2015/07/14

俺の答え

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この数日間、ほとんど寝ないで過ごした。それはどうしても産卵期のクロマグロ漁を止めたいからだ。

「子が卵を産む」「まき網が産卵期にこだわる理由」「利権の構造」

今回は上記の3つについて述べる。



【子が卵を産む】


今年も日本海の産卵期にまき網は大暴れしていた。北は東北から南は九州まで、いたるところにまき網船は出没していた。その行動範囲は年々広くなっている。

そして

子が卵を産むという異常事態になっている。

水産庁は日本海側のクロマグロの成熟年齢(産卵開始年齢)は3歳で20パーセントと言い続けてきた。
ところが近年の報告では3歳で80パーセントが成熟しているそうだ。その成熟年齢は年々早くなっていると現地(境港)からの聞き取りもある。

種の資源が減少すると成熟年齢(産卵年齢)が低下することは多くの魚種で報告されている。3歳(約30キロ)というと人間に例えれば小学生くらいと考えてもよいだろう。同じクロマグロでも太平洋側は6歳以上(約80キロ)、そして西部大西洋クロマグロは8歳(約120キロ)で成熟すると報告されている。寿命は25歳前後である。


それについて参考になる報告書はこれだ。
※マサバはマグロに遺伝子的にもっとも近い。


マサバ太平洋系群の繁殖特性の変化とその個体群動態への影響
渡邊千夏子

http://jsfo.jp/contents/pdf/74-sp-46.pdf

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重要な部分を拡大する。


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かつては3歳で産卵していたのが、資源の減少に伴い2歳で産卵を開始しているそうだ。

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最後は大型、高齢魚を増やすことだと締めくくっている。


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クロマグロに戻る。

ところが現状は3歳から4歳の若いマグロが成魚の漁獲の9割以上を占めているのである。完全な大人になる前に獲られてしまうのである。





【まき網が産卵期にこだわる理由】



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我々は水産庁&一部議員に「科学的根拠がない」「感情論」「遺憾だ」と言われている。

その水産庁の科学的根拠に従った結果、クロマグロは絶滅危惧種になった。これは事実である。

資源が減った理由を水産庁に問うと決まって以下の返答となる。

「資源の減少は水温などの環境要因である」

「日本海の産卵親魚を獲っても資源への影響はない」

ISCの報告では近年の環境はいたって良いらしい。

水産庁は親はいなくても子は生まれるとでもいいたいのか?

子は親から生まれるのである。そんなことは子供でも知っている。


それについても参考になる報告書を見つけた。

寄稿 鳥取県境港におけるまき網により漁獲された大型クロマグロについて
川口哲夫

http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010263131.pdf

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重要な部分を拡大する。

まき網船が日本海でクロマグロを獲り始めたのは1981年だそうだ。


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1982年の漁場である。こんな狭い範囲で7月のたった19日間だけで1637トンも獲った。しかも平均サイズは121キロである。

今は日本海中で漁をしても19日間では500トンも獲れない。しかも近年のアベレージは30キロ台である。


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活動中の魚群をとらえるのは不可能と書かれている。網を入れる条件は魚群が停止した状態と書かれている。停止しているときは産卵行動だったとも書かれている。


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ここには「6才から10才を中心とした成魚によって構成されていた。まき網船の大量漁獲はクロマグロの産卵行動と密接な関係がある」と書かれている。

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1980年代にまき網が日本海側で大型のクロマグロを漁獲した報告は他にもある。

今年5月の朝日新聞。

1982年に100キロ級を1回で1800本漁獲している。巻いたときは産卵行動中だった。

小西藤司の物語

http://globe.asahi.com/feature/side/2015050100028.html




この表を見ると1981年と1982年は大型のクロマグロ(成魚)の漁獲が突出している。メジ(未成魚)の10倍くらい漁獲していた。
※1956年以前はマグロとメジを分けてない。

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ところが成魚(30キロ以上)と未成魚(30キロ未満)の漁獲の差がどんどん縮まっていった。

1995年についに逆転。それ以降は未成魚(30キロ未満)の漁獲が上回っている。


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境港の水揚げを見ても成魚の減少は一目瞭然。

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ここまで大型のマグロが減っても産卵期に獲りつづけるまき網業界。

もう大型魚はほとんどいないのである。だから子が卵を産む。


今年の4月、ある離島で水産庁職員から地元漁業者に以下のお願いがあった。

職員「まき網は産卵期にしか獲れないので協力してほしい」

この職員は正直者である(^O^)



