島を離れ
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
大自然の姿、歴史ある教会、そして廃集落と
様々な表情を見せてくれた野崎島ともお別れの時間が近づいてきた。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
残された時間 島の姿をしっかりと記憶に刻み付ける。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
途中、中座しながらも結構長い記事となってしまいました。
それだけ見所も多かった島であったとともに
深く私の記憶に残る島であった事は確か。
もっと規模も大きく、迫力がある廃墟はこれまでにも他にありましたが
この島が持つ歴史背景、そして自然に包まれた空気感に
いつも以上に感傷的になっていたかもしれません。
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
そして迎えの船が到着し
名残り惜しい気持ちを抑えるように島を離れました
さようなら 野崎島。
終えぬ役目
連日ご紹介している野崎島
もうしばらくお付き合いくださいませ
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
鳥居があらわれた。
この上には神社があるのだろうか。
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
当然、己の欲求のまま階段を登ってみたものの…
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
見事なほどに社は崩壊していた
鳥居がなければもはや神社であったのかすら判別が難しいほど。
しかし。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
社の守護者である狛犬はその姿を残している。
崩壊しつくした社と対照的な程しっかりと。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
口を閉じた狛犬と開いた狛犬。
しっかりと一対で向かい合い、
今も懸命にそこに在り続けているように見えた。
守るべき社を失っても、まだ役割は終えていないと言わんばかりに。
思い浮かべ
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
ひとけのない集落の中
ほんの少し、生活の匂いを覗かせてもらう。
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
最後にここでお茶を入れ、
ひと息ついた後に愛着ある我が家を後にしたのだろうか。
そういう光景すら脳裏に浮かんでしまう姿。
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
崩壊は生活の匂い、記憶を容赦なく押しつぶしていく
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
これ。久しぶりに見た気がする。
今の若い人は何をするものか分かるのかな?
崩壊進行
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
廃屋をゆっくりと見て回るが
静かな島でも崩壊が容赦なく襲ってきている。
殆どが古い木造家屋。崩れかかるとあとは早い。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
かつての生活道路であろう
どれほどの人達がこの道を行き来していたのだろうか。
ふと そういう事を思い浮かべながら歩く
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
無人島の廃墟といえば軍艦島がそうだったが
島を離れる時、輸送費がかかる為に家財道具はそのままで
島を離れる人が多かったようだ。
この島もきっとそうだったのだろう。
静寂の道
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
しばらく歩いていると、明らかに風景が変わった。
集落跡である。
暫くその場に立ち止まり辺りを見渡す。
そしてゆっくりとひとけのない集落跡へ足を進めた。
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
静かである。無人島である故、当然ながら誰もいない集落。
物音ひとつ聞こえない。
しかしながら一歩ごとに近づくごとに胸の高まりは増すばかり。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
廃屋の前を一軒一軒ゆっくりと通りすぎる
誰にも邪魔されず、時間の縛りもない。
時間の概念がなくなったような空間の中、時折シャッターを切りながら進んでいった。
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
静寂の道が目前に続いている。
導かれて
しばらく間が空いたのでお忘れかもしれませんね
野崎島の続きです。
南北約6.5km、東西約2km、面積7.36平方km
長崎県上五島のさらに上方に浮かぶ無人の島
かつては600人以上の人が生活していたが、現在は僅かな施設と痕跡を残すのみ。(おさらい)
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
この島に訪れた理由としては既に前エントリーで上げている、
島に残る教会を見る事でしたが、それとは別にもうひとつの理由。
それは人々が生活していた痕跡を残す集落をこの目にする事でした。
はたしてどれくらい残っているのか分かりませんでしたが、
期待を胸にさらに島の奥へ足を進めていきます。
現れた痕跡
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
人がいた痕跡を求めて 島内を歩く
それらしき跡が点在していた。
集落と呼べる規模ではなかったが 何かの施設跡らしい
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
おそらくはカマド跡
ずいぶんと古いもののようだ
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
ここには残念ながら もはや基礎しか残っていなかったが
これもまぎれなく 島が残した記憶のひとつ。
噛み締めるようにシャッターを切った
僅かな痕跡 -野崎島-
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
前エントリーで書いたように、教会の周りには
かつて取り巻くように集落がありました。
崩壊した集落跡は今は撤去されてまるで段々畑のようになっています。
僅か、ほんの僅かだけ、その痕跡が残されていました。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
家屋はこれだけキレイに撤去されているのに
なぜこれだけ…?
