仮に、守秘義務違反として問題にされる慣例を作れば、今後、TPPに関する交渉過程情報は今以上に厳重に隠蔽されることになり、二度と出てこなくなるおそれすらある。
ISDも公平なものだと主張している。
http://analyzer.fc2.com/ -->
花も心を持っている。稚拙ですが民草が思いを綴ります
現在の日本は安倍総理を始めとする「日本会議」を名乗る輩の跋扈に苦しめられている。
彼等日本会議の面々は生長の家の谷口雅春氏の思想を、
根拠としていると主張しているらしい。
昨日偶々覗いたブログで、
宗教(生長の家)が政治を撹乱していると憂えておられるのを見た。
私は以前、現在の「生長の家」はもう政治から手を引いていると聞いた事があったので、
念のために生長の家公式サイトを覗いてみた。
宗教法人・生長の家の公式サイトの表紙と言うべき部分には、
長閑な草原の写真に、自然エネルギー拡大のための募金求める文言が書かれていた。
「生長の家」は東電福島第1原発の事故後、
脱原発を求めてメガソーラー発電を始めていたが、
最近2番目のメガソーラー発電所が完成したと書いてあった。
又世界平和を願う文言が載せられており、
安倍総理も入っていると言われている「日本会議」なる人々の主張とは、
かなり違っているように思えた。
と言うより、真反対の主張である様に思えた。
公益財団法人生長の家社会事業団(社会事業団)と、(株)日本教文社が合同で、
宗教法人「生長の家」を相手に著作権と出版権の侵害の訴訟を起こしていた事もわかった。
生長の家では昔から「甘露の法雨」という谷口雅春氏の書かれた詩集を、
お経のような装丁をして頒布していたのだけれど、
その詩集「甘露の法雨」の極小版を作り、お守りとしても、信者さんに頒布いたのだった。
それらの印刷は別組織(株)日本教文社でやっていたので、
甘露の法雨の版権が、日本教文社のものとなっていたらしい。
生長の家では信者さんたちに、お守りの「甘露の法雨」を求められる人が多いので、
教団がこれを印刷していたら、
言う事を聞かない「生長の家教団」に悪意を持っている二つの組織(日本教文社と社会事業団)が、
著作権と出版権の侵害だと言って、宗教法人・生長の家を訴えたのだそうである。
日本会議の面々が彼等の求めに応じた宗教活動をさせる為に、
二つの組織に働きかけて、訴訟を起こさせたのではないかと思われる
自分たちの主張の根拠としている谷口雅春氏の、
血縁の孫が主催する教団「生長の家」を、
彼等は祖父の著作権を楯に、
それらの侵害したと主張して訴えていたのである。
その記事によると、
1審では教団が敗訴し控訴していたのだそうで、
最近2審の判決が出て、今度は著作権侵害に当たらないと、
教団の主張を支持する判決が出たという、喜びの記事であった。
生長の家の信者になった人々の大部分は、
生長の家の主張する政治活動に、共感したから信者になった人ではなかったと思う。
だから、生長の家の一般信者は「日本会議」などに同調する気にはなれないのではないかと思う。
谷口雅春氏が自主憲法制定を主張し、政治活動に力を入れたのは、
氏が当時の社会風潮に危機感を抱き、その原因が占領軍の創った憲法の所為であると思われたからだろうとは思うけれど・・・・・
しかしそれは50年近くも以前の事なのである。
戦後70年も経って、戦後間もなくと同様に、現在も占領状態(米軍が居座ったまま)の日本で、
自主憲法制定だといって憲法改正をやっても、
今の日本でやったのでは、自主憲法の制定にはなりはしない。
やっぱり占領憲法以外の何ものでもない。
それなのに日本会議派の面々は戦後70年、
日本を自立させる努力を一切放棄したままでいたくせに、
今、自主憲法制定を声高に主張している。
これでは、日本人を徒兵にしたがっている米軍の求めに応じて、
日本人を苦しめる憲法改悪をするようなものである。。
そして彼等は新たな占領憲法を、
自主憲法であると詐称しようとしているのである。
日本会議派の面々は、
生長の家の思想なるものに賛同している振りをしながら、
生長の家の跡継ぎに、訴訟を吹っかけて苦しめている。
これは彼らが天皇陛下を敬っている振りをしながら、
天皇陛下の平和憲法への御思いと脱原発の御思い、
天皇陛下のこれらの御思いを、無視し続けているのと似ている様な気がする。
天皇陛下は国民の生活を破壊する原発は止めるべきであるとの信念から、
折りある毎に、脱原発的発言をしておられるのに・・・・・
似非右翼達は、ネットで、
皇后陛下が天皇陛下を唆したから、
天皇陛下があのような平和主義者になっていると言って、
皇后陛下への悪意を隠さず、口を極めて皇后陛下を悪し様に言って憚らない輩であるが、
彼らの信奉しているのは、
日本会議派とその代表格・安倍総理であるらしい。
日本会議派の面々が守りたいのは、
財界(含む・世界的金融資本)からの援助だけなのではないかと思われる。
彼等は天皇陛下が、彼等日本会議派のスポンサー・財界が、求める事と違うお考えであったら、
天皇陛下のお考えを無視するし、
生長の家の方針が、彼らのスポンサー財界の意向と違うものだったら、
生長の家を叩きのめす事も憚らない。
日本会議とは、
愛国心で国を立ち直らせようと努力している団体などではありはしない。、
その真反対の、
スポンサーの意向第一の、利権団体なのである。
スポンサーの意向に沿って、経済的援助や社会的身分の安定を受け続ける事さえ出来れば、
日本などどうなってもかまわないと割り切っている、同胞裏切り団体なのである。
甘利明元TPP担当相が3・11の直後、
「日本などどうなってもかまわない」と言ったそうであるが、
日本会議派の面々も皆、甘利明と同類ばかりであると言えるだろう。
そのくせ彼等は
天皇陛下を信奉している振りをするし、
生長の家を信奉している振りをしている。
追記
続きを読むに
