ふと気づきましたのは、バレンタインを間近に控えて、
両口屋是清の干菓子『二人幸』(しあわせ)がリニューアルしていることに気付く。
いつもは紅白であったり、カラフルなハートの形の和三盆の打菓子だったのですが、
細長い箱から正方形の箱に代わって、どんな配置になったのかと思ったら、
その中央には鮮やかな緑色のハートを射抜く矢が打たれていて、
その周りを交互に紅白のハート型の和三盆を配していて、
さらに外側をココア味の丸い和三盆が取り囲んでいる配置で、これがなかなか素敵。
従来のただハートがいっぱいあって可愛いというところから脱却して、
ちょっと組合せを変えるだけでも、干菓子は印象を変えてくるところが面白いのです。
カリッと噛んで砕けば、あとは白浜の砂のように溶けていく和三盆。
その口どけの良さを知れば、干菓子の虜になってしまう方も多いでしょう。
でも、それだけではなく、干菓子は同じ形であっても、
箱の中に納まっている配置ひとつで、全く違う印象を与えるジャンルです。
言えば、作っただけでは終わらない、その先のセンスが問われているような気もするのです。
いつものように売場に並んでいるお菓子をグルグルと見ておりましたら、
ふと目に飛び込んできたんですよね、いやあ、素直に可愛いと思います。
バレンタインなので、ハートという分かりやすいところではあります。
またチョコレートということで、ココア和三盆であることも想定内ですが、
その中心に、鮮やかな 緑色の存在は大きいのです。
パッと目を引き、干菓子全体としても非常に大きな意味を持ちます。
『鶯 餅』(写真上)と『黒糖椿餅』(写真下)
ってなわけで、ちょっと気になって買ってしまったのです。
そのついでに、やっぱり生菓子もチェックしたくなるわけで、
1月の終わりは、代表的な餅菓子が二つ同時に登場しますので、見逃せない。
まずは、早春に登場する『鶯 餅』のキレイな緑色。
ぷにぷにとした柔らかい餅生地に粒あんを包み、
楕円形に整えて、その両端を軽く指でつまんでいるのですが、
これがウグイスの形にも似ており、その色合いも似ていることから、
まだ来ぬ春を待ちわびるようにして、早々と登場してくるのです。
これに対し、深緑色の椿の葉が印象的な厳寒の『椿 餅』なのですが、
両口屋是清 では1月下旬と2月上旬で、別々に2種類の『椿 餅』が登場します。
両口屋是清の公式HPより
まず、1月には餅がやや茶色く染まっていて、これは黒糖が加えられていて、
珍しく粒あんを包んだ道明寺のお餅になっていて、上下を椿の葉で挟んでいます。
これは虎 屋でも同じようなタイプの『椿 餅』が登場しまして、
「源氏物語」などにも登場する最古の餅菓子と言われる姿なのかも?とも思わせる風合いがあります。
一方で、2月になりますと、逆に緑と白のコントラストが実に美しい、
真っ白な羽二重餅でみずみずしいこしあんを包み、ふんわりと仕上げているのです。
全く構成が違いますが、こちらは逆にあの川口屋や芳 光などが得意としているタイプ。
歴史探訪の『椿 餅』(黒砂糖入り)とご当地名古屋の『椿 餅』の両方が楽しめ、
他にはあまりないかなあと思いますので、ぜひ両方味わってみては?
二人幸 1箱 税込810円
椿 餅・鶯 餅 1個 税込314円~
◆ 八事店/ 愛知県名古屋市天白区八事天道302 TEL: 052-834-6161
◇ 販売店/ 名古屋市内直営店、髙島屋・三越・松坂屋・阪急各店 他
※ 『二人幸』は1月下旬から2月中旬まで製造販売しているバレンタインの干菓子です。
※ 『鶯 餅』と『椿 餅』(黒砂糖入)は1月16日から31日まで販売です。
※ 百貨店によっては生菓子の販売がない場合があります。
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