2008/05/26

釣り人の楽園クリスマス島

フラッツ」


ハワイから南へジェット旅客機で約3時間。フィジーからだと北東へ約4時間のところにクリスマス島はある。俺は3年前に一度行ったが、海の美しさに感動。それと初めてフライでボーンに挑み、15匹くらいキャッチした。帰国後写真を整理すると海の景色とボーンの写真ばかりでGTの写真がほとんどなかった。それくらいクリスマスの景色とボーンは衝撃的だった。

あれから3年が経ち、再びクリスマス島を訪れた。今回は日本の旅行代理店(フリーライドアングラーズ)を使い、フィジー経由だった。フィジーは8年間毎年行っているので乗り継ぎは問題ない。ただビックリしたのは4月28日だというのに飛行機はガラガラだった。GWだから大混雑を予想していたが成田空港もいつもと変わらない。関係者に聞くと昨年対比でGWに海外へ行く観光客は4割減だとか。

クリスマス島のターミナルは3年前とちっとも変わってなかった。釣り船もアウトリガーのついている(トローリングのアウトリガーではない)ポリネシアン伝統のボートだ。ポリネシアンはこのアウトリガーを発明して太平洋の島々を次々と征服していったのだ。横揺れが小さく安定性が抜群である。
アウトリガー付きのカヌー


同行は俺を含めて6名。俺と宮崎から参加の古賀さん以外はクリスマス初上陸である。到着するなり素朴な風景をビデオやカメラに収めていた。観光と漁業以外はこれといった産業がない。島民の生活はかなり質素である。でも宿のスタッフや釣りのガイドはフレンドリーで親切だ。毎日朝早くから夜遅くまでみんなと楽しい時間を過ごした。
ディナー


釣りは今回はGTが好調だった。3年前から行きやすくなったクリスマス島だが、ボーンのゲストは多いがGTのゲストはほとんど来ないのだろう。前回はアメリカのエージェントを使い7人でボート1艇だったが、今回はボーンとGTは別々の船が用意されていた。しかも料金も安い。そして宿は3年前はなかったオープンしたばかりのIKARIハウス。部屋はエアコンも効いていて快適だった。

GTは5人(1人はボーンのみ)で120匹以上釣れた。最高は59歳の阿慈知さんの44匹だった。ボーンとGTを交互にやってこの数字だから凄いことだ。サイズは現地のガイドは大げさにいうので俺の推定としたが最大で40キロくらいである。これが現地ガイドだと50キロオーバーになってしまう。正直彼らは計ったことがないからわかるわけがない。また船には計りもメジャーも積んでない。3年前も今回もすべて計らずリリースした。

南太平洋やモルジブ、東南アジアなどの発展途上国のガイドは総じて魚の推定重量は2割3割増しとなる。これはほとんど計ったことがないのと、リップサービスみたいなものである。大きく言えばゲストは喜ぶ。オーストラリアやニュージーランド、アメリカのガイドはかなり正確だ。彼らはプライドが強いからだ。

クリスマス島のトップガイドでもあるイングリスに聞いた。
「過去クリスマス島で釣れたGTの最大サイズは何キロ?」
イングリス「50キロ」
彼の50キロなら実際は40キロくらいだろう。

GTアングラーの7割以上は国内へ通っていると思う。そして自己記録を求めて、夢を求めて、感動を求めて通っている。1キロでもサイズがアップすれば嬉しいし、そうでなくても国内GTは嬉しい。その感動する場面を何度も見てきた。初GTならなおさらである。その初GTに何年もかかった人もいる。
そして多くの国内の船は重量を計ってくれる。それは正確な記録としてアングラーが残したいからである。

メーカーのテスト報告も大げさなことが最近多い。しかしアングラーは真実を求めている。謙虚で正確な報告をするメーカーなら信じる。しかし誇大報告の多いメーカーは鼻から信じないだろう。
「あのメーカーなら信用できる」
「あのメーカーは信用できない」
ということになる。

釣りをスポーツと考えるならフェアでなくてはならない。

第一人者と言われる人は謙虚で正確な報告をしなくてはならない。

昔から言われていることだが

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

そして俺は嘘が大嫌いである。まあ好きな人はいないだろう。
2008/05/15

スリーキング岩礁

スリーキング

ニュージーランド北島最北端のさらに北沖に巨大ヒラマサの宝庫スリーキングがある。この岩礁周辺も凄い数のヒラマサ(現地名キングフィッシュ)だが、少し離れた(といっても船で2~4時間)周辺にもたくさんの大きな曽根が点在する。水深80メートルくらいまではヒットするのはヒラマサがほとんどだが、それより深いところはバスやハプーカも混じってくる。毎年40キロオーバーのバスは釣れている。昨年は70キロ前後のバスも釣れた。
今回ヒラマサは最大32キロまでだったが、毎年ニュージーランドのジガーが40キロオーバーを釣り上げている。夢のサイズである40キロオーバーを釣るためにはランフリーバンクスと並んで一番近い場所ではないだろうか。

ニュージーランドのジギングはここ数年でかなりのレベルに達している。毎年現地の友人が数名同行するのだが、最近は大きさも数も勝てなくなっている。恵まれた環境で鍛えられた彼らのテクニック、ファイトは今では見習うことが多い。

ジギングは鎖国のような考えの人が多い日本では今後世界レベルからどんどん取り残されてしまうかもしれない。英語のフォーラムを覗くと世界のあちこちで巨大な魚がジギングでキャッチされていることがわかる。大きな魚を釣るためのタックル、テクニックはかなりのレベルに達している。
キングフィッシュ


今回同行した友人が私に渡したDVDは凄い内容だった。昨年12月のホワイトアイランドでの収録だが、途中日本人ジガーが乗った船が映し出されるが、同じポイントなのにニュージーランドジガーとは釣果に天と地くらいの差があった。同じ日本人として恥ずかしかった。

日本の景気後退もあるが、海外に挑むアングラーが年々減っているように感じる。旅行会社の話でも海外旅行客は減少の傾向にあるという。確かに最近の成田発着の飛行機は空席が多い。

もっと夢を追いかけて欲しいのだが。

そんなニュージーランドの友人が潜って伊勢海老とウニを獲ってきてくれた。さらに調理して味噌汁を作ってくれた。言葉も文化も違う。だからこそ近づこうという姿勢。
味噌


外に出て初めてわかることがあるんだ。もっと出て行かなくては。