ちょっとねえ、昨日はねえ アース デー だったんですよ。
アースっていってもねえ、あの電気を地面に流す あのアースとは違うんですよ。
そこんとこ、よろしく ですよ。
ウチの女房がね、アース デーだからって、地面に大の字に、うつ伏せに寝そべってね。
「地球を抱き締めてる」って言ってたんですよ。
んじゃあ、俺が地面に穴を掘って、頭を埋めたら、地面に頭が埋まっているわけではなくて、地球に突き刺さっていることになるわけでね。
まあ、まるで相対性理論 観察者はいずこへ? ってな話になりそうでね。
まあ、アース デーですからね、ちょいと 真剣に考えてみましたよ。MOZ84もね。
まあ、地球といわず、生きとし 生ける まあ、我々人間と共に生きる ご同輩たちのことをね。
そしたら、昔にあった事を思い出して 段々と腹が立ってきてね。
昔 内装屋に勤めてたことがあったのよ。その時、新築の家の壁紙を張りに行ったんだけどね。
まあ、そこの施主 まあ、その家の注文者のジジイがねえ、
庭に猫が入って来たってんで、石を投げやがったのよ。たまたま、そこに俺が通りかかったもんだから、その石が猫じゃなくて、俺のスネにゴチンと当たったのよ。ちょっと、血も出てきてね。
いやあ、痛いのなんのって サイジョウ ヒデキよ。本当に…
でも、まあ、当たったのが俺のスネで 良かったといえば 良かったのだと思うよ。
猫に当たっていたらネエ。打ち所悪けりゃ、死んでもおかしくない位の石だったんだよ。つーか、そんなモン、どんな理由があったって、投げちゃいけないだろう ってレベルの石よ。実際、俺は怪我したしね。
「ごめん、猫がいたもんだから」ってそのジジイは笑ってやがった。まあ、俺としては猫の代わりに怪我したようなもんだからな。猫が無事ならそれでいいと思ってるが、だ。
犬であれ、猫であれ、それに向かって石を投げる。しかも、俺は怪我をしたんだから尋常じゃない力を込めて、投げたってことだろ、つまりは意識してなかったにしろ「殺す、もしくは重症を負わせる」勢いであったのには間違いない。
俺は自分の怪我よりも、むしろ 小動物を死傷させようとしたことにもの凄く腹が立った。
俺は、博愛主義者でもなければ 動物愛護主義って程でもないが、動物だって神経通ってるんだから、怪我の一つでもすれば 痛いだろうにな。
俺は怪我をしているわけだから、その猫の仇を取る意味でも 過失傷害で訴えてやろうか と思ったが、相手は注文主だからなあ。とりあえず、俺も笑って、収めてやったさ。
まあ、それとネットで見かけたんだが、「悪質なネコ取り」ってのを生業にしている輩がいるようでね。
話によれば、飼い猫だろうが野良猫だろうが、構わずにとっ捕まえて、どこかに売っちまうらしい。まあ、大体のところは動物実験だという噂は聞いている。
まあ、もっとつっこんだ話をすれば、飼い猫を専門に捕まえる連中もいるようだ。野良だと何かしら病気に感染している可能性があるから、実験のデータをとるのには、向かないようでね。
飼い猫なら、大体の所で健全なデータが取れるというわけだ。いったい、どこの会社の研究室だかね?
ネコを使ったデータを取りたいわけだから、ネコの身のまわりに関係のあるものを作っている会社かねえ?
まあ、他にも テレビを作っている会社とか? なんか、ネコの目ってのは、テレビの構造とよく似ているから、その手の人達がよく、解剖する なんて話も子供の時に聞いたなあ。
まあ、実際 飼い猫を狙って とっ捕まえていくような業者ってのは、まあ、その猫を買う人間がいると踏んでさしつかえないんじゃないか?
衛生のためってんなら、野良猫だって その対象になるはずだろうからな…
まあ、俺が腹たったのは猫の話だけじゃあない。
昔、そうだなあ、20代前半の頃の話
俺はひょんなことから、ウサギ専門の個人経営のペットショップで働いたことがあるんだ。なんだか、ドワーフ種だとか、なんとか とにかく繁殖やら育成が相当難しい種類らしくてね。
まあ、繁殖とかやってんだからブリーダーってところか…
まあ、俺は当時はホームページなんかを作れたんで、そこにホームページを作って欲しいと言われたのが、事の始まり。
当初は「命を大切にすることを啓発するホームペ-ジにしてくれ」と言われていた。まあ、俺のガラなんかじゃあないんだけれども、多少、金になるなら と引き受けた。
だが、作っている最中に 「一匹 二匹、飼い主を見つけてやりたいんだ。まあ、値段も入れておいて。」なんて言われた。まあ、ペット屋だからねえ。売るのは当然さあね。
はてさて、夜中に電話が鳴り出した。「ちょっと、来て欲しいんだが…」こんな、夜中に電話が来るとは、これはなにか のっぴきならない事情に違いないぞ!!
