釣り人と行政の意見交換会
行政と釣り団体の意見交換会にJGFAの一員として出席した。左から丸橋副会長、若林事務局長、斉藤理事。
都県と釣り団体の意見交換会
水産庁中央会議室にて開催
出席は水産庁、各県の水産部、海上保安庁、日本釣り振興会、全日本釣り団体協議会、釣りインストラクター機構、東京湾遊漁船業協同組合、JGFA、日本マリン事業協会、計37名
釣り人と行政の意見交換会だが、釣り(レジャーフィッシング、スポーツフィッシング)を普及、推進という点ではほとんど意味のない交換会。なぜなら資源が減る一方の現状では、どのような努力も計画も効果は期待できない。単純に言えば魚がいなくなったら釣りはできないのである。
一部の人から「言い過ぎ」と言われるくらい発言してきた。
まず、最初の発言
俺「写真を撮っていいですか?」
斎藤座長(水産庁・室長)「私はかまいませんが、皆さんの了解を得てないので、今回はご遠慮してください」「よろしければ交換会終了後に私が一緒に写りますが」
俺「一人だけ撮ってもねぇ(笑)」
最近の国際会議でやたらと「透明性」とか「公平性」とかを聞いた。ところが相変わらず不透明。こんなことだから密漁や違反が絶えないんだよ。だいたい会議に密漁者来てないだろ。写ってまずい人がいるのか?
次に水産庁側から釣り団体に意見を求められたが、釣り団体側はほぼ無言。そこで俺は次々と発言。JGFAの丸橋さんも若林さんも積極的に発言した。なんか水産庁とJGFAの交換会みたいだ。後半になって他の釣り団体もようやく積極的になってきた。
最初に感じたのは「日本独特の会議の雰囲気」
話しちゃいけないような雰囲気。ただただ定例的に意味のない議題を少ない発言で消化していく雰囲気。これでは何も変わらないだろうと俺は思って聞いていた。
残念な発言は
「水産庁からの指示を待っている」
これは駄目だな。こんなんでは何も変わらないし、水産庁は働きもしない。こっちが積極的に意見を言い、どんどんプッシュしなければならない。待っていたら30年経っても変わらない。
俺「水産庁はどんどん言わないと働かない。そして何も知らないんだから俺たちが教えてあげなくてはいけない」
カナダやアメリカ、ニュージーランド、ノルウェー、アイスランド、南米、いろんな国のレギュレーションや資源管理の話をした。
俺「厳しい罰則と監視を設けないと、今のままでは10年経っても20年経っても変わらない」
「最近、クロマグロに関しては北海道の定置が57トンの枠に対して10倍以上の漁獲があった。これって漁師は完全に枠を守る気がないんだよ。水産庁はこれでいいのか?」
「ルールを守った者が損をして、ルールを破った者が得をするなんてことは絶対にあってはならない。こんなことを続けていたら誰もルールを守らなくなる」
「釣り人も漁師も同じ。自粛要請だけでは大きな効果は期待できない」
「このままでは釣りも漁業も未来は無い」
「酔っ払い運転も罰金、罰則を厳しくしたら一気に減った。もし罰則もなく、注意だけなら飲酒運転は減らない」
「アメリカはNOAA(アメリカ海洋大気庁、日本の環境省のようなもの)が資源管理をやっている。水産庁もやる気がないなら資源管理は環境省にやらせればよい」
俺「釣りを広めたいなら、まず海や川を豊かにすること」「資源の豊かな国の釣り人はマナーが良い。逆に資源の貧しい国の釣り人はマナーが悪い」
俺「カナダのクロマグロ釣りの遊漁船の船長(本業は漁師)はリリースの講習を受けなければならない」「釣り人の魚は売るのも買うのも違反」「監視も罰則も日本に比べてはるかに厳しい」他いろいろ。
「そうやって資源を守り、漁業者とのトラブルも避けているんだよ」
俺「レギュレーションを設けるべき。こんなことは本来、行政がやることで釣り人が言うことではない。あまりに愚かだから言うんだよ」「資源管理先進国はどこにもレギュレーションがあり、そのルールブックは無料で配られている。子供のうちから遊びを通じて社会のルールを知る。こういう環境だから資源保護や自然保護、環境問題に関心のある大人に育つ」
