7割超の生徒が食べ残した大阪の「冷たい給食」 大変貌の理由

「冷たい」と不評だった大阪市立中学校の給食。食中毒対策で、おかずは10度以下で保存されて配られた=大阪市北区で2014年5月30日午前11時31分、川平愛撮影
「冷たい」と不評だった大阪市立中学校の給食。食中毒対策で、おかずは10度以下で保存されて配られた=大阪市北区で2014年5月30日午前11時31分、川平愛撮影

 「おかずが冷たい」。そんな不評を買い、7割を超える生徒が食べ残すという給食があった。それから10年。「冷たい給食」は大きな変貌を遂げていた。その理由とは――。

 豚肉と野菜の炒め物、すまし汁、かやくご飯……。3月のある日のお昼時。大阪市立の中学校で、湯気が立ち上る給食が生徒たちの前に並んだ。手作り中心のメニューは約750キロカロリー。文部科学省の摂取基準に沿ったもので、1日約18万食が市立小中学校の児童・生徒たちに届けられている。

 政令市でも数少ない「家庭弁当派」だった大阪市の市立中学校で給食が始まったのは2012年9月。貧困などの理由で満足に食べられない生徒が多いとの理由から橋下徹市長(当時)の肝煎りで導入された。当初の給食は、仕出し弁当を学校に届ける「デリバリー方式」。生徒が弁当持参も選べる選択制でスタートしたものの、「栄養管理がされた昼食の提供は一つの教育」(橋下氏)との方針で14年から順次、全員給食に変わった。

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