七変化 -野崎島-
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
さて、その島に残る教会の名前は「野首教会」
なんとも妖しげ(失礼)で無人島にふさわしい名前ではないですか。
もっとも当然ながら住民が沢山いた頃からこの名前ですが…
1908年(明治41年)長崎にある教会の数多くを手がけた建築家
鉄川与助の手によって建造されています。
なんでも鉄川与助が手がけた煉瓦教会としてはこの野首教会が第一号だとの事。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
赤煉瓦式教会はやはり風格を感じさせます。
今でこそ何もない段々畑の中にポツンと建っていますが
かつてはこの教会を取り巻くように集落が存在していました。
現在は集落跡は殆ど撤去されておりこの教会のみが残されているのです。
色々と残念(何が?
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
残念ながら私が訪れたこの日、教会には補修工事が入っており、
教会の中は殆ど見る事が出来ない状態でしたが
その分、外観をじっくりと見てきました。
島に滞在したのは丸1日余り。
しかしその日、変わりやすかった天気のおかげで
様々な表情の教会が見る事ができたのです。
Nikon D700 + Nikkor AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G
Nikon D700 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
かつてはこの島の住民の人達も
この高台に建つ様々な教会の姿を眺めていた事でしょう
島の表情 -野崎島-
島の名前は野崎島。
人が住んでいた歴史は古く、旧石器時代の遺跡も出土しているようだ。
かつて島には3つの集落があり 1950年代には650人以上の人が住んでいたが
集団離村などで徐々に人が減っていき1990年代に最後の住民が島を離れ完全に無人となった。
現在も無人島である事に間違いはないが、実はガスも電気も通っている。
学校跡を宿泊施設として開放しており、予め連絡を入れておけば宿泊もできるのだ。
私がこの島に渡りたいと考えた第一の理由はこの島に残された教会
広大な荒野の中にポツンと残された教会の姿を見た事だった。
教会は島が無人となる前から荒廃が進み、一時期は窓は破れ、床は崩壊して完全に朽ち果てていたようだ
現在は残念ながら(いやいや)補修されており、往年の姿を取り戻してはいるが
1908年(明治41年)建造という歴史を持つ教会らしく雰囲気は充分に醸し出している。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
最近、教会の出現率が非常に高いこのブログ。
何度も言ってますが廃教会は私が最も憧れるカテゴリのひとつですから。
これからも現役、廃に拘らず機会があれば撮っていきます。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
非常に美しい自然と海に囲まれた島
これまでも撮影の為にいくつかの無人島を訪れた事があったが
この島はこれまでに訪れてきたどの島とも違う雰囲気を持っていた。
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
現在、この島の住民は400頭以上いると言われる野生のシカ達
島のあちらこちらで見かける事ができます。
そして出会ったシカ達は例外なくジッとこちらを観察してくるのです
近寄るそぶりを見せるとスグに逃げていくのですが…
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
Nikon D700 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
島に滞在した時間は僅かだったが
様々な表情を見せてくれた。
奇蹟の島へ
南北約6.5km、東西約2km、面積7.36平方km
長崎県上五島のさらに上方に浮かぶ無人の島
かつては600人以上の人が生活していたが、現在は僅かな施設と痕跡を残すのみ。
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
無人となった後、長い事忘れ去られていた島だが
最近にわかに脚光を浴びるようになっている
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
そんな島に この夏の始まり 足を運んでみた。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
渡航前、色々と記述を調べてみると
興味深い事柄が次々と分かり、期待に胸が膨らんだ
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
離島とはいえ、自分が生まれ過ごしてきた場所から
そう離れていない。
しかしその姿はまるで異世界だった。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D700 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
夜通しフェリーで過ごし
早朝にチャーター船に乗り継ぎ、辿り着いたその島は
想像以上に豊かな自然で迎えてくれた
残された十字架 -K教会司祭館跡-
Ricoh GXR + A12 50mm F2.5 MACRO
煉瓦の壁に立てかけられた
錆びた十字架 聖なる証
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
母体のK教会は1897年(明治30年)頃に設立されたとある。
この司祭館もきっとその前後のものだろう
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
110年余の時の流れ
強固な煉瓦造りも決して永遠ではないのだ
どこぞの子豚の兄弟もビックリの崩壊ぶり
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
司祭館入り口近くに残される
剥がれ落ちた像がやけに印象的だった
現役の教会もこの朽ちた司祭館も
そのすべてがこの島に残るカトリックの歴史を物語っている
厳かに -K教会司祭館跡-
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
ここはいわゆる小規模的物件である。
しかし司祭館跡という響きは私にとってこの廃墟を特別なものに
思わせて仕方がなかった。
カトリックの方にとっては不謹慎な事かもしれないが
教会、礼拝堂廃墟の類は以前から私を魅了して止まない。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
祈りを捧げる場所。
信仰や宗派に関係なく当然ながら神聖な場所である
多くの思念が残るような錯覚
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
もはや廃墟とさえ呼んでいいものか
遺構と言った方がしっくりくる
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Ricoh GXR + A12 50mm F2.5 MACRO
しかし このような姿であってさえ
どこか厳かな気持ちにさせられるのは
決して先入観のせいだけではないような気がした。
触れる -K教会司祭館跡-
Nikon D700 + Nikkor AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G
Ricoh GXR + A12 50mm F2.5 MACRO
青き海に囲まれた集落の麓に その司祭館跡はあった
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
僅かに形を留めるにすぎない姿ではあるが
Ricoh GXR + A12 50mm F2.5 MACRO
信仰の跡も確かに残っている
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
役割を終えて 自然に囲まれ 静かに眠る
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
神聖なる場所にほんの少し触れた日
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