「Suicaで日常生活まかなえる」 JR東日本トップが描く10年後の経済圏

インタビューに応じるJR東日本の喜勢陽一社長=東京都渋谷区で2024年7月5日、宮本明登撮影
インタビューに応じるJR東日本の喜勢陽一社長=東京都渋谷区で2024年7月5日、宮本明登撮影

 JR東日本は、交通系ICサービス「Suica(スイカ)」を進化させ、2028年度に各機能を統合した新たなアプリを打ち出す。5月に参入したインターネット銀行「JREバンク」を通じ、ポイント経済圏を拡大させる狙いだ。4月に就任した喜勢陽一社長は毎日新聞のインタビューに応じ、「移動や決済のデバイス(機器)を超え、スイカをJRのビジネスブランドの総称にしたい」と展望を語った。【聞き手・佐久間一輝】

 ――10年後(33年度)にITや不動産、流通など「生活ソリューション」事業の売上高と営業利益を2倍にする目標を掲げました。JR東日本の経済圏をどうやって拡大させますか。

 ◆何と言っても(1日に)1500万人以上がご利用になる鉄道インフラをはじめ、リアルなお客さまとの接点を持っていることが強みだ。キーワードは(顧客ニーズに即したサービスを提供する)マーケットインの考え方。経営の起点を「鉄道インフラ」から「人」に転換し、移動のデバイスだったスイカを生活のデバイスにしていく。

 (カードの)スイカ1枚、(モバイルスイカを搭載したスマートフォンが)1台あれば日常生活がまかなえるようにしていく。そこから膨大なデータが集まる。JREバンクを立ち上げたことで、今までアプローチできなかった、顧客の資産データを取得できる。データをマーケティングに使うことによって、生活に寄り添ったビジネスを展開していきたい。

データ統合、買い物と切符の連携も

 ――今後10年でスイカに新機能を順次追加し、あらゆる生活をカバーすることを目指しています。

 ◆「スイカ」は移動や決済のデバイスとしての名称だが、これを我々がお客さまに提供しているリアルなサービスの総称、いわばビジネスブランドの総称となるようイメージを変えていきたい。そのため、27年度までに「えきねっと」や「モバイルスイカ」などのIDを統合する。スイカを持っていれば、日常生活で非常に利便性の高いサービスとつながっていける。

 例えば、東京駅から…

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