俺「魚が釣れるところは地方に多い。釣り人は魚が釣れればどこへでも行く。そして地方の経済に貢献している。アメリカもカナダもノルウェーも釣り場は田舎が多い。そして国内、海外からたくさんの釣り人が訪れる。それは地方の経済に大きく貢献している。日本は魚がどんどん釣れなくなり、地方の旅館、遊漁船などはどんどんつぶれて、町や島など全体に活気がない」
資源管理に関しては
室長「規制改革推進会議が発動したので資源管理も盛り込まれると思います。TAC、IQ制などもこれから進むと思います」「厳しい管理は漁業者の生活を脅かす。魚は増えたが漁師がいなくなっていたということになりかねない」
俺「資源管理なんて水産庁は何十年も前から言ってるだろ。そしてほとんど効果が出てない。そして漁師の違反、密漁はまったく減らない。規制とか管理とか監視とか罰則とか甘すぎるんだよ」「そんな甘い考えだから日本の水産業はここまで衰退した。しっかり管理しないと日本の漁業は滅ぶ」「クロマグロに関してB020(初期資源量の20パーセント)のことを言ってるんだろうけど、20パーセントはやらなければならない数字。全然厳しいと思わない。ここまで何もしなかったことが大問題」「水産庁のシミュレーションでは禁漁3年で達成できる」
俺「水産資源は国民の財産と水産庁側も会議の冒頭などで話すようになった。釣り人は国民の財産で遊ばせていただいてるのだからルールやマナーを守るのは当たり前。漁業者は国民の財産の一部を利用して生計を立てているのだから、資源を減らさないように漁をするのは当たり前だ」
他にもいっぱい発言しました。熱くなって議題の主旨から外れることも(笑)
帰りに数人の釣り団体、水産庁の方から挨拶をされ、意見を求められた。
水産庁職員「なんでこんなにいろいろと知っているのですか?」
俺「水産庁にもニッスイにも境港にも築地にも応援してくれる方がたくさんいます。皆さん本名は言えませんが、全国いろいろなところから情報は集まります」
言い過ぎに関しては、全日本釣り団体協議会の専務から「どんどん言ってください」と励まされました。
ちなみに今年出席した会議やシンポジウム、対談とリンク先(一部)
1月24日 第14回成果発表会(水産研究教育機構主催)
「成果はあったのか? 」
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-457.html
2月14日 水産研究教育機構の宮原理事長(農水省顧問)と対談
4月26、27日 水産庁ステークホルダー会合
「豊かな海へ!」(腐敗と戦う)
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-462.html
「どこへ行く、我が国水産業」
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-463.html
5月16日 国際シンポジウム「水産物の透明性と持続可能性」(水産研究教育機構・早稲田大学の共催)
5月19日 羽田市場を水産庁職員と見学、そのあと懇親会
5月25日 水産庁前でデモ、そのあと水産庁に挨拶
6月21日 シンポジウム「漁業資源管理と公平性」(講師:小松、ハインズ)
「資源管理改革派の重鎮と釣り大好き博士のお話」
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-464.html
8月7日 小松正之氏(資源管理の大御所、元水産庁)と対談
8月8日 全国マグロ会議(水産庁主催)
10月11日 水産庁、都県との意見交換会
年内にあと1回水産庁と会う予定。
座長を務めた水産庁・遊漁室の斎藤室長
5月16日に早稲田大学で開催された国際シンポジウム「水産物の透明性と持続可能性」
いままでいろんなシンポジウムに参加したけど、今回はほんとうに素晴らしいシンポジウムでした。
水産研究教育機構(宮原理事長)と早稲田大学に感謝しつつ、登壇した各報告者の中身のある未来に向けた講演にも深く感謝します。
全体的に偏らず、公平な内容のシンポジウムでした。
アメリカやEUの報告者はたくさんのヒントを我々に教えてくれたと思います。皆さんとても紳士的な話し方でした。
We don't manage fish, we manage people.
