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政党助成金ー福祉予算削りながら13年間 4080億円ー

2007-12-31 01:04:29 | 国内政治
政党助成 13年間 4080億円
福祉予算削りながら
自公民 使途全面公開棚上げ

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 赤ちゃんからお年寄りまで国民一人二百五十円の税金が充てられる政党助成金の二〇〇七年の最終分(七十九億七千八百万円)が、自民、民主、公明、社民、国民新、新党日本の各党に交付されました(二十日)。この結果、一九九五年の制度実施から十三年間の支給総額は四千八十億円に達しました。「財政再建」の名で国民に負担増・福祉切り捨てを押し付けながら、日本共産党以外の政党が労せず税金を山分けしています。


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 自民、民主、公明、社民などの賛成で二十一日に成立した「改正」政治資金規正法。国民の税金を原資としている政党助成金の使途を全面公開するのは当然なのに、今回の「改正」では、全面公開の対象から除外されました。実務担当者の協議では賛成したのに、土壇場で自民党が先送りしたのです。マスメディアも「本来ならば真っ先に公開されてしかるべきだ」(山陽新聞七日付社説)、「改善すべきことが残っている」(東奥日報、同)と問題にしています。

 一方、二十四日に閣議決定された〇八年度予算案では、今年と同じ三百十九億四千万円が計上されました。

 政府は、ひとり親家庭に支給される生活保護費の母子加算(十五歳以下)を今年度から〇九年度にかけて廃止しようとしていますが、その削減額は今年度で約五十億円。公明党が今年受け取った政党助成金二十八億六百万円の一・七倍にすぎません。母子加算削減は三年間では百八十億円が見込まれます。政党助成金の一部を回せば廃止しなくて済みます。

 小泉内閣は〇四年度から三年かけて生活保護の老齢加算を廃止し、生活保護を受けている高齢者から総額三百七十億円(三年間)の収入を奪いました。三百十九億円にのぼる政党助成金をやめれば、老齢加算の復活も可能になります。

 政党助成金は、いったん政党に渡れば、あとは何に使おうと勝手放題の“つかみ金”です。今月七日には、自民党の武部勤元幹事長の二男が経営する会社に対し、同党本部が受け取っていた政党助成金から翻訳料として三十万円が支払われていたことが明らかになりました。

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 政党助成金 1994年の「政治改革」関連法で小選挙区制とセットで導入。受け取りを請求した政党に、国政選挙の議席数と得票数に応じて年4回(4月、7月、10月、12月)に分けて配られます。日本共産党は、支持してもいない政党に事実上の献金を強制する仕組みで思想・信条の自由を定めた憲法の趣旨に反するとして、政党助成金制度の廃止を一貫して主張し、制度導入以来受け取りを拒否しています。

(出所:日本共産党HP 2007年12月30日(日)「しんぶん赤旗」)
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雇用者三千三百四十万人の賃金を月一万円引き上げるには、内部留保の2・3%を取り崩すだけで可能

2007-12-30 04:40:38 | 国内政治
1万円の賃上げ可能
大企業内部留保の2.3%分
全労連・労働総研 『国民春闘白書』

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 史上最高の利益をあげる大企業(資本金十億円以上)の内部留保(ため込み金)のわずか2・3%を取り崩すだけでも、労働者に月額一万円の賃上げができる―。全労連と労働総研(労働運動総合研究所)がまとめた『08国民春闘白書』で、こんな実態が明らかになりました。白書は、貧困と格差拡大が社会問題となるなか「大企業に社会的責任を果たさせることが重要」とのべています。

 内部留保は、税制上の優遇措置などを使って、剰余金や積立金などさまざまな名目でため込んでいる利益のこと。白書によると、資本金十億円以上(金融・保険をのぞく)の五千七百二十四社の内部留保は約二百十八兆円(二〇〇六年度)。九五年度から一・七倍も増やしています。

 企業グループでみると内部留保(連結)が一番多いのはトヨタで十三兆一千二百七十三億円。本田技研、東京電力、松下電器と続いています。

 トヨタは〇五年から〇七年にかけて内部留保を27%も伸ばす一方で、一人あたりの人件費(トヨタ単独ベース)は1・5%の減少。人件費を抑制して内部留保を増大させています。