谷口雅宣氏の原発と決別しようという趣旨の文章を複写しておく。
を複写したつもりだったのですが、ブログに印字していませんでした。
どうも、誰かさんに気に入らない記事は、印字できなくなっている様な気がします。
マスコミに載らない海外記事「世界戦争は始まっている。沈黙を破ろう。」によると、 かつてソ連の一部だったウクライナは、CIAテーマ・パークと化した。キエフでのクーデターを画策したワシントンが、事実上、ロシアの隣の敵対的政権を支配している。政権は文字通り、ナチスで腐敗している。ウクライナの中心的議員連中は、悪名高いOUNとUPAファシストの政治的末裔なのだ。彼らはあからさまにヒトラーを称賛し、少数派のロシア語話者の迫害と排除を要求している。 これは欧米では滅多に報じられない、というより、真実を隠すため、あべこべにされている。 ロシアのすぐ隣の、ラトビア、リトアニアやエストニアに、アメリカ軍は戦闘部隊、戦車、重火器を配備している。世界第二位の核大国に対するこの極端な挑発を、欧米は沈黙している。
アメリカは下に引用したように、ロシア西部の国境沿いに兵力を増強しているそうです。
(引用)
過去18カ月間に、アメリカ合州国が率いる、第二次世界大戦以来最大の兵力増強が、ロシア西部国境沿いで起きている。ヒトラーがソ連を侵略して以来、外国軍隊が、ロシアに対する、これほど明白な脅威となったことはなかった。
そしてアメリカはしきりに中国の脅威を言い立て、日本にも中国敵視を求めている様ですが、
昨年アメリカとオーストラリアの海軍と空軍が共同で、中国の海上通路を閉塞する為の演習を極秘で行ったそうです。
(引用)
2015年、極秘のうちに、アメリカとオーストラリアが、タリスマン・セイバー(魔よけのサーベル)として知られている、近年史上で最大の海空共同軍事演習を実施した。狙いは、マラッカ海峡やロンボク海峡などの海上交通路を閉塞し、石油、ガスや他のきわめて重要な原料を、中東やアフリカから、中国が入手するのを封鎖するエアシー・バトル計画の下稽古だった。
戦争が生業となったアメリカの軍産複合体は、
今年の大統領選挙で、無理やりにでもクリントン女史を大統領に選ばせ、
ロシアと中国に引導を渡そうと手薬煉引いている様です。
この戦争で引導を渡されるのは、
中露だけではなくアメリカを含む世界の全人類(いや全生物かも知れません)となる事が分かっていても、彼等はこれを止める気にはなれないものの様ですね。
安倍総理は5月にロシアを訪問すると言っていましたけれど、
アメリカに強く禁止され、現在は二の足を踏んでいるそうです。
しかしロシアのプーチン大統領は、まだ諦めていないようです。
飯山一郎ブログによると、プーチン大統領は安倍総理に、
「多角的な対日対話の発展はロシアの最優敵外交課題のひとつだ。5月6日の安倍首相の訪問が互恵的かつそれぞれの国益を考慮した露日関係の拡大を促すものと期待している。」と、意味深なシグナルを送っておられるとか。
飯山さんの読み解かれたプーチン氏のシグナルとは、
メッセージとは,文章の表面(字面)どおりの意味だ。
というものだそうです。
これに答える勇気が、安倍総理にあれば良いのですが・・・・・
余震回数680回超える「震源広がる 東から南へ」避難所ではインフル感染も…
2016年04月20日 12時47分熊本県では昨夜にも震度5弱の揺れが観測されるなど、活発な地震活動が続いていて、きょう(20日)午前10時現在までに発生した体に感じる震度1以上の地震は680回を超えた。
気象庁によると、きのう19日には午後5時52分ごろにマグニチュード(M)5.5、震度5強の地震が発生したほか、午後8時47分ごろにもM4.9、震度5弱の揺れを観測するなど、これまでに発生した地震の回数は681回に達した。
今月14日以降、5日間で発生したM3.5以上の地震の数は、過去10年に国内で発生した巨大地震のうち、2004年の新潟県中越地震を上回って熊本地震が最多となった。
気象庁の分析によると、益城町(ましきまち)で震度7を観測した14日夜の前震以降、地震の活動領域は、「布田川断層帯」に沿うように東へ移り、大分県の「別府-万年山(はねやま)断層帯」に広がった。
一方で、昨日発生した震度5クラスのふたつの地震は、熊本市から南東の「日奈久(ひなぐ)断層帯」に沿っており、複数の活断層が同時に動いて、震源が広がっていることから、地震予知連絡会では「今後何が起こるかは正直わからない。長期的には南海トラフ巨大地震に影響を与える可能性もある」と懸念の声を上げている。
熊本地震は680回余りと、記録的な数の余震を起こしている。
昨日発生した震度5クラスのふたつの地震は、熊本市から南東の「日奈久(ひなぐ)断層帯」に沿っており、複数の活断層が同時に動いて、震源が広がっていることから、地震予知連絡会では「今後何が起こるかは正直わからない。長期的には南海トラフ巨大地震に影響を与える可能性もある」と懸念の声を上げているそうである。
南海トラフ地震も懸念されるかも知れないが、
それよりももっと差し迫っている危険は、川内原発の直下で大きな揺れが起こる事なのではないだろうか!
二言目には日本人の命を守ると言っておられる安倍総理が、
如何して異常な余震を続ける熊本地震の被災地域の、
目と鼻の先にある川内原発を放置した侭で平気なのだろう。
川内原発は日奈久断層帯にあり、昨日19日に発生した震度5クラスの二つの地震は、
日奈久断層帯に沿って起きていたそうではないか!
日奈久断層帯の端に川内原発があると言うのに、
政府は何をもたもたしているのだろう?
安倍総理は福島原発の過酷事故に関しても、
第一次安倍内閣のときに、せねばならなかった津波対策を、怠っていた(させなかった)重大な責任者であった。
今度、川内原発で又過酷事故が起きたら、
安倍総理は如何する積りなのだろう?