「魚を管理するのではなく、人間を管理する。」
魚は魚を滅ぼしません。魚は環境を破壊しません。人間が資源にも環境にも一番の影響を与えてます。人間を管理できれば魚は勝手に増えていきます。
我が国は先送りばかりしていてはだめです。我が国の水産業は年々悪化して史上最悪の状態です。のんびりしている時間はありません。
中国、台湾、韓国、北朝鮮も脅威です。そのためのヒントを欧米の代表はたくさん教えてくれました。日本はこれからどうスピーディに進めていくかだと思います。
透明性、情報の公開と共有、最新テクノロジーを使った監視などなど。とくに日本の水産業は不透明な部分が多すぎます。それが違反や密漁を防げない大きな原因だと思います。
日本がまずやることは国内のIUU(違法、無報告、無規制)漁業をなくすことだと思います。現実は増え続けています。これではアジアのリーダーにはなれません。アジア、太平洋島嶼国の間でもIUUは深刻な問題です。でもまず日本は国内のIUUを厳しく取り締まるべきです。中国も台湾も未来を危惧している人はたくさんいます。資源の枯渇を望んでいる国はありません。
そして政治家、官僚に任せていては駄目だと改めて強く感じました。
一番大切なことは我々消費者がIUU、サスティナブル、トレーサビリティなどに関心を持つこと。そして我々も監視をすること。
未来は我々国民一人一人にかかっている。
このシンポジムの詳細はここを。
「身勝手な漁業」はもうやめませんか
高橋真理子
http://webronza.asahi.com/science/articles/2017052300005.html
5月19日、野本社長に誘われて羽田市場を水産庁職員と一緒に見学した。
見学のあとは銀座で懇親会。この6日後に水産庁前でデモ(笑)
懇親会は最高に楽しかった。一言で言うなら「悪い奴はいない。話せばみんな良い奴」
5月25日、3年連続で水産庁、ニッスイ本社前でデモ。116人が大声で吠えた。
6月中旬、デモをあざ笑うかのように今年も産卵期のまき網漁が開始。
品質最低のクロマグロが今年も築地に大量に並んだ。競りではなんと7割が売れ残った。まったくの資源の無駄遣いだ。
どこのスーパーでも特売。大安売り。品質最低。
6月21日は釣りが大好きなスミソニアン環境研究センター.所長のハインズ博士の講演を聴いた。とても面白かった。
8月7日は水産資源管理の大御所、小松正之先生と対談。日本の漁業改革に人生をかけている人。
8月8日は「全国マグロ会議」にオブザーバー参加。水産庁の管理方針、全国の漁師の声を聞いた。
明治の中頃まではエンジン付きの漁船は無かった。沿岸での漁獲能力の小さい漁業しかなかった。近代は沖合、遠洋、そして地球の裏側まで漁船は行って漁をする。漁獲能力も一気に拡大した。一度に100トン以上を漁獲することができるまき網。これは兵器でいえば核爆弾のような大量殺人兵器である。野放しにしたら世界の海はあっと言う間に魚の消えた死の海になるだろう。現に世界の海洋水産資源の約8割が枯渇、過剰漁獲、満限利用の状態にあるのだ。
100年前ならアジアの小国が世界を脅かせるなんてことはなかった。今は小国でさえ世界にとって脅威となる。ミサイルに核弾頭を付ければ1発で数百万人以上の命を奪ってしまうのだ。
自主規制の効果がほとんどないことは我が国の漁業の現状を見れば誰でもわかる。
マスコミはクロマグロを黒いダイヤなんて呼ぶのはやめたほうがよい。高値で取り引きされるのは一部。大多数がキロ1000円以下で取り引きされている。
ある漁業者「一度、定置に入ったマグロを外に放すと言うことはどういうことかわかりますか?」「あなた方、役人が楽しみにしていたボーナスを一度受け取って国庫に戻すと言うことではないですか?」
これに関しては水産資源は鼻から漁業者の物ではない。無主物と言って個人、企業の所有物ではない。国連海洋条約では水産資源は全人類の財産とうたっている。その一部を漁業者は獲らせていただいて、自分たちの収入としている。国民の財産である水産資源を分けていただいているという謙虚さを持つべきだ。当然、資源の悪化を招いたら漁業者にも責任がある。獲り過ぎたら返すのは当然。それはボーナスとは全く違う。俺はそういうものだと考えている。もちろん未来を見据えた資源管理を怠った行政に一番の責任がある。
またクロマグロを取り巻く市場は大きく変化しようとしている。
7月に訪れたスペイン最大のまき網&畜養会社の話「今はアメリカが一番のお客さんです。そして新たに中国に売り込みをかけてます」
ちなみにこのまき網会社(バルファゴ社)は1600トンの枠があるが、今年はたったの1週間で枠に達したそうだ。しかも平均サイスは133キロだった。これなら資源管理に成功したという記事にしても誰も文句は言わない。
会議終了後にドン宮原水産研究教育機構理事長(農水省顧問)が挨拶に来た。「俺と茂木さんは仲がいいんだ」
俺「だったらしっかりと資源管理をお願いします」「宮原さんに期待してますよ」
最後に豊かなカナダの海は今年もたくさんの夢をかなえてくれた。
今年はTV番組に頼まれて俺も釣りをやった。カナダは7年連続来ているが、釣りをするのは初めてでした。
8月28日、スピニングタックル、ハーネス無しで550ポンド(250キロ)のクロマグロを56分でキャッチ!
