反戦な家づくり「僕たちのプライド」で、オフショアコントロールという言葉を見かけた。
海上自衛隊幹部学校のホームページに「オフショアコントロールが答えである」という記事が載っている。(続きを読むに全文を複写)
「反戦な家づくり」さんによると、
先日伊波洋一(前宜野湾市長)さんが講演で、
米国は中国との戦争を「日本を戦場にして」行う計画だ。
中国本土を戦場にすると世界経済の影響が大きいので、
日本と南西諸島を限定的な戦場にして、中国と戦争するというのだ。
と言っておられたそうである。
前述の(続きを読むに複写した)海上自衛隊のホームページには、
私が提案する代替戦略は、オフショア・コントロールである。この概念は、英国のオフショア・バランスとは異なり、中国のエネルギーや原料の輸入、工業品の輸出を遮断することが可能な米国の能力を確保するために、米国はアジア太平洋諸国と協力し合うものである。
オフショア・コントロールは、中国による第1列島線内の海洋の使用を拒否すると同時に、それらの島嶼を防衛し、その領域の外側の空域及び海域を支配する。それは、中国のインフラを物理的に破壊するために中国領空に侵入するというよりは、経済的窒息をもたらし、遠方からの攻撃を可能とする軍事作戦構想である。
オフショア・コントロールは、中国のインフラを破壊しないことにより、紛争後の世界貿易の回復は促進される。経済的な現実として、グローバルな繁栄は、中国の繁栄に多く依存するということである。
等の事柄が書かれている。
米国は中国のエネルギーや原料の輸入、工業品の輸出を遮断することが可能な米国の能力を確保するために東南アジア諸国、特に日本に、
中国と事を構えさせたいと思っているという事のようである。
アメリカは日本を戦場にして中国と戦えとまでは言っていないけれど、
もし辺野古に最新装備の米軍基地が創られ、
日米合同で意図的に中国に嫌がらせを続けていたら、
中国の軍部が度重なる嫌がらせに、平常心を失って、辺野古を爆撃するという暴挙を行わないとは限らない。
多分、前宜野湾市長の伊波洋一さんが、日本で戦争を起こされかねないと言われたのは、そういう事態が想定出来るという事なのではないだろうか?
そして、アメリカの戦争屋はそうなってくれたら「願ったり叶ったり」と喜ぶ事だろうから、
もしかしたら、日本は米戦争屋とその傀儡である日本政府に、その様に誘導されかねない。(戦争が起こされるかもしれない)
そして自民党は戦争が起きた時に間に合うよう、参議院議員選挙で過半数を取って、憲法改悪をし、
「緊急事態条項」を創ろうと目論んでいるのだろう。
参議院議員選挙に自民党を勝たせ、辺野古埋め立てを許してしまったら、
日本人は、又してもあの太平洋戦争の時の様な悲惨な戦争によって、
大勢の人々が殺されたり家が焼かれたりで、悲惨な事になるのは、
ほぼ間違いないだろう。
集団的自衛権も辺野古埋め立ても、
共に日本人を追い詰める為の道具である。
その意味でも辺野古埋め立ては、沖縄だけの問題ではないと言えるだろう。
「オフショア・コントロールが答えである(Offshore Control is the Answer)」の紹介
(コラム046 2013/06/12)
昨年12月、『プロシーディング』誌に「オフショア・コントロールが答えである(Offshore Control is the Answer)」が発表された。筆者のハマスは、米国防大学戦略研究センターの上級リサーチ・フェローであり、4GW(第4世代戦闘)の概念を発表する等、注目を浴びている。ここに本論文の要旨をまとめて掲載いたします。
Colonel T. X. Hammes, U.S. Marine Corps (Retired)
(Proceedings, Vol. 138/12/1,318, December 2012.)