その時も知らぬ顔をしていたら、
福島原発の事故のときと同様に、やり過ごせると思っているのだろうか?
処で今日のニュースで、16日に起きたマグニチュウド7.3の地震の震度が、
よく調べたら震度7の所もあったという事から、
本震の震度を震度7に変更すると言っていた。
台湾の地震予測研究所という所が、
北九州でマグニチュウド8の巨大地震が起きるなどと、予言しているそうであるが、(こちら)
それが川内原発の直下で起きたらどうなる事か!
これだけ異常な地震を目前にしていて尚、
平常の様に川内原発を運転させ続けている政府は、
福島原発の過酷事故を全然気にしていないのだろうか?
東日本大震災が起きても、東電の原発がメルトスルーの大事故を起こしても、
東京オリンピックをやろうとしている政府は、
今回の熊本地震でも、震災の復興に全力をかけて取り組むことなく、
やっぱり東京オリンピックを、予定通り開く積りなのだろうか?
こんな疑いを禁じえないような政府、
こんなにハチャメチャな内閣が嘗てあっただろうか?
与党議員も官僚も、こんなハチャメチャな内閣を糾弾するどころか、
守り続けているのには、どんな訳が有るのだろう?
もしかして宗主国から無茶苦茶な脅しをかけられているのだろうか?
でも、どんな脅しをかけられていたとしても、
蛇の生殺しのような殺され方をするよりは。
毅然としてはねつけた方が、長い目で見たら、結局に於いて、
日本を守る事になるのではないだろうか?
習近平中国主席は今回の地震のお見舞いの電報を
天皇陛下に送られたそうである。
アメリカ人はツイッターで、中国人は口先だけだと、悪口を言っているそうであるが、(こちら)
アメリカはこの地震を奇貨として、オスプレイ売込みを謀かっている様である。
(尤も、これは安倍総理が勝手に、ご機嫌取りで米軍に支援を要請したのかもしれないけれど・・・・・)
熊本県で今朝未明震度は6強と、震度7強だった最初の地震よりは幾分弱いが、
マグニチュウド7.3で本震より強く、阪神大震災並みのマグニチュウドの地震が起きたそうである。(こちら)
熊本地震の余震は2百数十回に及ぶそうで、
その上本震を上回るような余震迄来る厳しい状況には言葉を失ってしまう。
九州地方では近年こんな大地震が起きた事はなかったそうで、
突然の大地震に現地の人々の驚きは如何ばかりだったことだろう。
今回の地震で日本は何時何所で、どんな大地震が起きるか分からない地震国である事が、
いやと言うほど身に沁みた人は、多かったのではないだろうか?
それなのに政府は「脱原発」も自由に出来なくなる経済協定であるTPPを、
強引に国会に承認させようとしている。
今回の熊本地震は布田川・日奈久断層帯と呼ばれる断層でおきたが、
これは関東から九州へ、西南日本を縦断する大断層系で、1885年(明治18年)にハインリッヒ・エドムント・ナウマンにより命名された中央構造線の一部であるから、
布田川断層帯で起きたこの地震が、
何時川内原発のある日奈久断層帯で起きるかも知れないし、
四国の伊方原発の傍で、中央構造線断層系の大地震が、何時起きないとも限らないだろう。
原発を稼動する稼動するかどうかについて、
国民の選択の自由を奪われる事一つとっても、大変な事であるのに、
どうして政府はあんなに、形振り構わずTPPを推進しようと躍起となっているのだろう?
TPPは何所の国の国民に知られても、
拒絶される様な不当な協定であると分かっているからか、
担当者(大臣を含む政府役人)に、守秘義務というものを課す事にしたのだろう。
民主主義国家の担当者達に、
交渉で知った事を、国民に知らせてはいけないという決まり(守秘義務)を創って押し付ける、
TPP推進の世界を股に掛けた商売人グループは、各国政府担当者達を篭絡して憲法を無視させ、
国民の知る権利だけでなく、国民のあらゆる権利を奪おうと目論んでいるグループであるが・・・・・
先日書いた国会のTPP委員会で緒方林太郎議員の質問は、
元々の狙いは西川TPP委員長の、守秘義務違反を追及するための質問だったそうである。
私は緒方議員はTPPの国会承認を邪魔する為に、
石原大臣を追い詰めて言質を取ろうとしているのかと思い違いしていたが、
緒方林太郎議員は元々TPP推進派である事を公言している人物だったのだそうである。
あのTPP委員会での緒方議員の目的は、
TPP国会承認の邪魔をすることではなく、
TPPのいかがわしい所が国民に知れるのを防ぐ為に、
TPPの内容とは関係ない事柄で審議の時間を潰すのが目的だったようである。
街の弁護士日記では、
国民に条約の内容を知らせない為に、
隠蔽目的で守秘義務を定める事が不当なので、
政治家が守秘義務違反を犯した事を追求する等、
国民に対するとんでもない裏切り行為であると、緒方議員に騙されないよう戒めておられる。
私も緒方議員と民進党に騙されていた方だったので、
国会中継(衆議院TPP特別委員会の質疑)を見て の様な記事を書いた事に、責任を感じている。
以下に街の弁護士日記の記事を複写させて頂く。
【緊急】 追及すべきは守秘義務自体であって守秘義務違反ではない 今朝の新聞記事では、民進党は西川暴露本の「守秘義務違反」を追及するとの記載があった。
間違いであってほしいが、追及すべきは、国民にとっても、国会審議にとっても不可欠な情報を隠蔽する「守秘義務」自体であって、「守秘義務違反」ではない。交渉過程文書が、TPP協定と一体不可分であることは昨日のブログで明らかにしたとおりであり、そもそもTPP交渉の守秘義務自体が、きわめて反民主的な本質を持っていることが最大の問題なのである。4月14日 国会はTPPを承認することができないまた、TPP協定の守秘義務も、セキュリティのかかっていない通信網を介してやり取りすることを認め、機密扱いされていないパソコン上で文書を扱うことを認めるなど、そもそも、緩いものである。4月12日 TPP秘密保持に関する書簡 全文だから、西川氏が暴露本を書くことが問題なのではなく(暴露本を書く者が委員長として「守秘義務」を主張することの不公正・不誠実は別の問題である)、それが秘密に関わることだと主張する政府こそが問題なのだ。TPP交渉に関する秘密は、国民の知る権利を侵害するものである。