60分以内に上げることを目標としていたのでギリギリまでは無理をせず、50分経過後にフルドラグにして全力ファイト。
9月はハーネス無しのベイトタックルで挑んだ。短時間で上げるコツはロッドを立てつづけること。常に強いプレッシャーをかける。
船長推定650ポンドを28分でキャッチ!
カナダルールは制限時間60分です。2匹とも制限時間内に上げることができたことが一番うれしかった。
※ファイティングタイムが長引くとリリース後の生存率が下がるので、カナダでは60分と決められている。
今年のカナダは女性もチャレンジ。千葉の花園さんが650ポンドのクロマグロを交代なしのスタンドアップファイトでキャッチ!
マグロ釣り、対談、会議、デモなどは12月に某大手TV局より放送される予定です。
釣り師茂木陽一とマグロ資源保護活動がテーマです。
放送日が決まったらご報告します。
合わせて映画製作も始まってます。
来年は別の大手TV局のクロマグロの生態番組に協力します。
都県と釣り団体の意見交換会
水産庁中央会議室にて開催
出席は水産庁、各県の水産部、海上保安庁、日本釣り振興会、全日本釣り団体協議会、釣りインストラクター機構、東京湾遊漁船業協同組合、JGFA、日本マリン事業協会、計37名
釣り人と行政の意見交換会だが、釣り(レジャーフィッシング、スポーツフィッシング)を普及、推進という点ではほとんど意味のない交換会。なぜなら資源が減る一方の現状では、どのような努力も計画も効果は期待できない。単純に言えば魚がいなくなったら釣りはできないのである。
一部の人から「言い過ぎ」と言われるくらい発言してきた。
まず、最初の発言
俺「写真を撮っていいですか?」
斎藤座長(水産庁・室長)「私はかまいませんが、皆さんの了解を得てないので、今回はご遠慮してください」「よろしければ交換会終了後に私が一緒に写りますが」
俺「一人だけ撮ってもねぇ(笑)」
最近の国際会議でやたらと「透明性」とか「公平性」とかを聞いた。ところが相変わらず不透明。こんなことだから密漁や違反が絶えないんだよ。だいたい会議に密漁者来てないだろ。写ってまずい人がいるのか?