さらに

境港のまき網関係者はこう発言した。

「6月から8月は他の魚が獲れない夏枯れの時期なのでクロマグロを獲っている」


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俺の答えはこうだ。

環境要因だとか、親を獲っても子は減らないだとか、それは巻き網に産卵期に獲らせるための御託なのだ。

それにしてもこんなくだらない御託に付き合う学者が多いのも呆れたもんである。

役人の給料も御用学者の給料も国民の税金である。

しっかりと国民のために仕事をしてくれ。





この50年で食用とされる大型魚の資源は10分の1以下に減ったと報告されている。

その一番の犯人が誰なのかは、この表を見れば誰でもわかるだろう。

急激に漁獲が増えているのはまき網である。


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【利権の構造】


最後に

天下り団体の一部を紹介する。水産業界は天下り先がやたらと多い。

一般社団法人 全国まき網漁業協会

http://business3.plala.or.jp/zenmaki/aboutus.html

人件費、退職金、交通費が支出のほとんど。
俺には何をやってる団体なのかよくわからん。
会長、副会長はすべて元官僚(ほとんど水産庁)。

大日本水産会も会長は元水産庁。
http://www.suisankai.or.jp/

他に国立研究開発法人水産総合研究センターなど。天下り先は多すぎて調べきれません。



大手水産会社、天下り団体、一部政治家、それらが利権で結託し、長年水産庁を動かしている。

俺の答えである。



2015/07/12

北海道の離島を訪れて

俺は日本の離島をすべて訪れることを人生の目標の一つとしている。

残るのはあと10島くらいである(内海と無人島を除く)。

今回は北海道の離島4島を訪れた。

焼尻、天売、礼文、利尻である。


島はウニ漁最盛期だった。
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北海道の離島の主な海産物は、ウニ、コンブ、ナマコ、そして魚である。1950年代半ばころまではどの島もニシンで賑わった。1955年ころからニシンがパッタリと来なくなった。島の人口も経済も一気に落ち込んでいった。



6月下旬、旭川に到着。

旭川には叔父夫婦が住んでいる。もう叔父は84歳、叔母は77歳。

この老夫婦は農園を持っていて、春から秋まで毎日農園に行って野菜や果樹の手入れで大忙しだそうだ。
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ジャガイモ、トマト、リンゴ、ブドウ、トウモロコシ、ナス、ネギ、そして桃やゴウヤまで作っていた。ゴウヤって沖縄が産地だったような・・・?

収穫が楽しくて仕方ないそうだ。元々は群馬の山村の百姓の倅である。

とにかく昔とまったく変わらず元気だった。この調子じゃ俺のほうが先に逝くかも(-_-;)



翌日は旭川から苫前~羽幌、そこからフェリーで焼尻島に行った。

焼尻には知り合いの漁師がいる。地元の漁業、そして北海道の漁業の未来を危惧して、日本全国を駆け巡っている漁師だ。

高松幸彦の物語(朝日GLOBE)
http://globe.asahi.com/feature/side/2015050100026.html


高松さんのご自宅で息子さんと3人で夕食。
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ウニを山盛りいただきました。痛風の俺には最高のご馳走です(笑)

ウニとナマコのお話。昔いっぱい釣れた大型クロマグロの話。いっぱい聞かせていただいた。


高松さんは翌日には都内で開催される築地の生田さん主催の「あなほけサミット」に出席するため焼尻からフェリー、車、飛行機と乗り継いで出かけて行きました。焼尻から東京に行くのは日本からオーストラリアに行くくらい時間がかかります。


焼尻2日目は早朝の5時半に港に行った。93歳の現役漁師に会うためだ。

そんな早い時間に行ったのに、すでに刺し網漁は終えて、港で収穫の出荷作業をやっていた。
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野越 左市さん93歳。刺し網漁は弟さん(87歳)と一緒に行く。二人で180歳である。その弟さんは次の漁にでかけてすでにいなかった。

俺「いっぱい獲れましたね」
野越さん「勝手に網に刺さってたさー」

まだ1円も年金に手を付けてないそうだ。

完全な現役漁師。

とにかく元気な方でした。



昼は焼尻島内観光をやって、午後のフェリーで天売島に向かった。

ここでは天売一の漁師さんにお世話になった。北るもい漁業協同組合の理事である奈良清志さん。

まず、夕方のウトウ(渡り鳥)の帰巣に案内していただいた。

そのあと真夜中10時の出漁に同船させていただいた。

10時半ごろポイントに到着。目印のブイを回収して刺し網を上げる。

刺し網の長さは何と4キロである。

アイナメ、シマゾイ、カスベ、ヒラメ、などなど次から次と上がってきた。
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これは一番多かったカスベ。合計で400キロくらい獲れた。煮付けや唐揚げなどで食べる。
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これは14.5キロの水ダコ。合計6匹獲れた。
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この日の漁獲は、シマゾイ約150匹、ヒラメ約50匹、アイナメ、マゾイなどが数匹だった。