要 旨
米国は、迫りくる予算削減の中、アジア太平洋地域への影響力とプレゼンスを維持するためのコストを著しく削減できる軍事戦略を必要としている。現在、米国は、アジアへの戦略的リバランシングを実施しているが、その課題は、平時の経費を節約しながら、アジア太平洋地域に影響を及ぼし、戦時に国益を守るための十分な態勢がとれることである。
私が提案する代替戦略は、オフショア・コントロールである。この概念は、英国のオフショア・バランスとは異なり、中国のエネルギーや原料の輸入、工業品の輸出を遮断することが可能な米国の能力を確保するために、米国はアジア太平洋諸国と協力し合うものである。
オフショア・コントロールは、中国による第1列島線内の海洋の使用を拒否すると同時に、それらの島嶼を防衛し、その領域の外側の空域及び海域を支配する。それは、中国のインフラを物理的に破壊するために中国領空に侵入するというよりは、経済的窒息をもたらし、遠方からの攻撃を可能とする軍事作戦構想である。
また同時に、中国によるA2/ADへの投資の多くを無効にするとともに、削減された米国防資源の中で、必要とされる能力を確保する方法を模索するものである。オフショア・コントロールはまだはじまったばかりであり、実現可能性について厳正な検証が必要である。本稿では、この問題についてまず基礎的な概観のみを提示する。
政治的考慮事項
最大の疑問は、中国による開戦を効果的に抑止することができるかということである。エアシー・バトルによる攻撃作戦が、短期間に大陸にある大規模な軍事力を打ち負かすことができるという考えは疑わしく、歴史的には全く証明されていない。
中国がアジア太平洋諸国の領土を攻撃する能力を有しているため、非核攻撃作戦によって中国を打ち破るといった戦略構想のどれもが非常に疑わしいものである。
対照的に、オフショア・コントロールは平時の訓練においてその実現可能性を実証しながら、パートナー諸国と中国双方に透明性を保っている。米国であれその同盟国であれ、中国の領空あるいは領海に侵入することはないであろう。
同時に、オフショア・コントロールは、現在予見される米国の政治的環境下において、経済的に持続可能である。オフショア・コントロールは、数多くの高価なプラットフォームに将来的に多額の投資をしなくても済むように、現在の能力に基づいて計画がなされている。
危険と持続性
戦略的には、重要な問題が2つある。第1に、戦時のリスク、特に、核エスカレーションに結びつくか。第2に、平時にも戦時にも持続可能かということである。
オフショア・コントロールは、中国のインフラを破壊しないことにより、紛争後の世界貿易の回復は促進される。経済的な現実として、グローバルな繁栄は、中国の繁栄に多く依存するということである。
また、この概念は透明性を保っているので、計画の立案が可能であり、国家と企業等の調整が可能である。
拒否、防衛、支配
作戦上、オフショア・コントロールは3つの同心円からなる。第1に、第1列島線内の海洋使用の拒否。第2に、第1列島線上の海・空領域の防衛。そして、第3に、第1列島線外側の海・空領域の支配。これにより、核エスカレーションの可能性は縮小し、コストを削減し、戦争の終結を容易にすることができる。
第1の拒否の部分は、主として攻撃型潜水艦、機雷及び限定的な航空戦力による。第2の防衛の部分は、A2/AD概念によりあらゆるアセットを投入する。中国により長距離のレンジで戦わせることにより、中国の地理的優位をひっくり返すことができる。そこでは同盟国の陸上配備型の防空と対機雷戦能力を含めた短距離海上防衛に主として依存する。そして、第3の支配の部分は、中国のアセットの行動範囲外で戦われ、中国の主要船舶を阻止するため、空海陸兵力と借上民間プラットフォームの組み合わせで行われる。
孤立作戦
戦術上、中国領空へ侵入するような概念は、中国の強点に資することになる。米国の非常に限られた数の、極めて有能で高価なプラットフォームを中国の古いシステム内へ進入させることは、中国の能力を増大させることとなる。
対照的に、オフショア・コントロールは、中国が非常に限られた数の長距離、高性能プラットフォームを統合化された空・海・陸上防衛の中に送り込むことを強いるような孤立作戦である。