次に水産庁側から釣り団体に意見を求められたが、釣り団体側はほぼ無言。そこで俺は次々と発言。JGFAの丸橋さんも若林さんも積極的に発言した。なんか水産庁とJGFAの交換会みたいだ。後半になって他の釣り団体もようやく積極的になってきた。
最初に感じたのは「日本独特の会議の雰囲気」
話しちゃいけないような雰囲気。ただただ定例的に意味のない議題を少ない発言で消化していく雰囲気。これでは何も変わらないだろうと俺は思って聞いていた。
残念な発言は
「水産庁からの指示を待っている」
これは駄目だな。こんなんでは何も変わらないし、水産庁は働きもしない。こっちが積極的に意見を言い、どんどんプッシュしなければならない。待っていたら30年経っても変わらない。
俺「水産庁はどんどん言わないと働かない。そして何も知らないんだから俺たちが教えてあげなくてはいけない」
カナダやアメリカ、ニュージーランド、ノルウェー、アイスランド、南米、いろんな国のレギュレーションや資源管理の話をした。
俺「厳しい罰則と監視を設けないと、今のままでは10年経っても20年経っても変わらない」
「最近、クロマグロに関しては北海道の定置が57トンの枠に対して10倍以上の漁獲があった。これって漁師は完全に枠を守る気がないんだよ。水産庁はこれでいいのか?」
「ルールを守った者が損をして、ルールを破った者が得をするなんてことは絶対にあってはならない。こんなことを続けていたら誰もルールを守らなくなる」
「釣り人も漁師も同じ。自粛要請だけでは大きな効果は期待できない」
「このままでは釣りも漁業も未来は無い」
「酔っ払い運転も罰金、罰則を厳しくしたら一気に減った。もし罰則もなく、注意だけなら飲酒運転は減らない」
「アメリカはNOAA(アメリカ海洋大気庁、日本の環境省のようなもの)が資源管理をやっている。水産庁もやる気がないなら資源管理は環境省にやらせればよい」
俺「釣りを広めたいなら、まず海や川を豊かにすること」「資源の豊かな国の釣り人はマナーが良い。逆に資源の貧しい国の釣り人はマナーが悪い」
俺「カナダのクロマグロ釣りの遊漁船の船長(本業は漁師)はリリースの講習を受けなければならない」「釣り人の魚は売るのも買うのも違反」「監視も罰則も日本に比べてはるかに厳しい」他いろいろ。
「そうやって資源を守り、漁業者とのトラブルも避けているんだよ」
俺「レギュレーションを設けるべき。こんなことは本来、行政がやることで釣り人が言うことではない。あまりに愚かだから言うんだよ」「資源管理先進国はどこにもレギュレーションがあり、そのルールブックは無料で配られている。子供のうちから遊びを通じて社会のルールを知る。こういう環境だから資源保護や自然保護、環境問題に関心のある大人に育つ」
俺「魚が釣れるところは地方に多い。釣り人は魚が釣れればどこへでも行く。そして地方の経済に貢献している。アメリカもカナダもノルウェーも釣り場は田舎が多い。そして国内、海外からたくさんの釣り人が訪れる。それは地方の経済に大きく貢献している。日本は魚がどんどん釣れなくなり、地方の旅館、遊漁船などはどんどんつぶれて、町や島など全体に活気がない」
資源管理に関しては
室長「規制改革推進会議が発動したので資源管理も盛り込まれると思います。TAC、IQ制などもこれから進むと思います」「厳しい管理は漁業者の生活を脅かす。魚は増えたが漁師がいなくなっていたということになりかねない」
俺「資源管理なんて水産庁は何十年も前から言ってるだろ。そしてほとんど効果が出てない。そして漁師の違反、密漁はまったく減らない。規制とか管理とか監視とか罰則とか甘すぎるんだよ」「そんな甘い考えだから日本の水産業はここまで衰退した。しっかり管理しないと日本の漁業は滅ぶ」「クロマグロに関してB020(初期資源量の20パーセント)のことを言ってるんだろうけど、20パーセントはやらなければならない数字。全然厳しいと思わない。ここまで何もしなかったことが大問題」「水産庁のシミュレーションでは禁漁3年で達成できる」
俺「水産資源は国民の財産と水産庁側も会議の冒頭などで話すようになった。釣り人は国民の財産で遊ばせていただいてるのだからルールやマナーを守るのは当たり前。漁業者は国民の財産の一部を利用して生計を立てているのだから、資源を減らさないように漁をするのは当たり前だ」
他にもいっぱい発言しました。熱くなって議題の主旨から外れることも(笑)
帰りに数人の釣り団体、水産庁の方から挨拶をされ、意見を求められた。