俺は途中から海鳥の撮影に夢中だった。

ウミネコ、オオセグロカモメが船の回りにいっぱい集まってきた。

船の灯に寄せられて水面に浮上してくるサンマを狙っているのだ。

次々とサンマを捕まえるウミネコ。すぐに他の鳥が横取りに来る。早く飲み込まないとせっかくの獲物を獲られてしまう。飲み込むまで5秒以内。早い!
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カナダでも真昼間にカモメやカツオドリがニシンを捕まえて飲み込むのを数えきれないほど目撃した。そっちは3秒以内だった。

カナダでは日中に海鳥は漁をする。日本では真夜中に漁をする。鳥は本来昼行動する生き物である。


ウトウは潜水の名手でほとんど潜っているが、時折水面に浮かんでくる。ウトウはサンマは大きすぎて獲ってないようだった。
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網の回収は3時間半かかった。
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それから30分かけて帰港。港では奥さんとパートのおばさんたちが待っていた。網から魚を外したり、カスベを処理したり、帰港後の仕事も3時間くらいかかった。

そして朝になればウニ漁に出かけ、午後には再び刺し網を仕掛ける。そして真夜中に回収。

これが奈良さんの1日である。天売一の水揚げは努力なしには達成できないのだ。



そんな奈良さんに昔のクロマグロ漁の話を聞いた。

なんと1990年頃には1日で250キロクラスのクロマグロを6匹獲ったことがあるそうだ。その1日の水揚げは600万円。奈良さんが一番稼いだ1日だった。そんないっぱいいたクロマグロは1995年からパッタリと来なくなった。



天売島はウミガラス(オロロン鳥)とウミスズメの国内唯一の繁殖地。
そしてケイマフリは国内最大の繁殖地です。またウトウは約80万羽が生息する、世界最大の繁殖地。


この穴はウトウの巣。日が沈むとウトウが餌を咥えて一斉に戻ってくる。その餌を奪おうとウミネコとオオセグロカモメが待機。
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次々と巣に向かって飛び出したウトウ。飛ぶスピードはカモメの3倍くらい速いので、カモメは空中でウトウの餌を奪うことはできない。
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巣の近くに立っていると頭にウトウが激突することもあるそうだ。とにかく危険。



昨年はたいへんなことが起きた。


「ウトウが子育てを放棄」
https://www.facebook.com/JapanNatureWatch/posts/278458209016448
ところが、今年は雛が誕生し始める6月に入っても、帰巣するウトウの数が少ないだけでなく、帰巣する時間が遅くなり夕方8時近くになっています。さらに、帰巣したウトウの大半は魚をくわえていません。ウトウの1日の移動距離は100km以上にもなるそうなので、天売島近海だけではなく、北海道の日本海側で、ウトウの主な餌となるカタクチイワシ・イカナゴが激減しているようです。そのため、なかなか魚を捕まえられなくて帰りが遅くなっているようです。中には、餌をとるのを諦めてしまい、巣に帰ることなく天売島近海の海上で浮遊している親もいます。餌が取れないので、子育てを放棄してしまったようです。


すべてのウトウが子育てを放棄して、いつもより早い時期に北へ飛び立ってしまったそうだ。そして推定20万羽の雛が死んだ。


そんなウトウの大群が夕暮れ時にオホーツク海側から天売に向かって移動しているのを見た。目撃した場所は稚内の北にあるノシャップ岬である。おそらく日本海側に餌がいないので、オホーツク海まで飛んで行くのだろう。往復で200キロ以上である。
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こんなに遠くまで毎日餌を獲りに行くウトウがとにかく哀れに見えた。



日中は忙しい合間を縫って奈良さんがバードウオッチングにボートを出してくれた。

合計で100万羽の海鳥が生息するという天売島。とにかくその鳥の多さは驚きである。

これはケイマフリ。現地の人はアカアシと呼んでいる。
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絶滅危惧II類(VU)。3000羽から500羽に減少したそうだが、もっと多いように感じた。生息数は増えているのかもしれない。


