10年連続知床グルメツアー
対岸に見えるのは北方領土の国後島。ヒグマの姿と重なって寂しく見えた。
このツアーは釣りよりも宴会重視である。よって宴会はフル参加だが、釣りとなると半分は寝ていることが当たり前である(笑)
早いもので知床も10年目を迎えた。1回目のとき俺は46歳、まっき~は37歳だった。そのまっき~が47歳になった。まっき~が言った「あと10年後も大丈夫でしょう」。俺は66歳・・・あまり先のことを考えるのはやめよう(笑)
参加者は累計で136名。10回連続皆勤賞は俺とまっき~、9回参加がメジ2号(支部長)、8回参加がび~るだ~さんとkoma、リピーター率はなんと51.5パーセントだ。
そして今年は過去最高の20名が参加した。宿のリミットギリギリである。
10周年記念に宿と船長からいただいた。持つのは最功労賞のkoma。
10回連続皆勤賞の俺とまっき~。指で10としたつもりでしたが(笑)
初めて行ったとき(2001年)知床は世界遺産ではなかった。それが地元の人たちの努力で2005年7月に世界遺産に登録された。知床を訪れる観光客は2004年までは毎年220万人前後だったが、世界遺産に登録された2005年は過去最高の249万人を記録。しかしその後は年々減少して2008年には200万人を割り込んだ。2005年は世界遺産に登録されたことによる一過性のブームだったようだ。
知床への観光客数の統計
http://pucchi.net/hokkaido/shiretoko/g_sightseen.php
観光客が減っていることは羅臼を寂しくさせている気がする。空家が増え、街も活気が減っているように感じられる。人口は昭和40年の8931人をピークに徐々に減少して平成22年は6024人である。こんな自然が素晴らしいところは他にない。もっともっと行って大自然と触れ合っていただきたい。
知床へ行くにあたり、1回目からkomaが現地の宿、船の予約をやってくれている。その段取りは旅行会社でも絶対にできないような完璧で濃い内容である。8ページに及ぶパンフレットの中には日程、釣りの概要、ポイント地図、そして注意事項などがきめ細かく載っている。
その中の一部を抜粋
◇世界遺産プチ知識◇
知床は、2005年に世界自然遺産として登録されました。
世界遺産とは、ユネスコが後世に残すべき重要な文化・自然として認定したという事です。文化遺産は沢山ありますが、自然遺産は屋久島・白神山地に次いで国内3箇所目です。
世界遺産(自然遺産)である為には、世界的に稀有で将来に遺すべき有意な自然環境及び生態系と認められ、且つ、それらを保護するルールや活動が適切であるとの認証を受ける必要があります。
しかしそれは各国が独自で行う事であり、特例以外はユネスコからは“認定という事実”以外お金は出ません。つまり、保護プログラムの実施も含めて「世界遺産」として認められるわけです。
ですから、世界遺産認定により、国際的に規制を受ける事はなく、従来どおりの国内の法律:自然公園法に拠る規制を守る事になります。
知床先端部は、自然公園法による「特別保護区」に指定されており、以下の行為は禁止となっております。
○土地の造成(地面に穴を掘ったり、木を伐採すること)
○たき火(薪を集めて火をつけるのは禁止。キャンプ用バーナーの使用は可)
○自然動物への餌付け(キタキツネ、エゾシカ、ヒグマ等います。餌を与えない、餌にならない@@;)
※クマ鈴をつける等、ヒグマと遭遇しない為の配慮をお願い致します。大きなクマも危険ですが、仔熊との遭遇は特に危険です!母熊が必ず近くに居り、緊張が一線を越えると突進攻撃してくる可能性が非常に高いのです!
また、初回より、この遠征のモットーは「来た時よりも美しく♪」です!