車を飛ばして、店についてみれば、「ちょっと、急用ができてねえ。エサやっといてくれる?」
何だよ、それを早く言えよ。まあ、さして断る理由もないし、エサぐらいは… と引き受けたのが、運の尽き…
それから、ずるずるとそのペットショップに引き込まれていった。
俺がそのウサギショップにいるようになると、その店主は、あまり顔を出さなくなった。俺は、若輩ものとは言え一介のデザイナーにすぎなかったのだが…
それでも、お客さんが来れば対応しなければならない(俺ってお人よしすぎたね…)
そんで、ウサギの面倒も当然みていた。
最初こそウサギなんて、俺は関心すら持たなかったのだが、やっぱり 一緒にいる時間も長いと向こうも俺に、ある程度なついてもくる。まあ、顔を出さなくなった店主には当然の如く、寄り付きもしない。
まあ、店主は意にも介していない様子だったがね。
んでも、自分が面倒を見るわけではいから、その大変さなんかは実感もしていない。俺がちょっと席を空けると、交配させまくった。
この種のウサギは、まあ、俺もそこまでの専門知識や扱い方を心得ていなかったせいもあったのだろう。
沢山 ポコポコ 産むもんだが、大半は死産か 生まれて数日 下手こけば数時間で死んじまうケース多くて、まともに育つのは一匹でもいればいい方だった。おまけに遺伝子が弱いせいなのか 奇形にもよく出くわしたもんだ。まあ、奇形に関しては殆ど死産だった。致死遺伝子ってことだろうな。
でも、下手な鉄砲も数撃ちゃ 当たったようで、一匹ずつ まあ、死にゆく仔ウサギが確率としては多いもんだから極めてスローペースにでも 店主にしてみれば 順調に増えていったようだ。
だが、俺は別な心配をしていたんだよ。ウサギを入れておくカゴの数が足りなくなってしまってねえ。
俺はとりあえず、カゴを補充するか それができないのなら、ウサギの数を当面 増やさないことを進言した。
だが、話のどこも聞いていない様子で、彼はどんどん交配させていった。
そんで、俺はウサギの個体数に見合ったカゴを用意してくれと、頼んだのだが、「コストを考えろ」と言われた。
なるほどな。カゴを買うには金がかかるが、仔ウサギを産ませるのはタダ って論理か…
コストっていうなら、エサ代をどうするつもりなんだ? 減らせってのか?エサを…
予感的中、「営業指示、ウサギのエサを減らせ」
正直なところ、ウサギに情が移っちまって、あまり可哀想な境遇に置きたくないもんで、自腹を切った点もあったが、これが店主を調子に乗せる事となってしまった。
まあ、これ以上は肩入れしても、自分を消耗させるだけだと思って、それとなく店からフェードアウトしたのだが、やはり、一度はなつかれたモンだから、数ヶ月してから店に行ってみた。
まあ、ホームページの製作料も貰ってなかったしね。
まあ、請求書作ってその店に行った。そうすっと、店にはウサギが見当たらない。なんか、ミニチュアダックスフンドだとか なんか小さい犬がわんさか
しっぽをふって、俺の足もとに来る。
なんだ? ウサギがポケモンか何かみたいに犬に進化でもしたのか?
なんか、男女のカップルのお客人がいる。そういえば、駐車場にスポーツカーが止まってたっけなあ。
まあ、店主は犬を抱き上げながら、その男女と商談中
そこに、俺のほかにウサギショップを手伝っていた 店主の愛人が「久しぶりだねえ。元気だった?」
「ん?まあ、そこそこにね。」
まあ、彼女の話によると今いる男女のお客は、まあセレブといった所か、わざわざ都心から、この片田舎まで、噂を聞きつけて来たようだ。遠路はるばるって所だあな…
まま、商談成立、現金払いの上、商品を持ち帰り。まあ、店主が抱いていた犬を買い上げたわけだ。まあ、きっとあの犬は、いい生活ができる事だぞ。なにせセレブときているもんだからな。
んで、店主に「金くれ」というも「もう少し待ってくれ」ときた。20万円耳そろえて払ってほしいもんだ。犬が今売れただろ?