そのケイマフリを撮影中に一回り大きな鳥を発見した。

オロロン鳥だ!!!
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真中を飛んでいるのがオロロン鳥である。

オロロン鳥(ウミガラス)
ごく近い将来に絶滅の危険性が極めて高い、絶滅危惧IA類(CR)

1938年に「天売島の海鳥群集」が国の天然記念物に指定を受けたときには4万羽がいたそうだ。1963年には8000羽、1980年に533羽、1995年には20羽、2002年7月18日の観測では5つがい13羽、そして2003年には3つがいと、つがい数は減ったものの19羽となってしまったらしい。


オロロン鳥が減ってしまった理由
http://www.ne.jp/asahi/tomodachi/museum/page/ororon2.html


巣から飛びたつ、オロロン鳥。回りの鳥は右側の2羽を除いてすべて模型です。
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その後、フェリーで羽幌に戻り、稚内で2泊した。宗谷岬、浜頓別、ノシャップ岬などをまわった。


そして礼文島へ。

ここでは天気が悪く、アザラシの写真くらいしか撮れなかった。トップのウニ漁の写真は礼文である。宿の窓から撮った。


そして礼文や利尻の郷土資料館、帰り際に札幌の北海道博物館に行った。アイヌの悲惨な歴史に日本人の残酷な一面を見た。


これは江戸時代のニシン漁の絵
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北海道は江戸時代からニシン漁で栄えた。
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1938年の利尻の港。ニシン漁の船でいっぱいである。
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さらに古いと思われる写真。どの船もニシンで満杯。
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ピーク時は利尻島だけで10万トン以上獲れた。
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焼尻も1930年代は毎年2万トンくらい獲ってたそうだ。


現在は北海道全域の漁獲を合せても3000トン前後である。


1955年にニシンがパッタリと来なくなるとどんどん人口が減っていった。
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2万人以上いたのが、現在は5000人を切っている。

焼尻は2500人から250人に。天売は2000人から300人に減少した。


北海道のニシンの水揚げ。ピークは約100万トン。一度減ってしまうと回復はほぼ不可能。稚魚放流などいろいろと資源回復を試みたがことごとく失敗に終わっている。

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俺は資源がある程度回復するまで全面禁漁にしたらと思う。そういう考えはないのだろうか?



利尻では工藤さんにお世話になった。今はウニ漁の真っ最中。ここでも山盛りウニをいただいた。
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ここでも昔のクロマグロ漁の話しで盛り上がった。

そして俺のパソコンに入っているカナダの動画を見せた。

巨大クロマグロが次々と船べりに現れるのに驚いている様子である。


しかし、1995年頃まではこの海にも巨大クロマグロはいっぱい回遊してきた。

昔の文献を調べたら1936年には樺太(現サハリン)沿岸までクロマグロが大漁だったらしい。そのころはニシンがいっぱいいた。今のカナダ・プリンスエドワード島のようにニシンを食べに巨大クロマグロが北上していたのだろう。


北海道北部に1995年ころから大型のクロマグロが回遊してこなくなった原因はいくつかあるが、南方海域でのまき網の乱獲、餌のイワシ、イカナゴの減少が大きな原因ではないかと。


次回のブログでは、どうしてクロマグロがこんなに減ったのか、どうして産卵期のまき網にこだわるのか、利権の構造もふまえて俺の答えをアップします。

2015/07/10

クロマグロをリリースする

キャンペーンの写真を入れ替えました。

フックの付いたマグロに多くの方が疑問を感じていたようです。


新しくこの写真に変更しました。
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「太平洋クロマグロを絶滅から守ろう!」


以前の写真はこれでした。
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ご指摘です。おっしゃる通りだと思います。俺は釣り人なので気が付きませんでした。
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言い訳になりますが、フレデリック・フォーサイスの短編小説「帝王」の中に巨大マーリンと8時間格闘して最後は体力も使い果たし、意識ももうろうとなりながら巨大マーリンをリリースする場面があります。その場面が大好きで、このような写真を使ってしまいました。
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アメリカ、カナダ、ニュージーランドではクロマグロはリリースが普通です。カナダのプリンスエドワード島に毎年クロマグロを釣りに行きますが、アベレージサイズ350キロ以上のクロマグロが毎日ヒットします。


その動画です。船の回りは巨大クロマグロでいっぱいです。



釣り人は1匹もキープできません。すべて船べりでリリースしなければなりません。
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リリースしても死ぬのでは?とよく聞かれます。


ところがファイティングタイム90分以内にリリースすれば96パーセントが生きているそうです。
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Canada worked with 20 PEI tuna fishermen to tag 59 fish with fail-safe satellite tags.