仮に、守秘義務違反として問題にされる慣例を作れば、今後、TPPに関する交渉過程情報は今以上に厳重に隠蔽されることになり、二度と出てこなくなるおそれすらある。それは、TPPの内容が、永久に国民から閉ざされ(少なくとも発効後、あるいは最後の交渉会合後4年間)、秘密のルールによる、密室独裁制を確立することにつながる。重ねて言う。問題は「守秘義務違反」ではなく、「守秘義務」自体である。追及すべきは「暴露本」ではなく、真っ黒に墨塗りされた「のり弁」である。西川暴露本追及の質問をした緒方林太郎議員は、守秘義務が徹底していないことを追及していた。民進党の緒方林太郎議員は自らのブログで、TPP推進派であることを明言している。
ISDも公平なものだと主張している。TPP反対の方々は、罠にはまってはいけない。
現在の世界は様々な分野でパラダイムシフトが待たれる状況になっています。
In Deepの記事で、主に医学分野でのパラダイムシフトについて論考しておられますので、コピーさせていただきます。
http://indeep.jp/paradigm-shift-is-rapid-change-and-revolution-by-amateurs/
パラダイムシフト
パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することを言う。(Wikipedia)
パラダイムシフトは「非連続的な事象」であることを忘れがちになっていたことに気づき
先月の記事「現代の認知症は「パンデミック」の一種かもしれない… (2016/03/12)」の中に、夏井睦さんという形成外科医の方の書かれた『傷はぜったい消毒するな – 生態系としての皮膚の科学』という本のことに少しふれたことがあります。
この本は、私たちのほとんどが「傷と細菌のことや、人体と微生物の共存のことについて、とんでもない勘違いをして長い間生きていたこと」、そして、医学界そのものが、この何百年と続いているその「勘違い」、あるいは「間違い」から脱していないことを知らされるもので、医療を目指されている方でも、単に怪我の際の最善の処理を知りたい方にも、どちらにもお勧めできる本です。
この本の後半には、医学や科学の歴史から、生物進化の過程から「皮膚の力」を見直すというセクションなどまであり、ここで語られる明晰な知力と知識によってもたらされる創傷治療の真実度にはとても説得力があります。
この本の中に、「医学や科学のパラダイムシフト(価値観の一大転換)」についての下りがあり、そこに下のようにあります。
『傷はぜったい消毒するな』 第9章「医学はパラダイムの集合体だ」より
パラダイムシフトは「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識(パラダイム)」が、革命的かつ非連続的に変化(シフト)すること」と定義されている。
ここで重要なのは「非連続的に変化」という部分だ。つまり、旧パラダイムから新パラダイムへの変化(シフト)は連続的に起こるのではなく、二つのパラダイムは完全に断裂しているのだ。新しい考え方は古いパラダイムを完全否定することで生まれるからだ。
地動説は天動説の進化系として唱えられたものでもないし、天動説の研究から生まれたものではない。だから、両者の間でいくら議論しても合意点は全くないし、何より、共通認識すらないから討論自体が成立しない。
私たちはつい、科学の進歩も社会の進歩も、連続的段階的に発展してきたと考えがちだ。
例えば、「ギリシャ時代の科学を土台にローマ時代の科学が発展し、イスラムの科学が加わって錬金術が発達し、やがて16世紀のガリレオ、17世紀のニュートンに受け継がれ、ついには20世紀の科学文明として花開いた」という具合に、ちょうどリレー走者が次の走者にバトンを渡して現代に至っているというイメージである。
しかし、科学にしろ社会にしろ、変化は突然起こり、それまで常識と思われていたことが根底からくつがえされ、全く関係のない新しい考えが主流になって発展してきた。
そうなんですよ。私自身がそうですが、一般的に私たちは、この「過去のパラダイムシフトは劇的に突然に出現した」ことを忘れがちなのですよ。
人間の本性というのかどうなのか、私たちは、
・「物事は少しずつ変化していく」という方向で漠然と考える
傾向があります。
しかし、上の抜粋にありますように、パラダイムシフトは、
> 革命的かつ非連続的に変化
するものであり、
> 科学にしろ社会にしろ、変化は突然起こり、それまで常識と思われていたことが根底からくつがえされ、全く関係のない新しい考えが主流になって発展
してきたものだということを、つい忘れるのです。
さらに、古い考えと、まったく新しい考えの間には、
> 両者の間でいくら議論しても合意点は全くないし、何より、共通認識すらないから討論自体が成立しない
ものなのです。
これは考えてみれば、ジャンルは違いますけれど、前回の記事、
・「地球の生命は宇宙で作られている」ことがほぼ確定…
2016/04/08などにも関係している話として、たとえば、
- 地球の生命は宇宙で生まれた
という意見と、
- 地球の生命は宇宙では生まれていない
という意見の間に合意点とか妥協点を作ることはできません。
どちらかしかありません。
輪廻転生の話なんかもそうです。
- 前世や来世は存在する
- 前世や来世は存在しない
のふたつの意見に妥協点はあり得ません。
あるいは昔からある論争かもしれないですが、
- 神はいる
という意見と、
- 神はいない
という意見も、妥協点を作り出すというわけにはいきません。
「それでは、月曜日から木曜日までは神はいて、金曜日から日曜日までは神はいないということで妥協しましょう」
というわけには、おそらくいかないのです。
まあ、そういう話はともかく、医学に話を戻しますと、これだけ病気が蔓延している世の中となってきますと、いよいよ「パラダイムシフト」が必要だと、実際には誰でも思っているのだと思います。「医療が病気の減少に貢献していない」ということが、最近のあらゆる病気の患者の数の増え方ではっきりとしている以上、「今の医学は根本的に何か間違っているところがある」と判断しても間違いではないと思われます。
医療の概念が間違っていないのならば、病気や患者は減り続けているはずですが、そうはなっていません。