要するに中国がオフショア・コントロールに打ち勝つ唯一の方法は、グローバルな制海権を持つ海軍を作り上げること―それには、何十年、何兆ドルもの時間やコストがかかるのである。
オフショア・コントロールの主な強点
オフショア・コントロール戦略の主な強点は、次のとおりである。
(1) 抑止力と信頼性の増大
(2) 核エスカレーションの可能性低下
(3) 紛争終結の可能性が高まる
(4) 平時のコストを低減
(5) 中国に武器システム最大距離で戦うことを強制
(6) 米国の海軍力発揮が可能
要するに、オフショア・コントロールとは、中国の核兵器の存在が、中国共産党の崩壊を企図するような戦略は危険すぎるという考えを根拠においている。オフショア・コントロールは実践的、政治的に好ましい選択肢を提供するのであり、双方の死傷者を最小限に留め、かつ中国本土のインフラへの損害を極限し終結するような経済的消耗戦の戦いとなるのである。
コメント
2012年1月5日、オバマ米大統領は、「米国の世界的リーダーシップの維持:21世紀の国防の優先事項(Sustaining U. S. Global Leadership: Priorities for 21st Century Defense)」と題する新たな戦略ガイダンスを発表し、米軍の主要任務の一つに、A2/AD下での戦力投射を挙げ、中国、イランを名指しで警戒している。そして、アジア太平洋地域へ重点をシフトし、グローバル・コモンズへの自由なアクセスを維持するため、同盟国の重要性が高まると主張している。
同盟国の負担に関しては、意見が二分されている。まず、ミアシャイマー(John J. Mearsheimer)やレイン(Christopher Layne)らが主張する「オフショア・バランシング(Offshore Balancing)」とは、安全保障に係る負担を同盟国と分担するのではなく、移動するというものであり、つまり、米国はオフショア(沖合)に退き、事態所要が生じた際に戦力投射するもので、米国のコスト削減にも寄与するものである。
一方、これに批判を加えているのが今回紹介したハマス(T. X. Hammes) であり、「オフショア・コントロール (Offshore Control) 」との考えを提示している。「オフショア・コントロール」は、同盟国と協力しつつ、中国による第1列島線内の海洋の使用を拒否し、島嶼を防衛し、その領域外を支配するもので、物理的な破壊よりも経済的窒息を重視するものである。
これらの戦略レベルの議論が活発になされているが、その評価は定まっていない。いずれにしても、日本にとって同盟国としての役割は高まり、より具体的な作戦レベルでの備えを急ぎ進める必要があるであろう。
作戦レベルに関しては、2012年2月20日、グリナート (Jonathan W. Greenert) 米海軍作戦部長とシュワルツ (Norton A. Schwartz) 米空軍総参謀長が連名で、『アメリカン・インタレスト (The American Interest) 』誌に、「エアシーバトル (Air-Sea Battle) 」を発表し、「統合作戦アクセス構想 (Joint Operational Access Concept: JOAC) の主要要素がエアシーバトルであり、海空軍はエアシーバトル構想に基づいて高度に統合されるべきである」と主張している。エアシーバトルは限定的な作戦レベルのコンセプトでありその実態は依然として不明であったが、最近、若干内容が明らかになりつつある。2013年5月16日、グリナート米海軍作戦部長とウェルシュ (Mark Welsh) 米空軍総参謀長は連名で、『フォーリン・ポリシー (Foreign Policy) 』誌に、「Breaking the Kill Chain」を掲載し、エアシーバトルへの取り組み状況を具体的に説明している。まず敵のC4ISRを寸断した後、敵の発射母体を破壊する等、敵の軍事行動の流れを寸断することを重視している。またそこでは、自由なアクセスに対する脅威の排除のみならず、人道支援や被害復旧を含む活動への道を確保していることは興味深い。
(幹部学校防衛戦略教育研究部課程管理室長 下平 拓哉)
尚、文中の下線は当ブログによる。
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