いわゆる一気に鉄板で何匹も焼くたいやきではなく、
一匹ずつ直火で焼き上げていく一丁焼の鯛焼きは、東京ではとにかく人気。
関西ではそれほど馴染みがないのですが、
御三家と呼ばれる浪花家総本店、柳 屋、わかばという有名店がある。
その中で、麻布十番にある浪花家総本店には暖簾分けした店が多い。
浅草にもありますし、大阪にもありますし、鎌倉にも新たにできたりと、
まさに江戸で愛でられている鯛焼きの普及に一役買っているのです。
そんな折、偶然にも、四谷のわかばから分かれたお店の存在を知ったのです。
それも雪国の山形に暖簾分けしたわかばがあると聞き、
今回久しぶりに山形に参りまして、早速お邪魔してきました。
七日町の中心街から住宅街へと歩いていきまして、
目の前の公園は雪が積もって真っ白なのですが、
こんなところに、鯛焼き専門店のわかばがありまして、何だか不思議な気分。
都内ではあまり雪が積もりませんので、雪の中で鯛焼きを食べるというのが初体験。
いやあ、寒い中でアツアツの鯛焼きを齧ることができるなんて、ある意味とっても幸せ。
手指が悴むほどの寒さではありませんでしたが、これがたまりません!
早速、店内に入りまして、焼きあがって来る鯛焼きを待ちます。
一匹、一匹重たい鉄の型でじっくりと焼き上げる一丁焼きで、
ポロンと飛び出した鯛焼きの縁の部分をハサミで切り落として、
そのまま受け取って食べるのが、やっぱり一番のオススメ。
もちろん、ちょっと冷めてからも楽しみたいので、
数個を別にして包んでもらうのですが、別に1匹はその場ですぐ頂く。
四谷のわかばならば、店内で食べるスペースがありますので、そこで食べちゃいますが、
せっかく雪がある北国に来たわけですから・・・・ということで、
店を後にして、すぐに店先で雪景色を見つめながら、パクッと!
ちょっと尻尾からはみ出したあんこが、これまたパリパリに焼けていてラッキー。
そして、鯛焼きの皮も、カリッとしていて、二つに割ってみますと、
あんこから湯気が立ち、アツアツ!の美味しさを楽しめる。
ふわりと小豆の香りが立ち上がり、脳内を刺激してくれる。
あ~あ、寒いところでアツアツを頂くという最高の幸せです。
こればかりは、都内で味わうよりも、絶対に美味しい環境のような気がします。
さて、いつ頃に本家わかばさんより暖簾分けしたのかとお聞きすれば、
もう半世紀以上にもなるそうで、聞けば、富山にもあるそうな。
よし、今度は富山のわかばにもお邪魔せねばなりませんな。
なお、字体が同じですし、包装紙も同じで、どこを見ても一緒。
そして、鯛焼きの尻尾のところをよく見れば、そこには「わかば」の文字。
これぞ一丁焼きの『名代たいやき』を受け継ぐ、何よりの証でございます。
いやはや、格別なうまさ、ごちそうさまでした!
名代たいやき 1 個 税込150円
◆ 本 店/ 山形県山形市緑町4-7-11 TEL: 023-642-1142
◇ 販売店/ 本店のみ
※ 本家わかば同様に、団子も製造していますが、冬季はお休みしています。
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