水産庁職員「なんでこんなにいろいろと知っているのですか?」
俺「水産庁にもニッスイにも境港にも築地にも応援してくれる方がたくさんいます。皆さん本名は言えませんが、全国いろいろなところから情報は集まります」
言い過ぎに関しては、全日本釣り団体協議会の専務から「どんどん言ってください」と励まされました。
ちなみに今年出席した会議やシンポジウム、対談とリンク先(一部)
1月24日 第14回成果発表会(水産研究教育機構主催)
「成果はあったのか? 」
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-457.html
2月14日 水産研究教育機構の宮原理事長(農水省顧問)と対談
4月26、27日 水産庁ステークホルダー会合
「豊かな海へ!」(腐敗と戦う)
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-462.html
「どこへ行く、我が国水産業」
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-463.html
5月16日 国際シンポジウム「水産物の透明性と持続可能性」(水産研究教育機構・早稲田大学の共催)
5月19日 羽田市場を水産庁職員と見学、そのあと懇親会
5月25日 水産庁前でデモ、そのあと水産庁に挨拶
6月21日 シンポジウム「漁業資源管理と公平性」(講師:小松、ハインズ)
「資源管理改革派の重鎮と釣り大好き博士のお話」
http://uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-464.html
8月7日 小松正之氏(資源管理の大御所、元水産庁)と対談
8月8日 全国マグロ会議(水産庁主催)
10月11日 水産庁、都県との意見交換会
年内にあと1回水産庁と会う予定。
座長を務めた水産庁・遊漁室の斎藤室長
5月16日に早稲田大学で開催された国際シンポジウム「水産物の透明性と持続可能性」
いままでいろんなシンポジウムに参加したけど、今回はほんとうに素晴らしいシンポジウムでした。
水産研究教育機構(宮原理事長)と早稲田大学に感謝しつつ、登壇した各報告者の中身のある未来に向けた講演にも深く感謝します。
全体的に偏らず、公平な内容のシンポジウムでした。
アメリカやEUの報告者はたくさんのヒントを我々に教えてくれたと思います。皆さんとても紳士的な話し方でした。
We don't manage fish, we manage people.
「魚を管理するのではなく、人間を管理する。」
魚は魚を滅ぼしません。魚は環境を破壊しません。人間が資源にも環境にも一番の影響を与えてます。人間を管理できれば魚は勝手に増えていきます。
我が国は先送りばかりしていてはだめです。我が国の水産業は年々悪化して史上最悪の状態です。のんびりしている時間はありません。
中国、台湾、韓国、北朝鮮も脅威です。そのためのヒントを欧米の代表はたくさん教えてくれました。日本はこれからどうスピーディに進めていくかだと思います。
透明性、情報の公開と共有、最新テクノロジーを使った監視などなど。とくに日本の水産業は不透明な部分が多すぎます。それが違反や密漁を防げない大きな原因だと思います。
日本がまずやることは国内のIUU(違法、無報告、無規制)漁業をなくすことだと思います。現実は増え続けています。これではアジアのリーダーにはなれません。アジア、太平洋島嶼国の間でもIUUは深刻な問題です。でもまず日本は国内のIUUを厳しく取り締まるべきです。中国も台湾も未来を危惧している人はたくさんいます。資源の枯渇を望んでいる国はありません。
そして政治家、官僚に任せていては駄目だと改めて強く感じました。
一番大切なことは我々消費者がIUU、サスティナブル、トレーサビリティなどに関心を持つこと。そして我々も監視をすること。
未来は我々国民一人一人にかかっている。
このシンポジムの詳細はここを。
「身勝手な漁業」はもうやめませんか
高橋真理子
http://webronza.asahi.com/science/articles/2017052300005.html
5月19日、野本社長に誘われて羽田市場を水産庁職員と一緒に見学した。
見学のあとは銀座で懇親会。この6日後に水産庁前でデモ(笑)
懇親会は最高に楽しかった。一言で言うなら「悪い奴はいない。話せばみんな良い奴」