しかし、そうは思ってはいても、先ほど書きましたように、私たちは油断すると、
「物事は少しずつ変化していくから」
というように思ってしまって、
「いつかは少しずつ良くなっていく時もあるのだろう」
としてジッとしているといようなことになっているように思いますが、本当に良くなる時の変化は「完全に変わる」というようでなければ本物ではないのかもしれません。
聖書ではないですが、「パラダイムシフト」というものは、
「見よ、わたしはすべてのものを新たにする」(ヨハネの黙示録/ 21章5節)
というようなものであるということのようなのです。
では、誰がそれを推し進めればいいのか。
そして、パラダイムシフトを起こすことができる可能性を最も持つのは、医師たちでも専門家たちでもなく、私たち「素人」であることが、夏井医師の本には書かれています。
探りにくくなっている「真実の情報」の行方
ここから、また先ほどの夏井医師の著作『傷はぜったい消毒するな』から抜粋させていただきます。
「専門家と素人で知識が逆転する瞬間」より
先入観を一番捨てにくいのは誰だろうか。それは専門家だ。専門家は自分の専門知識が正しいことを前提に考えるから、もしかしたらそれが間違っているかも、とはなかなか考えられない。
そして何より、自分の専門知識に疑問を抱くのは、専門家として人を指導する立場にある人間にとっては一種の自殺行為である。
天動説から地動説へのシフトでは、少数の先鋭的研究者が新論を打ち立て、ついで一般大衆にまず知識が広まったはずだと書いたが、その根拠はここにある。
素人はそもそも先入観もなければその分野についてのことについての知識もない。太陽が真ん中でも地球が真ん中でもどちらでも大した違いはないと思っている。だからこそ、地球が真ん中でなく太陽が真ん中だと言われても動揺することなく新しい考えを受け入れられる。
つまり、専門家にとっては天地を揺るがすような大事件なのに、素人にとってはちょっと新しいアイデア程度でしかないのだ。専門家にとっては驚天動地のパラダイムシフトでも、素人にとってはそうではないのだ。
新しいパラダイムを素人は受け入れやすく、専門家は専門家としての自分の地位を守るために懸命になって拒否するわけだ。このため、パラダイムシフトの真っ只中では、素人が専門家より知識の面で先を行って最新の情報を享受し、専門家は古い知識(旧パラダイム)にしがみつくことになる。
この中の、
> 素人が専門家より知識の面で先を行って最新の情報を享受し
というのは、医学だけではなく、今、現状で広範囲で起きていることではないでしょうか。
ただ、「その最新の情報に行き着きにくい社会ではある」とは言えると思います。
私も自分のブログを書いていく中で、新潟大学名誉教授の安保徹さんとか、笑いを医療に取り入れて成果を上げているパッチ・アダムス医師とか、日本最初の整体師の野口晴哉さんとか、いろいろな方の存在を知り(逆に言うと、それまで知らなかったということです)、
「どうも医療の真実は、現在の一般的なものとは違うところにあるらしい」
ということに、この年齢(83歳 ← ウソつけ)になって初めてわかった次第でもあるのです。
左から、安保徹さん、野口晴哉さん、パッチ・アダムス医師
・jcounselor.net 、 seitai.org 、 infobae[上の方々の出てきた参考記事]
・「ガン発生のメカニズムも、また人間に与えられた優れた機能」だということをほんの少しだけ書かせていただきます(2015/05/12)
・過去同様の美しき日本の未来を実現することは「必ずできる」ことを野口晴哉さんの言葉で確信する(2015/06/20)
・パッチ・アダムス医師の「楽しく人を死なせる」ための真実の医療の戦いの中に見えた「悪から善が生まれる」概念の具体性(2015/04/19)
いや、それこそ、前回の記事で取り上げた、パンスペルミア説というか、つまり、「地球の生命は宇宙で作られている」という概念すら私はつい最近まで、「まったく」知らなかったのです。
「そういう学説がある」という情報さえ耳にしたことがなかったですので、天文学などに詳しい人以外は、「パンスペルミア」という言葉自体も知らないでしょうし、学校などでも今でも教えられていないような気がします。(そういえば、小学校や中学校では、生命の起源ってどのように教えられているのですかね)
テレビでも普通に語られることはなさそうですし、一般のメディアでも見聞きすることはほとんどないことでした。となりますと、私のように、勉強をしてこなかった普通の人間の、普通の生活では、それらすべてを「知らないまま」で生きて、あるいはそのまま死んでいくという場合が多いと思います。
ちなみにこれは、「宇宙から生命が来た」ということが正しいか正しくないか、ということが重要なのではなく、
「情報として社会から追い出されて、埋もれている」
ことが問題で、これは戦時中の日本の大本営発表と同じことになっているといっていいのかもしれません。
大本営発表というのは、
- A という出来事があった
- B という出来事があった
- C という出来事があった
という場合に、本来なら、A、B、Cすべてを報道するべきなのですが、BとCが発表するには都合が悪い場合、
「Aだけを発表する」
という報道体制でしたが、現代社会の情報についても同じことになっているように思います。
- A という情報
- B という情報
- C という情報
の中で、たとえば、「A以外は表沙汰にしない」ということです。
それが現れているのが、たとえば、先ほど名前を挙げさせていただいたような、安保徹さんとか、あるいは今回著作をご紹介した夏井医師の主張などは、10年前、20年前から主張されているのに、私はそれを自分の病気などの中で偶然知っただけで、それまではまったく知らなかったのです。
現在でも、それらはインターネット上で、「探せば何とか見つかる」くらいの確率でしか情報に行き当たることができないのです。
そういえば、どうして夏井医師の著作を知ったかといいますと、1ヵ月ほど前、包丁で指を切りまして、深く切ってしまったせいで、30分くらいしても血が止まらなかったのです。