「ゴミは必ず持ち帰る」、「見つけたら拾う」の励行を、お願い致します。
ご理解とご協力を、どうぞよろしくお願い致しますm(__)m /GB北海道支部一同
帰りは来たときよりもきれいにしよう。
続いてカラフトマスとサケの資源状況。下記のサイトを見るとどちらも資源は豊富なようだ。ただしカラフトマスの稚魚放流は毎年1.3億匹から1.4億匹。サケは毎年18億匹から20億匹もされている。我々が毎年楽しい思いができるのはこの稚魚放流によるところが大きいだろう。
カラフトマス漁業資源の現況
http://kokushi.job.affrc.go.jp/H21/H21_57.pdf
サケ漁業資源の現況
http://kokushi.job.affrc.go.jp/H21/H21_58.pdf
日本海の漁業資源
http://kokushi.job.affrc.go.jp/H21/H21_64.html
マイワシは極めて危険な状態まで減少している。
国際漁業資源の現況
http://kokushi.job.affrc.go.jp/index-2.html
いろいろな魚の資源状況がわかります。
知床の自然は日本だけでなく世界的に見ても素晴らしいと思う。ヒグマ、エゾシカ、キタキツネ、オジロワシ、シマフクロウなど貴重な野生動物がここにはたくさん生息している。ヒグマの密度は世界で一番とも聞いている。地元の話ではここ数年でヒグマとエゾシカはかなり増えているそうだ。そういえば1回目から7回目までは一度もヒグマと遭遇しなかったが8回目はペキンとモイレウシで何度も遭遇した。昨年も我々は遭遇しなかったが、別のグループは何度も見たそうである。現れるのは3歳から4歳の若いヒグマだ。おそらく山中に縄張りを持てない小熊が海岸まで降りてくるのだろう。小熊と言っても野生である。体重は80キロ前後だが、人間よりははるかに俊敏で力がある。事故がないようにヒグマが現れたらすみやかに非難することである。最近は頻繁に出てくるので渡船の船長が常に待機している。そのときは船長の指示に従うのが良い。
今回もヒグマと何度も遭遇した。ヒグマは最大500キロ以上になる。日本でも2007年11月にえりも町の猿留川さけ・ます孵化場の箱罠にかかったヒグマは推定年齢17歳、520キロのオスだった。アラスカのコディアック島に生息するヒグマは700キロ以上にもなる。
宿のすぐ前にも現れた(寝室の窓から撮影)。母熊と3匹の小熊。
エゾシカも宿の前に毎日のように現れる。最近は我々人間が宴会している最中にも現れる。年々人間への警戒心は薄れているように感じる。
これも毎年現れるシマフクロウ。天然記念物で絶滅危惧IA類。すでに生息数を回復するのは絶望的と言われている。ここでは今年からストロボを使う撮影が禁止になった。
カラフトマスは釣りをしている限りでは年々増えているように感じる。漁獲数を見ると我々が始めて行った2001年は500万匹を割っている。この10年間で一番の不漁だった。2007年は1340万匹、2009年は1134万匹と奇数年が豊漁で偶数年が不漁というパターンである(2002年までは逆のパターンだった)。
宿のすぐ前の小さな川にもカラフトマスは群れていた(川に入ったカラフトマスは釣ってはいけない)
ペキンの鼻にある小さな滝を上ろうとするカラフトマス
河口には大群が
いっせいに遡上を開始した
羅臼側(南側)からだと北方領土の国後が目の前に見える。その中間点が国境だそうだ。そしてここはタラバガニ、キンキ、メヌケ、毛ガニなどなど高級食材の宝庫である。年々減少している我が国の水産物だが、北海道でもサケ、カラフトマス以外は急激に減っている。ただし一度は絶滅しかけたニシンは近年稚魚放流などの努力により増加傾向にある。スケソウダラやニシンのように卵に価値がある魚は産卵前に一網打尽にされてしまう。採取した卵を人工的に孵化させて稚魚にまで育てて放流することは資源を維持する上で重要なことである。ただし沿岸の魚は稚魚にまで育てることが比較的容易だが、深海に住む魚やマグロなどの回遊魚は難しく採算ベースにはほど遠いようだ。ベーリング公海のスケソウダラ漁は1993年から日本を含む漁業国は自主的に停止しているが、資源はそれでも回復しない状態が続いている。
ベーリング公海のスケソウダラ
http://kokushi.job.affrc.go.jp/H19/H19/H19_60.pdf
さて本題のグルメ編である。今年は10周年と言うこともあり宿の女将さんはいつもより腕を奮ってくれた。
初日はメンメ(キンキ)が一人一匹、毛ガニも一人一匹、そしてメヌケ、ミズダコ、サケ、イクラなどなど。10周年記念でkomaの音頭で乾杯♪
これは4キロもあるタラバガニ。3匹もいただいた。東京で買うと一匹5万円以上するらしい。糖尿病の親父が一番喜んでいた(笑)
釣り場でイクラ丼を食べる。みんな最高の顔である。
この人だけいつもビール(笑)
釣り場でまっき~とごまプリンがチャンチャ焼きを。毎年大好評のメニュー。
さて最後に釣り編(笑)
まずタコのマス釣りから(爆)
背掛かりでし
これまた背掛かり
今度は尻尾
笑ってごまかしてました。
ゴウキとカズのダブルヒット!
ここは最高のポイントらしく満員です。
カモさん大きなカラフトマスをゲット!
毎年優秀な仕入れ担当です。
カズもイクラを次々キャッチ!
続いてウトロ沖のジギング編
サケは合計4匹釣れました。ちなみにアシストフックにサンマが付いてました(笑)
これは大きなオオカミウオ。軽く10キロ以上あります。撮影後にリリースしました。
他にマダラ、ホッケ、アオゾイ、シマゾイ、カジカ、カレイ、アイナメなどなどいろいろ釣れました。
ということで今年も最高に楽しい知床でした。
豊かな自然に感謝です(^^)