Only two fish died - 3.4 percent - easing the minds of most commercial tuna men,and presumably adjusting mortality estimates for 2011.


また、俺はアメリカ、カナダ、ニュージーランドの3国でクロマグロ釣りをしましたが、各国がマグロの研究に大変力を入れているのが印象でした。

背中にポップアップタグ(データを蓄積できるタグ)を打ったり、お腹を切り裂いてアーカイバルタグを埋め込んだり、そうやってリリースしてもほとんど生きているのです。クロマグロの生命力は私たちが思っているよりはるかに強いです。


船にあげたあとは口から常に海水を注ぎます。ギァフは返しのないものを使い、必ず下あごにかけます。
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濡れたタオルを目に当てるとおとなしくなります。
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長さを計り、タグを打ってリリースします。
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アメリカ、カナダ、ニュージーランドではこうやって毎年研究のためにたくさんリリースされてます。釣り船や釣り人も研究者を船に乗せて研究に協力しています。日本では300キロオーバーのクロマグロをリリースするなんて聞いたことがありません。

海外ではこのように研究に力を入れてます。

そして資源管理も科学的根拠を基にしっかりとやってます。

だからクロマグロはいっぱいいます。

そして大西洋のクロマグロは資源が増えています。


日本は世界のクロマグロの8割を消費していますが、このような研究はほとんどやってません。

日本は獲って売って食べるだけの国なのです。

産卵期まで乱獲しています。

資源はどんどん減っています。



2015/07/10

みんなの力でクロマグロを守ろう!

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キャンペーンを7月7日の23:00に立ち上げた。

「太平洋クロマグロを絶滅から守ろう!」

↑この文字をクリック


Facebookページも立ち上げた。

https://www.facebook.com/bluefintunajapan


凄い反響にビックリした。これがみんなの力である。

何事も「挑む」ことが大切である。


そして、昨夜は賛同者のコメントに目を通した。

何千人ものコメントなので、とても全部に目を通すのは無理だったけど、涙が出るようなコメントもあった。

そして予想に反して女性のコメントがとにかく多かった。

次世代に残す。

母性本能からなのだろうか・・・


コメントのほんの一部を紹介します。



応援してます。
近い将来、ニッスイや政府を含めたみんなが幸せになれるよう。

日本人としてマグロが好きだからこそ賛同します。

まぐろが好きなので、我慢します。

私達は、スーパーへ行けば一年中鮪を買う事ができます。それこそ、鮪の旬がいつなのかわからないくらいです。産卵の為に集まる鮪のメスを獲る事が数を減らす原因なら、その間漁を禁止して鮪を守るべきです。

海洋資源じゃなくてね、海洋生物なんですよ。生き物なんです。そこんとこ履き違えてるでしょ?未来に残そうじゃなくてさ、絶滅危惧種を守ろうでしょ?

貴重な海洋資源を守るために、日本国内でもできることがあります。うしろめたさなく、おいしくマグロを食べましょう!

これまで人間は、商売のため幾多の動植物をすでに絶滅に追いやった。如何に日本人がマグロを好んでいるとは、絶滅させては何もならない。やはり自然界と共存してこそ、資源もまもられる。乱獲は即中止!

一人の魚好きとして賛同します!
マグロ食べたくても、こんな資源の無駄使いするならちゃんと我慢するよ!

「昔マグロという魚がいてね、にぎり寿司にするとおいしかったんだよ」なんて子供に話すのはイヤです。

自ら道を狭めてはいけません、私達は常に先を見据えて行動していかなければならないのです。クロマグロがこのままでは絶滅してしまう。残念ながら私は絶滅を防ぐ事はできません。私が今できることは賛同しFacebook等でこの事実を世界中に知らせる事です。

マグロが大好き!!
ずっと、食べたいし、子供や孫の世代にも美味しいマグロを味わってほしい!

産卵期のマグロを根こそぎ捕ってしまうニッスイ(プラス関連企業)の巻き網漁には反対です。水産庁も資源保護の観点から禁漁期間を設定し、前述の一営利企業を規制すべきです。このまま一営利企業のせいで太平洋クロマグロ絶滅に向けて加速させるなんてナンセンス。後悔しても後のまつり、今じゃないと止められないんですよ!

