本力のある生産性の高い漁業に変わり、一縷の望みが見えてきたように思います。

大泉一貫

たこやサンマは大衆的でよく食べていた。たこ焼きはあまり東北にはなくそれほど食べた経験はないが、回転寿司では必ず食べていた。南三陸町はたこの産地で、たこの文鎮を作り「オクトパス君」と命名、受験生に人気だ。 そのたこ、需要の約半分は輸入。たこをかわいがり保護の対象とする国もあり輸入は難しくなりそうだ。養殖もだめというのだから、確かにマグロより高くなるわけだ。 サンマは今年豊漁だと言うが、不良の時はやはり食べられなくなった。鯨もとうの昔に食べられなくなった。そうした事例を見ると、やがて日本人はたこを食べなくなってしまうのだろう。「引っ張りだこ」はいいがやはりさみしい気がする。

大泉一貫

ゴルフ場でもヒト不足が深刻になっているので驚いた。地方農村部ではもはや若い人がいない。中小企業は否応なく賃金を上げるが、コスト高が経営を圧迫している。人手不足倒産も見られる様になった。残った企業も経営改善やDXを進めるなどして人手不足対策を講じなんとか生き延びようとしている。ゴルフ場もキャディさんの賃金を上げラウンドフィーを高額にするか、セルフで回るようにするかの選択になるのかもしれない。

大泉一貫

猛暑に弱いコシヒカリの弱点が言われている。他にも倒伏しやすいなどコシヒカリには様々な弱点がある。それにもかかわらず転換は少しづつしか進まなかった。理由は市場性にある。 うまい米と言えば魚沼コシヒカリなどの常識が作られ、全農が中心になり新潟コシを販売・流通のスタンダードにしてきた。価格も高い。各地にブランド米などが生まれてもなかなか広がらなかった。 これまで品種改良には多額の財政資金が投じられ様々な品種が既にある。これらは我が国の資産でもある。産地は合理的な判断をしてこの資産を生かしてほしいものだ。

大泉一貫

農村でコメの争奪戦が起きている。あまり見られなかった光景だ。 農協は昨年の3割高値の概算金を打ち出したばかりだが、それでもコメが集まらない。それ以上の高値で買う集荷業者や外食業者がいるからだ。そこでさらに概算金をあげたというのがこの記事の内容。 一度決めた概算金の値上げなど聞いたことがない。価格はどこかで落ち着くのだろうが、ある意味農協独占だったコメ集荷に市場原理が働きはじめているともいえる。いつまで続くのか分からないが、今はコメは過剰基調から不足基調にあるといえそうだ。 コメ農政が揺らぎはじめているような気がする。

大泉一貫

コメ取引の高値が続く。コメに関係する民間事業者は農水省発表を半信半疑で見ている様だ。 農水省は、8月の作況は平年並みで大丈夫と言うが、本当にそうか? 1等米比率も、9月の発表で63%と昨年並みに低かった。もっとも、農水省は、集荷量が5%程度での数字で今後回復すると言っているが本当にそうか? 回復しないと来年もこの夏と同じになる。だいたい、農水省の需給予測は厳密には当たったためしがない。 コメに関する農水省の情報が、民間から信用されなくなっているのがこわい。

大泉一貫

意外と知られてないのがイチゴの出荷時期。国内産はクリスマスシーズンから春にかけてで夏は海外産に席巻される。夏も国内で生産ができれば、需要はあるので農家の収益は上がるが、なかなかできない。 夏は北海道で移住生産するというのもそうした模索の一つだが、記事では、栃木県が日本一のイチゴ産地のメンツにかけて、冷却施設を整備し取り組んでいるというもの。 若い方々が前向きに取り組んでいるので、是非成功してもらいたいと思う。心配なのは、夏の高温が続くだけにエネルギーコストの高いものになるのではないかという点。意外と安価にクリアできればいいのだが。

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