それで、ネットでいろいろと止血法を検索していまして(止血で参考になったのはこちらのページでした)、その際に、何かの偶然で夏井医師の新しい創傷治療というサイトにたどり着いたのでした。
つまり、「もし、あの時、包丁で指を切っていなければ、この真実の創傷治療について知らないで生き続けることになっていた」はずで、そういう意味では、指を切ったことも大きな意味があったわけですけれど、それくらい「情報」にたどり着きにくいということが言えそうです。
真実の情報を知るには「大変な出血をするしかない」というのが今の世の中です。
話が混乱してきましたが、先ほどの夏井医師の語る、
「パラダイムシフトは素人により起きる」
ということは、真実の情報、あるいは真実に近い情報を偶然であろうと何であろうと、手にした私たち「素人」は、そういう情報に基づいた生活を送ることを淡々と実践していき、「自分の中だけでも日常の革命を起こす」ということを心がけたいと思った次第です。
そういえば、過去記事を探してした時に「2015年という年 : 7万年前と4万1千年前に絶滅しそうになったけれど「絶滅しなかった」現世人類である私たちのこれからの心の準備」というタイトルの記事がありまして、この中に、
今日は、奥さんが花粉症の薬をもらいに耳鼻科に行くというので、奥さんに付き添ってもらって、私もその耳鼻科に行きました。
という下りがありまして、思えば、これから病院に行っていません。
記事は 2015年3月2日のものですので、1年ちょっとになるのですね。
まあ、病院に行くとか行かないとかに関してはケースバイケースで、行った方がいい場合はもちろん多くあると思いますが、「行くほどのことでもない時にはなるべく行かない」のが、やはりいいのではないかと今でも思います。
昔は何かというと病院に行って、何かというと薬をたくさん飲むタイプの人だったのですけれど、それに関しては変わりました。
おかげで体の調子が悪くて悪くて(ダメじゃん)。
何を書こうとして書き始めたのかもわからなくなりましたが、
「パラダイムシフトは誰か他人がなしてくれるものなのではなく、私たち自身から始まる」
ということを忘れずにいたいです。
どれだけ立派な専門家や政治家や宗教家であろうと、そういう人たちにはパラダイムシフトは起こせないのです。何でもない私たち個人にしか起こせないのです。
そして、パラダイムシフトが及ぶ範囲は当然、医療や科学だけではなく「すべて」なのだと思っています。
「パラダイムシフト」は専門家や指導者たちによってなされるのではなく、私たち一般人ひとりひとりからしか起こり得ないことを改めて強く思い
2016/04/10
街の弁護士日記「TPPのISD条項と子宮頸ガンワクチン問題」で、子宮頸癌ワクチンによる副作用を受けた少女達が、提訴する事になったという事を元に、TPPのISD条項の恐ろしさを詳しく説き明かしてくださっている。
日本の裁判所では、最高裁判所昭和50年10月24日判決を下に、
「訴訟上の因果関係の立証は、一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、通常人が疑を差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつ、それで足りるものである。」
となっている。
しかし、TPPが発効したら、日本の最高裁で製薬会社が有罪となったとしても、
子宮頸癌ワクチンに副作用があると証明されたわけではない、という事になる可能性が高いのだそうである。
厚労省が子宮頸癌ワクチンに付いて生徒達に、
「副作用があるかもしれないから、副作用の危険性とワクチンの効用とに付いて、充分考えてから接種を受け入れるかどうか決めなさい」等と、生徒に言ったりしたら、
積極勧奨の差し控えが、間接収用や、国際慣習法上の最低限待遇義務と呼ばれるものに違反するか否か、仲裁廷がいかなる判断をするかを想定しながら、暫定救済の申立に対して判断を下すことを強いられることになる。
という事になる恐れがあるのだそうである。
又日本の裁判所でワクチンメーカーに損害賠償を命じる判決が出たとしても、
国際法上云々という事で、被害者は救済されないだろうとのことである。
誰が見ても子宮頸癌ワクチンの副作用と思われるような被害であっても、
それをあらゆる角度から検証し、反論の余地がないほど証明しなかったら、副作用被害は認めないという商習慣の下、副作用被害はない事にされてしまうだろう。
政治力を駆使した製薬会社からの圧力で、政府や地方自治体が、
危険なワクチン接種を生徒に受けさせることを決めてしまったら最後、
どんな酷い副作用が多発しても、
ワクチン接種させる前に、ワクチンの危険性を絶対生徒に言ってはならないなど、犯罪的でさえある。
しかし、TPPが発効したらISD条項の下、政府も国民もどんなに酷い薬害があっても、
文句一つ言えなくなって終うかも知れないのである。
それがいやだったら、業者が儲けたかもしれない金額を、
政府は税金から業者に支払えと、仲裁廷で裁定される可能性が非常に高い。
仲裁廷で判決を下すのは、(日頃企業を得意客としている)弁護士が裁判官となる決まりなのだから、
殆どの場合、企業利益が最優先される事は想像に難くないだろう。
「TPPのISD条項と子宮頸ガンワクチン問題」
子宮頸ガンワチンの副作用に苦しむ少女たちが提訴することを決意したことが報道されている。
裁判に立ち上がった当事者と家族の勇気に心から敬意を表したい。
またこれと連帯して困難な闘いに立ち上がることを決めた弁護団を支持する。「私たちはデータじゃない、1人の人間です」
そう、これは薬害に蹂躙された被害者の人間の尊厳を回復するための裁判に他ならない。接種と症状の因果関係に関する記者からの質問に対して、弁護団は、訴訟上の因果関係としてはすでに十分であると理解していると、回答した。
最高裁は訴訟上の因果関係について次のように述べており、弁護団は、高度の蓋然性の要件はすでに十分に充たされているとしたのだ。「訴訟上の因果関係の立証は、一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、通常人が疑を差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつ、それで足りるものである。」