マグロは、特にクロマグロはなるべく食べないようにしています。絶滅危惧種は「美味しくない」との価値観を持つようになりました。

ツナは好きですが我慢します。

量を稼ぐことで儲けを得ることが持続出来るほど自然は豊かではありません。まだ絶滅していないのに規制する必要は無いと考えているのでしょうが、もちろんそれでは遅すぎます。マグロだけではありませんが、現在の資源枯渇を招いたのは、規制を行える監督官庁の責任であると言わざるをえません。

クロマグロに手が出せる身分ではありませんが、何事もバランスが大切です。
自然に対する畏怖をなくし意地汚く欲にまみれては泣きを見るでしょう。
卑しい心は捨てましょう。

政府・行政の怠りは重大です。漁業者やそれに関連する方々の暮らしに影響は大です。やれることをしないのは無責任だと思います。しかし、もっとも引いた視点から物言えば、私は、少しの間、マグロを食べなくても大丈夫です。自分らの食文化を「流行事」にされるのも、それに「乗せられる」のも、私は嫌です。「高級マグロ」って実は、偽りのように思うのです。

日本人の食文化の為に、世界の自然界を変えてはいけません!
最低限のクロマグロだけを取り、後は育成の為に保存したり養殖から繁殖へと繋げるなどの日本の技術力をこちらに使えるのではありませんか?

お金を出せば食べたい放題お腹を満たすことができる時代になってしまったとこの問題からもつくづく思い知らされます。「頂きます、御馳走様でした」と命を頂く気持ちが本当に大事だと思います。10年、50年、100年・・・と人間だけでなく生き物すべてが命をつなぐことができることを願っています。日常的に絶滅という言葉を目にする今日この頃です、自分の問題と認識することを全ての人に希望します。

【マグロ】大好きです(*´∀`)♪
出来るだけ長く食べたいので、賛同しました。
【マグロ】が好きな方は是非賛同してください(b´∀`)ネッ!

私たちは、鮪を感謝していただかないといけないと思います。私、勉強不足ですが、乱獲なのかもと思っております。

水産庁と水産業者は自分で自分の首を絞めている事を自覚すべきです。
一部の人間が刹那的に利益を得るために、貴重な水産資源を枯渇させる事は反社会的行為と考えてもよいと思います。

子どもや孫の世代のことも考えていきたい。

水産庁は大手企業と癒着とかあるんでしょうか。そう思われても仕方ないです。
もっと本気でマグロ、資源を守ることを考えてください。

美味しい天然マグロは日本の誇りです。
世界に誇れる寿司も、マグロあってこそです。
大切なマグロを、まず私達が意識して守っていくべきです!

子供や孫の世代にも食べさせたいので、持続的な漁業であることを願ってやみません。

あとは野となれ山となれ・・ではいけません!大切な天然資源を保護する姿勢を堅持して持続可能な漁業を目指したいものです。

なぜ絶滅危惧種が格安価格で店頭に並ぶのか?その謎が解けました。
本キャンペーンに賛同します!

今回初めて水産庁とニッスイがこの問題の根幹に関わっていることを知りました。我が家でニッスイは不買運動対象としたいと思います。ありがとうございました。

マグロ、大好きです。だからこそ。

魚をこれからもおいしくたべ続けるためにも賛同いたします。

今食べられることよりも将来ずっとマグロと一緒に生活できることの方が大事です。ぜひ賛同します!

マグロ釣りはしませんが、守りたいと思い、賛同させていただきました。

マグロは大好きです。
それが、全く食べられなくなるのは、とても悲しい。
今から少しずつでも殖やしていくことが、大事だと思います。

マグロ達がゆっくりと産卵できる海になります様に!

水産会社も取れなくなると困るはずです。食べる私たちも将来のために今我慢できるよ。

関東北端の漁港の町で余生を送る者として、漁業者の夢や希望を奪っていく大規模巻き上げ漁法を禁止すべきだと痛感します。

子供達が大人になっても、クロマグロが食べられるように絶滅から救って下さい。

実態を知りませんでした。大切な資源は今、守らないと本当に絶滅してしまうと思います。

天然クロマグロが食べたいから、大手企業のまき網漁による乱獲に反対します!

恥ずかしながらこんな時代遅れな事がまだ平気で行われていた事をこちらで初めて知りました。未来に残していかないといけない大切な資源です。子供でもわかるような事がナゼエライ人達にはわからないんでしょう?