店主は用事があるらしくって、出かけた。本当に用事だったんだか…
んで、俺はその愛人ねーチャンと店に残された。
「何、今度は犬をはじめたの?」
「うん、そうなのよ。」
「ウサギは?」
「いるけれどねえ、買い手がつかなくて」
そんで、ウサギのいるところに案内される。
案内されて、びっくり。 増えすぎたウサギはカゴに寿司詰め状態で、うずくまって、あまりにも窮屈なもんだから、身動きも取れず。
しかも、それが在庫置き場だってことを物語るかのように、カゴが何個も段々積み。そこは、酷いことに、小さい倉庫みたいなもんで、日の光があたらない。扉を閉めれば真っ暗なのだ。
何匹かカゴから出してみたら、腹が濡れてる。非常に臭い。カゴの中のションベンを掃除していないらしかった。
何日もほったらかしにされていたのは火を見るよりも明らかだった。自分のションベンに皮膚をやられたらしく、ウサギの足は毛が抜けて、まさにフライドチキン状態。
ショックだった。俺が数ヶ月 目を離したばっかりに…
だが、もっと深刻な、そこのウサギが「売れなくなった」最大の理由があった。
ウサギはみんな、伝染病に感染していた。
死産や生後、間もなくして死んだウサギの死体を適切に処理しなかったのが原因のようだ。店主が肥料になるからといって、ウサギの糞を店内の植物の土に入れていたのだが、その死体もその土に埋めていたようだ。
そこに運動のためにカゴから出されたウサギが、その土を触って、何かはよくわからないが、伝染病が蔓延したらしい。当然、獣医には診せていない。診せてれば、ここまで酷い事態にはなっていなかっただろうし、またあの「コストがかかる」から、診せる気も毛頭なかったのだろうね。
ウサギはなかなか売れなかったようで、知り合いの犬のブリーダーから犬を何匹か買って、今度は小型犬のブリーダーを始めたらしかった。
まるで、マンジュウのように可愛らしかったウサギ達が、次々と感染して、こんな日の当たらない倉庫に隔離されてしまった。隔離っていうより、収容所を見ている気分だった。
金にならないもんだから、虐げられていた。
俺には金がなかった。こいつらを救えない。そう思ったら、自分が酷く矮小な人間に思えてきた。まあ、数ヶ月見放した俺にも、背負うべき報いがあることは確かなのだが。
俺が見た時には、生まれたばかりで名前が無かったんで まあ、殆どのウサギに名前は付いていなかったが、一応、付けていたウサギ 3匹 灰色の「ゴママンジュウ」 ちょっと黄土色の「キナコ」白い「ダイフク」
俺が見た時点では「ダイフク」はすでに死んで、土の肥料とされていたが…
「ゴママンジュウ」も「キナコ」も もう長くはないことは容易に見てとれた。「キナコ」はどういうわけか、両目が失明していたみたいだし。
俺はいたたまれなくなって、店を出た(← 卑怯者!!!!)
その夜、店の店主と大喧嘩した。
そして、俺は二度とそこに行くことは、当然なかった。店主にしてみれば俺の製作料の20万円が助かったのだ。
そんなことがあって以来、俺はあまりペットショップには立ち寄らなくなった。
大手の企業なら、それなりに資金力もあるだろうから、俺がいたウサギショップほど極端なことには至らないだろうが(?)売れ残った奴らは、どういう行く末をたどるのか、俺は知らない。
俺は、沢山のウサギを見捨てちまったってことで、自分自身に動物の面倒をみる、というよりは飼う資格なんかないと思っていた所に、女房がネコを4匹ほど、誰かからもらってきた。
聞けば、その4匹のうち、2匹は虐待を受けていたようで。まあ、神の配材とでも言うのか? 俺にその罪滅ぼしのチャンスをくれたのかもしれない。
まあ、俺の話はこれだけ。だから、どうしろって事は人の首根っこ捕まえてまで言おうとは思わない。
だが、俺は今後、俺の目の前で 生きものの倫理って奴を 理不尽な理由で蹂躙しようとする奴を見つけたら、
きっと 下の写真みたいな顔になって…お相手するよ。 ま、あとはご想像にお任せってとこだあな。
でも、ほんと、こんな顔 実際に見たら、かなりなソプラノな悲鳴が聞こえるだろうな。
「機嫌を直しなさい」と女房にコーヒーを貰って、笑顔を取り戻したMOZ84