理由はともかく、痕跡を求めていた私にはありがたい事です。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
教会の裏手には井戸?と思われるような痕跡がありました。
穴の中には今も水が湧き出ています。
しかし十字架が彫ってたりするあたり、ただの井戸ではなく
教会となにかしら関係があるもののようです。
神秘的な雰囲気すら感じたのは気のせいではないでしょう。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
七変化 -野崎島-
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
さて、その島に残る教会の名前は「野首教会」
なんとも妖しげ(失礼)で無人島にふさわしい名前ではないですか。
もっとも当然ながら住民が沢山いた頃からこの名前ですが…
1908年(明治41年)長崎にある教会の数多くを手がけた建築家
鉄川与助の手によって建造されています。
なんでも鉄川与助が手がけた煉瓦教会としてはこの野首教会が第一号だとの事。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
赤煉瓦式教会はやはり風格を感じさせます。
今でこそ何もない段々畑の中にポツンと建っていますが
かつてはこの教会を取り巻くように集落が存在していました。
現在は集落跡は殆ど撤去されておりこの教会のみが残されているのです。
色々と残念(何が?
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
残念ながら私が訪れたこの日、教会には補修工事が入っており、
教会の中は殆ど見る事が出来ない状態でしたが
その分、外観をじっくりと見てきました。
島に滞在したのは丸1日余り。
しかしその日、変わりやすかった天気のおかげで
様々な表情の教会が見る事ができたのです。
Nikon D700 + Nikkor AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G
Nikon D700 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
かつてはこの島の住民の人達も
この高台に建つ様々な教会の姿を眺めていた事でしょう
島の表情 -野崎島-
島の名前は野崎島。
人が住んでいた歴史は古く、旧石器時代の遺跡も出土しているようだ。
かつて島には3つの集落があり 1950年代には650人以上の人が住んでいたが
集団離村などで徐々に人が減っていき1990年代に最後の住民が島を離れ完全に無人となった。
現在も無人島である事に間違いはないが、実はガスも電気も通っている。
学校跡を宿泊施設として開放しており、予め連絡を入れておけば宿泊もできるのだ。
私がこの島に渡りたいと考えた第一の理由はこの島に残された教会
広大な荒野の中にポツンと残された教会の姿を見た事だった。
教会は島が無人となる前から荒廃が進み、一時期は窓は破れ、床は崩壊して完全に朽ち果てていたようだ
現在は残念ながら(いやいや)補修されており、往年の姿を取り戻してはいるが
1908年(明治41年)建造という歴史を持つ教会らしく雰囲気は充分に醸し出している。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
最近、教会の出現率が非常に高いこのブログ。
何度も言ってますが廃教会は私が最も憧れるカテゴリのひとつですから。
これからも現役、廃に拘らず機会があれば撮っていきます。
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
非常に美しい自然と海に囲まれた島
これまでも撮影の為にいくつかの無人島を訪れた事があったが
この島はこれまでに訪れてきたどの島とも違う雰囲気を持っていた。
Nikon D200 + Nikkor Ai 50mm F1.4D
現在、この島の住民は400頭以上いると言われる野生のシカ達
島のあちらこちらで見かける事ができます。
そして出会ったシカ達は例外なくジッとこちらを観察してくるのです
近寄るそぶりを見せるとスグに逃げていくのですが…
Nikon D200 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
Nikon D700 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
島に滞在した時間は僅かだったが
様々な表情を見せてくれた。