知らなかったです。
人間側は魚群探知機などを使って魚の居場所を突き止めて一網打尽に出来る…不公平だなと思ってました。

クロマグロが減っているという中で、このような漁が行われていることを知りませんでした。
禁漁にすべきことは誰もが分かることではないでしょうか。

日本の政治と大手企業の横暴は、あまりにもひどいものです。国内の林業はとうに崩壊させられ、今また農業も漁業も、企業の「とにかく、大儲けしたい」という要求のままに解体(崩壊)させられようとしています。今回の太平洋クロマグロを絶滅から守る運動は、他の絶滅危惧種を守る運動と同様、人類のあり方として追究すべき課題だと思います。


ウナギ同様、乱獲による減少を中国のせいにして責任転嫁することなく、自国のやり方を厳しく見直して資源回復に努めるべきです。

水産庁は、クロマグロに限らず水産資源の保護を実効性のある形で今すぐに行うべき。管理権限のある省庁の不作為でほとんどの魚種が減少していることは、未来の世代への背信でもあります。それが出来ないなら、水産庁そのものが不要なのでは。

息子の大好きなマグロがいつまでも美味し戴けるよう、
また楽しい釣りをいつまでも続けるために賛同させて戴きます♪
最後に昔は航海安全・大漁祈願!?
と言っていたのですが、ここ数年、
航海安全・適漁祈願 (^^ゞ
に変えた私のスローガンを送ります(^^)v

マグロに限らず水産資源の維持管理に本腰を入れるべきだと思います。今の事業者利益保護が長期的には事業環境を破壊し事業継続性リスクに繋がると考えるべきです。我々の子や孫、その先の子孫も末長く自然の恵みが享受できますように

Twitterで少し流れてきていましたが、ニッスイやイオン等の大企業の横暴ぶりはすごいらしいですね。勇気ある漁師さんたちの意思を尊重スべき!

近年、他国の横暴な面ばかりが目立ちますが、自分たちの足下を見つめなおさなければならないことがあることを知りました。

賛同します!
毎日スーパーにはマグロが溢れています。かなりの量が廃棄されているのではないでしょうか?
そんなに獲る必要があるのか?何時も疑問に思っております。




ありがとうございますm(__)m


2015/07/07

デモをやる理由

「釣り人が何をほざいているんだ」と言われるかもしれない。「釣り人に何ができるんだ」と言われるかもしれない。

そう言われたら何度でも答えてあげよう。

「我慢できねえからだ!」

難しいことは俺には逆立ちしても言えない。しかし、正義はわかる。

その正義が日本のあちこちで踏んづけられている。

このままでいいのか?

いいわけねえだろ!


そしてこんな横断幕を作ることにした。

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こんなTシャツも作ることにした。

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頭に来た原因は産卵期(6~8月)を狙ったまき網船の乱獲である。

毎年6月に入ると産卵場である日本海で待ち伏せて一網打尽である。

しかもほとんどが産卵直前の親マグロ。

と言っても、初出産を迎える3歳、4歳がほとんど。人間で言えば中学生くらいのマグロである。
※自然界では資源が危機的にまで減少すると成熟が早まることが報告されている。種を維持するために子供のうちから産卵するのだ。

お腹に卵を抱えたまま巻かれてしまうのだ。
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しかもクロマグロが一年で一番美味しくない時期である。卵や白子に養分を取られてしまうので脂がほとんどのってない。赤身がほとんどのクロマグロである。俺は数年前に食べたが、これならキハダやメバチのほうがはるかに美味い。それいらい俺は産卵期のクロマグロ(メジマグロ含む)を食べてない。

9月以降まで待って獲れば脂ものってトロの部分が増え、クロマグロ本来の味となる。

しかも産卵期のクロマグロは毎年大暴落をする。そして市場に売れ残るほど大量に入るのだ。

1キロ300円?
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目を疑う価格である。

冷凍のキハダやメバチより安い?

クロマグロは別名「黒いダイヤ」と言われてキロ1万円以上するのはざらである。

それがこの時期だと500円、600円は当たり前で、300円まで暴落することもある。さらにセリで売れ残ることもある。

売れ残ったマグロは業者がまとめて二束三文で買っていくらしい。まあ捨てるよりは良いが・・・

あの高級魚クロマグロが産卵期は不味いことと大量に獲りすぎでマグロの中で一番安いマグロになるのだ。

これは海の資源をまったく無駄使いしていることなのだ。

しかもクロマグロは絶滅危惧種である。

その資源は人類が漁を始める前の3.6パーセントまで減少したと報告されている。

資源回復のためには獲らないで産卵させるべきである。

ところが暴落しても獲りつづける。まったく狂っているとしか言いようがない。


そんなに目先の金が欲しいのか!