5月25日、3年連続で水産庁、ニッスイ本社前でデモ。116人が大声で吠えた。
6月中旬、デモをあざ笑うかのように今年も産卵期のまき網漁が開始。
品質最低のクロマグロが今年も築地に大量に並んだ。競りではなんと7割が売れ残った。まったくの資源の無駄遣いだ。
どこのスーパーでも特売。大安売り。品質最低。
6月21日は釣りが大好きなスミソニアン環境研究センター.所長のハインズ博士の講演を聴いた。とても面白かった。
8月7日は水産資源管理の大御所、小松正之先生と対談。日本の漁業改革に人生をかけている人。
8月8日は「全国マグロ会議」にオブザーバー参加。水産庁の管理方針、全国の漁師の声を聞いた。
明治の中頃まではエンジン付きの漁船は無かった。沿岸での漁獲能力の小さい漁業しかなかった。近代は沖合、遠洋、そして地球の裏側まで漁船は行って漁をする。漁獲能力も一気に拡大した。一度に100トン以上を漁獲することができるまき網。これは兵器でいえば核爆弾のような大量殺人兵器である。野放しにしたら世界の海はあっと言う間に魚の消えた死の海になるだろう。現に世界の海洋水産資源の約8割が枯渇、過剰漁獲、満限利用の状態にあるのだ。
100年前ならアジアの小国が世界を脅かせるなんてことはなかった。今は小国でさえ世界にとって脅威となる。ミサイルに核弾頭を付ければ1発で数百万人以上の命を奪ってしまうのだ。
自主規制の効果がほとんどないことは我が国の漁業の現状を見れば誰でもわかる。
マスコミはクロマグロを黒いダイヤなんて呼ぶのはやめたほうがよい。高値で取り引きされるのは一部。大多数がキロ1000円以下で取り引きされている。
ある漁業者「一度、定置に入ったマグロを外に放すと言うことはどういうことかわかりますか?」「あなた方、役人が楽しみにしていたボーナスを一度受け取って国庫に戻すと言うことではないですか?」
これに関しては水産資源は鼻から漁業者の物ではない。無主物と言って個人、企業の所有物ではない。国連海洋条約では水産資源は全人類の財産とうたっている。その一部を漁業者は獲らせていただいて、自分たちの収入としている。国民の財産である水産資源を分けていただいているという謙虚さを持つべきだ。当然、資源の悪化を招いたら漁業者にも責任がある。獲り過ぎたら返すのは当然。それはボーナスとは全く違う。俺はそういうものだと考えている。もちろん未来を見据えた資源管理を怠った行政に一番の責任がある。
またクロマグロを取り巻く市場は大きく変化しようとしている。
7月に訪れたスペイン最大のまき網&畜養会社の話「今はアメリカが一番のお客さんです。そして新たに中国に売り込みをかけてます」
ちなみにこのまき網会社(バルファゴ社)は1600トンの枠があるが、今年はたったの1週間で枠に達したそうだ。しかも平均サイスは133キロだった。これなら資源管理に成功したという記事にしても誰も文句は言わない。
会議終了後にドン宮原水産研究教育機構理事長(農水省顧問)が挨拶に来た。「俺と茂木さんは仲がいいんだ」
俺「だったらしっかりと資源管理をお願いします」「宮原さんに期待してますよ」
最後に豊かなカナダの海は今年もたくさんの夢をかなえてくれた。
今年はTV番組に頼まれて俺も釣りをやった。カナダは7年連続来ているが、釣りをするのは初めてでした。
8月28日、スピニングタックル、ハーネス無しで550ポンド(250キロ)のクロマグロを56分でキャッチ!
60分以内に上げることを目標としていたのでギリギリまでは無理をせず、50分経過後にフルドラグにして全力ファイト。
9月はハーネス無しのベイトタックルで挑んだ。短時間で上げるコツはロッドを立てつづけること。常に強いプレッシャーをかける。
船長推定650ポンドを28分でキャッチ!
カナダルールは制限時間60分です。2匹とも制限時間内に上げることができたことが一番うれしかった。
※ファイティングタイムが長引くとリリース後の生存率が下がるので、カナダでは60分と決められている。
今年のカナダは女性もチャレンジ。千葉の花園さんが650ポンドのクロマグロを交代なしのスタンドアップファイトでキャッチ!
マグロ釣り、対談、会議、デモなどは12月に某大手TV局より放送される予定です。
釣り師茂木陽一とマグロ資源保護活動がテーマです。
放送日が決まったらご報告します。
合わせて映画製作も始まってます。
来年は別の大手TV局のクロマグロの生態番組に協力します。