(最高裁判所昭和50年10月24日判決)TPPは、人間の被害とその救済、人間の尊厳とその回復という日本国憲法下における裁判の論理を逆転させる。
TPPの下では、こうした事件は、国際的経済主体の経済活動とその阻害の問題として把握される。
TPPの投資章に基づき、被告製薬会社側の立場からこの問題を見ると、その醜悪な世界観が理解してもらえるのではないだろうか。=====================================
TPPのISD条項が保護の対象とする『投資』には、
「収益及び利得の期待」
が含まれる(9章第1条)。
『合理的』な期待利益の保護こそ、TPPの投資章(第9章)の根本精神である。子宮頸ガンワクチン、「サーバリックス」のメーカーはグラクソ・スミスクライン社(GSK社)、「ガーダシル」のメーカーは、MSD社であり親会社はメルク社である。
前者の本拠は英国、後者はドイツとされるが、いずれも米国法人が存在し、「TPPのための米国企業連合」の有力メンバーとなっている。子宮頸ガンワクチンの定期接種は小学校6年生から高校1年生に相当する年齢の女子とされている(予防接種法施行令1条の3)。
おおざっぱに人数を概算すれば300万人弱が定期接種の対象となる。
ワクチンは1人分5万円ほどとされている。
子宮頸ガンワクチンの対象年齢の市場規模は、ざっくり1500億円である。そして、少子化を踏まえても年々約50万人が新たに定期接種の対象者となる。
したがって、定期接種によって、メーカーには年々約250億円の安定収入が見込まれた。副作用被害者らの粘り強い訴えを受け、2013年6月、厚労省は、いったん開始していた定期接種の対象者への周知(予防接種法施行令6条・「積極的勧奨」)を差し控えるに至った。
子宮頸ガンワクチンメーカーであり、「TPPのための米国企業連合」の有力メンバーである2社には、積極的勧奨が差し控えられた結果、すでに推定2000億円規模の売上が阻害され、今後も毎年250億円の収益が阻害される状態となっている。
「期待利益」こそ、TPP投資章の保護の要である。
TPPの投資章・ISD条項の関係で主として問題となるのは「収用」と、国際慣習法上、投資家に与えるべき待遇義務違反である。期待利益を深刻に阻害し、収用と同等程度に至った場合、間接収用に該当する(付属文書9-B第2項)。
間接収用に該当するかどうかは、
①政府の行為が与えた経済的な影響の程度、
②投資に基づく合理的な期待を害する程度、
③政府の行為の性質
を総合的に考慮して判断するものとされているが(付属文書9-B第3項((ⅰ)、(ⅱ)、(ⅲ))、
①ワクチンメーカーが政府の行為によって受けた経済的な影響は甚大であり、②同メーカーの合理的な期待を著しく侵害していることも明らかであるから、投資章の根本精神に従う限り、③たとえ厚労省の積極的勧奨の差し控えが生命・健康保護目的であったとしても、間接収用に該当すると判断されることは確実である。収用に該当する場合、政府は、遅滞なく、公正な市場価格による補償をしなければならない。市場価格には将来得られるべき利益を含む。将来利益はキャッシュフロー方式によって算定される。
補償が直ちに行われない場合、収用が行われた2013年6月から商業的に妥当な利子(年5%から6%とされることが多いようである)を付加して補償しなければならない(第9章8条3項)。また、政府は、外国投資家に対して国際慣習法による待遇を与える義務を負っており、同義務には「公正で衡平な待遇並びに十分な保護及び保障を与える義務」が含まれている(第9章6条1項)。
この義務には、「外国投資家の利益に対する慎重な配慮」、「外国投資家の合理的な期待の保護」が含まれると一般に理解されている。
遅くとも、2013年4月に厚労省が子宮頸ガンワクチンの定期接種に踏み切った段階では、ワクチンメーカーは「合理的な期待」を形成している。
厚労省の積極勧奨の差し控えは、この「合理的な期待」を根底から侵害するものであって、「外国投資家の利益に対する慎重な配慮」にも欠けているものであるから、「公正で衡平な待遇並びに十分な保護及び保障を与える義務」に違反している。TPPの第9章16条は、「投資及び環境、健康その他の規制上の目的」と題して、次の規定を置いている。
この章のいかなる規定も、締約国が自国の領域内の投資活動が環境、健康その他の規制上の目的に配慮した方法で行われることを確保するために適当と認める措置(この章の規定に適合するものに限る)を採用し、維持し、又は強制することを妨げるものと解してはならない。
この規定は、一見、締約国が環境、健康等公共の福祉のためになす規制を認める規定のようにみえるかもしれないが、そうではない。
otherwise consistent with this chapter(その他の点ではこの章の規定に合致する)場合に、規制を認めるというのである。
日本政府は論理的な解釈が不可能に近いotherwiseを「(この章の規定に適合するものに限る)」と強調の意味に解釈して仮訳しているが、
要するに、この規定は、環境、健康のための規制であっても、この章に適合すること、すなわち、間接収用に該当せず、国際慣習法上の義務にも違反しない等投資章の全ての規定に違反しない限りにおいて、締約国は、環境、健康のための規制を行うことができるとしているに過ぎず、全く無意味な規定である。
むしろ、公共の福祉目的であっても、投資章の義務の遵守を強く求める規定であるから、公共の福祉名義でみだりに規制を行うことを戒める規定であると考えてもよい。間接収用については、次の規定もある。
「公共の福祉に係る正当な目的(公衆の衛生、公共の安全及び環境等)を保護するために立案され、及び適用される締約国による差別的でない規制措置は、極めて限られた場合を除くほか、間接的な収用を構成しない」(付属書9-B第3(b))
確かに、「極めて限られた場合を除くほか、間接的な収用を構成しない」との規定には、むやみに間接収用を認めることに対する牽制としての効果は期待できるだろうが、「極めて限られた場合」との概念は、極めて曖昧である。
国際経済活動に対する制限については、それが国民の健康の保護を目的とするとしても、科学的な十分な証拠を要するとするのが、国際経済法の基本ルールである。