海の資源は国民の財産である。一部漁業者のものではない!

※一部漁業者とはここではまき網船を所有する大手水産会社のことである。産卵期にクロマグロを漁獲している1番がニッスイで、2番がマルハニチロだ。2014年はこの2社で産卵期のたった2か月で1000トン以上もまき網で漁獲している。


資源の絶滅を危惧した壱岐と対馬の漁師は今年から産卵期(6月と7月)のクロマグロ成魚(30キロ以上)を3年間禁漁すると決定した。産卵親魚に卵を産ませることを優先したのだ。

「親の仇(かたき)と魚は見たらとれ」と教えられ、早いもん勝ち、獲ったもん勝ちで生きてきた漁師が自粛するほどマグロは減ったのだ。

ところがまき網の野郎は、そんな離島の漁師が禁漁している海で連日のように網を広げて大暴れしているのだ。資源は減ったが、最先端の電子機器を積んだまき網は日本海のどこにマグロがいても見つけ出してしまう。見つけたら最後、ほとんど獲ってしまうのだ(ある漁労長の話)。


対馬では100隻以上の漁船がまき網(ニッスイグループ)に抗議のため集まった。
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漁師が留守の間に、漁師がヨコワを集めるために沖に設置した「シイラ受け」という仕掛けに付いたヨコワもまき網は根こそぎかっさらっていくのだ。俺には泥棒にしか見えない。そして漁師がまき網船や水産庁に抗議しても無視である。


自腹でまき網船を監視する漁船。
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これは4年前の七里が曽根。毎年産卵期になると大量のクロマグロが産卵していた。
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ところが3年前から産卵がパッタリと見られなくなった。

釣り人も10年くらい前からどんどん釣れなくなった。今では100回行って1匹釣れるかどうかの確立である。

それでもスーパーには格安クロマグロが並んでいる。しかし、このままではあと2~3年で国産の天然クロマグロはスーパーに並ばなくなるだろう。厳しい資源管理をやって資源が一気に回復したタイセイヨウクロマグロと完全養殖のクロマグロだけがスーパーに並ぶ時代はすぐそこまで来ている。


水産先進国ではまき網による漁は厳しく規制、監視されているが、日本は野放しである。野放しにしている最大の原因はまき網の利権である。これが長年、水産庁を牛耳っているからだ。そのため全国の零細漁業者は魚が激減したことで廃業が相次ぎ、ピーク時100万人いた漁師は17万人まで激減した。2028年には4万人まで減ると研究機関から報告されているのだ。
そして漁師の消えた海岸線はどうなるのか?
離島では大手水産会社の養殖生簀がどんどん増えている。
大手水産会社と水産庁が結託して、日本の海を牛耳ろうとしているように俺は思えてならない。


クロマグロの資源が減少した原因を水産庁に問うと。

水産庁「資源の減少は環境要因」「産卵親魚を獲っても資源には影響しない」と毎回決まり文句である。

そして我々の抗議を「科学的根拠がない」「感情論だ」と非難。

俺に言わせれば「水産庁の科学的根拠に従った結果、クロマグロは絶滅危惧種になった」である。

まったく国民を舐めている。


そして

ついに

怒りが爆発!


デモだ!



デモの日程とスケジュール

警視庁へのデモの許可は届け出済みです。

タイトル「太平洋クロマグロを絶滅から守ろう!」

主催 「太平洋のクロマグロを絶滅から守る会」
(この会は活動費はどこからもいただいていないボランティアの方々の集まりです。目的は太平洋クロマグロの資源回復です。それ以外の活動は一切やりません。資源回復が確認できたらすぐに解散します。それまでは全力で頑張ります。)

日程 平成27年8月3日(月)  12:45~16:00
場所 水産庁前とニッスイ本社前
集合 日比谷公園霞門前 12:45集合
内容 横断幕を掲げて抗議。抗議のビラを1万枚配布など。
※当日は産卵期のクロマグロを獲るな!のTシャツを用意して参加者に原価(1300円)で販売します。
※参加者は茂木まで連絡をお願いします。メールアドレス [email protected]


やるぞー!
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相手は今までたくさんの人が10年以上抗議してもほとんど動いてない。当然俺たちが頑張っても動かないだろう。

でも、このままじっとしていいいのか。

勝てない相手だからこそ、挑む価値がある。

そして我々には強い見方がいる。

それは

「正義」

正しいことはどんなことがあっても貫く!



デモへのご協力をお願いしますm(__)m