十分な科学的証拠がない状態における国際経済活動の自由の制限は、十分な科学的な証拠(前記した最高裁判決とは異なり、この場合は、厳密な科学的証明に匹敵するものが求められる)を収集するための暫定的な期間のみ認められる。
積極的勧奨が差し控えられてからすでに3年近くが経とうしており、予防的なアプローチによる差し控えとしても十分な期間が経過しているにも拘わらず、十分な科学的証拠なしに積極勧奨を差し控える措置を維持しているのは、「極めて限られた場合」に該当するとの主張が十分に可能である。
また、子宮頸ガンワクチンの積極勧奨の再開については、専門家の団体である日本産婦人科学会が強く求めているばかりでなく、WHO(世界保健機関)も、積極勧奨を差し控える日本政府の対応を名指しで非難している。
こうした中立的で権威ある機関の見解にも反する積極勧奨の差し控え措置は、たとえ健康目的の制限であっても「極めて限られた場合」に該当し、厚労省の決定は間接収用に該当するとの主張には多分、説得力が認められるだろう。TPPが発効すれば、これらの理由により、ワクチンメーカーは、日本政府をISD仲裁に付託することが可能である。
海外仲裁で違法判定を受け、巨額の賠償を命じられるリスクを冒してまで、厚労省がいったん開始した定期接種に関する積極的勧奨の差し控えを続けることができるか、極めて疑問である。===============================
以上は、積極勧奨の差し控え措置自体に着目した議論であるが、被害者からワクチンメーカーに対する裁判については、次のような問題も生じる。
裁判もISDの対象となるので、仮に、被害者がワクチンメーカーに対する賠償判決を勝ち取り、これが最高裁で確定しても、GSK社とMSD社は、賠償を命じた最高裁判決によって損害を被ったとして、日本政府を相手取って、最高裁判決をISD仲裁に付託することができる。
TPPが発効すれば、外資を相手取った裁判では、常に第4審類似の審級が存在することになる。
とくに、被害者救済の観点から、厳密な意味での科学的な証明でなくとも、賠償を命じることができるとする国内判例の論理は、ISD仲裁で大いに問題になりうる。
十分な科学的証拠もなく国際経済活動を制限することにつながるからである。
TPPが発効すれば、国内裁判所もISDで日本政府がどのように裁かれるかを想定して判決せざるを得ないという事態が生じる(国内裁判所の屈服)。まだ、ある。
ISDの仲裁廷は、賠償のみでなく、場合によっては保全措置を執ることが認められている。仲裁廷は、一方の紛争当事者の権利を保全し、又は当該仲裁廷の管轄権を十分に実効的なものとすることを確保するため、暫定的な保全措置を命ずることができる。(9章23条9項)
したがって、ワクチンメーカーに対する賠償判決がISD仲裁に付され、ワクチンメーカーが賠償判決の執行の停止を求めた場合、仲裁廷は日本政府に対して、暫定的な保全措置として、当該判決の執行の停止を命じることが可能である。
行政権の主宰者である政府に対して、司法権の執行の停止を命じるのは明確に三権分立原則に違反するが、ISD条項は、外国投資家を国家と対等の法主体として認め、国家を単一の権利義務主体として措定するものであるから、権力分立原理は、仲裁廷が執行停止を命じることを否定する論拠とはならない。======================================
加えて仮に厚労省の積極勧奨の差し控えがTPP発効後に行われた場合を仮定してみると、さらに問題があることがわかる。
この場合、前記した暫定的な保全措置は、積極勧奨の差し控え自体を停止させることを命じることができる(積極勧奨の復活)。
また、最終的な仲裁において原状回復を命じることもできるとされているので、最終的な仲裁によって積極勧奨の差し控え処分を取り消すことも可能である(9章29条1項(b)「原状回復。この場合の裁定においては、被申立人が原状回復に代えて損害賠償金及び適当な利子を支払うことができることを定めるものとする」)。
また、こうした仲裁申立とともに、保全措置を国内裁判所に申し立てることもできる。
「被申立人の司法裁判所又は行政裁判所において、暫定的な差止による救済(損害の賠償を伴わないものに限る)の申立を行い、又は当該申立に係る手続を継続することができる。ただし、当該申立が、仲裁が継続している間、当該申立人又は当該企業の権利及び利益を保全するこのみを目的とするものである場合に限る。」(第9章21条3項)
つまり、積極勧奨の差し控えをISDで争うワクチンメーカーは、ISDに付託して積極勧奨の違法性を争うとともに、暫定的な救済を求めて、積極干渉の差し控えを取り消すように国内裁判所に申し立てることができる。
この場合、積極勧奨の差し控えが国際法上、違法か否か関する判断は、もっぱらその件限りで構成される仲裁廷の権限に属し、国内裁判所は、判断権限を有さない。
にも拘わらず、国内裁判所は、いわば仲裁廷の道具として、積極勧奨の差し控えが、間接収用や、国際慣習法上の最低限待遇義務と呼ばれるものに違反するか否か、仲裁廷がいかなる判断をするかを想定しながら、暫定救済の申立に対して判断を下すことを強いられることになる。この9章21条3項に関しては、明らかに特別な訴訟手続法の整備が必要であるが、今般政府が提出したTPP関連一括法の中には存在していない。
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不本意ながら、甚だ、むつかしくなった。
走り書き的な覚え書きである。
少なくとも、TPPのISD条項が国内法秩序に重大な影響を及ぼすことだけは理解してもらえるのではないだろうか。政府が濫訴防止措置として主張するであろう、先決問題の先行処理、手続の公開(但し、秘匿情報に対する歯止めはない)、懲罰的賠償の禁止等々の大半は既知のものであり、子宮頸ガンワクチンの副作用に関係する、上記のような各種のISD手続を防ぐことはできない。
TPPの観点からは、厚労省の積極勧奨の差し控えをめぐるこうした手続は、ISDの本旨に沿うものだからである。
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