 内部留保について日本経団連は経営労働政策委員会報告で言及。「ある程度の厚み」が必要だと弁明していますが、異常なため込みぶりは隠せません。

 白書では、全国の雇用者三千三百四十万人の賃金を月一万円(年十五万円)引き上げるには、内部留保の2・3%を取り崩すだけで可能と指摘。月一万円引き上げると消費購買力が増え、国内生産を六兆二千五百六十一億円拡大し、GDP(国内総生産)を1・14%引き上げる効果があると試算しています。

 「賃金引き上げによる国民の消費購買力の引き上げが中小企業・地場産業に波及し、日本経済の国民本位の再建につながる」と強調しています。

(出所:日本共産党HP 2007年12月29日(土)「しんぶん赤旗」)
コメント (7)
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右翼、左翼、中立ー安全保障の面ー

2007-12-30 00:09:29 | 国際政治
非武装・中立、非同盟・中立
 
とか、永世中立国とかありますね。安全保障の面では左翼は旧ソ連・社会主義陣営、右翼はアメリカ資本主義陣営、非武装・中立、非同盟・中立は日本国憲法。というのが常識でしたか?

 あと、反動、保守、革新っていう分け方もありますね。

[2007/12/27 08:16] URL | 東西南北

東西南北さんへ

中立国って言うのは分類の難しい所なんです。
なにせ実質的かつ有名な中立国は重武装中立国のスイスとスウェーデンだったりするわけです。

スイスはどちらかと言えば右翼になりますね。
スイス政府発行でスイスの全家庭に配布された「民間防衛」の和訳を読みましたが、強烈な反共、反左翼な内容です。

全体主義の侵略者は、平和とか武装放棄といった甘言でわれわれを騙して侵略しようとして来る。
「核武装反対、それはスイスにふさわしくない」「軍事費を年金に回し税金を下げるために回せ」「平和擁護団体による平和、平和を!」などと言ったスローガンに騙されるな、と言う話が書いてあり
後半の方は「全体主義国が社会進歩党のような組織を使い、世界平和というようなスローガンでわれわれの自由を奪うために侵略してくる、それに備えろ」と言う話がなかばストーリー調に書かれています。

最後は敵に占領された場合のレジスタンスと再解放闘争の方法まで載っています。

この本は冷戦の終結と共に実効的な役目を終えたそうですが、欧州から共産色が消えたら役目を終えると言う辺りにも強烈な意思を感じます。

[2007/12/27 20:25] URL | にょき

にょきさんへ
 
スイスの永世中立国ってのは、国連にも加盟してなかったですもん(笑)今は、国連に加盟していますね。たしかに、中立国というのは戦争当事国に対しては、どちらの側にも立たないで軍事的な支援はしないという意味であり、非武装・中立に限定できないです。しかし、戦争当事国へ軍事的な支援をしないという点は中立の条件だと思います。なお、ここで軍事的というのは「常備軍」による軍事支援のことです。コスタリカは「常備軍」を廃止しておりますね。しかも、排他的な軍事同盟は締結しておりません。

 スイスについても国連へ加盟して以来、日本国憲法9条のような憲法を制定し、非武装・非軍事同盟・中立へ進んでいこうという国民投票が実施されましたが、未だ僅差で武装・中立の国ですが、国連へ加盟し、ソ連・社会主義が崩壊した現在、非武装・中立の国へ進んでいく方向です。

 要は、中立というのは非軍事同盟だということで、必ずしも非武装ではないということであり、国際的には非同盟諸国運動が中立運動を代表してるんでしょうね。日本国も非軍事同盟の中立を進んでいくなら、日本国憲法を改定せず、非同盟・中立運動へ積極的に加盟しながら、非武装を目指して努力していくことが中立の平和運動となるのではないでしょうか?

[2007/12/27 22:37] URL | 東西南北

視点は色々あるわけですが・・・

中立とは、国が軍事紛争に関与しないことをいいます。
また国際法上で、義務には戦争不参加や自衛があり、権利としては自国領土の不可侵があります。
(スイス政府広報引用)

不干渉であると共に、自国の中立が犯された時に実力で排除(自衛)する義務もあるようです。
(実際に第二次世界大戦時のスイス軍の戦いは凄まじい物でした。)

スイスに関しては、広報を見ると「軍縮と共にプロフェッショナル性が向上した戦闘部隊を作る」のが目標、かつ国連加盟の前の国民投票で「国連平和維持活動への部隊派遣・武装や外国部隊との共同訓練」を承認、改めて海外派兵への法的根拠を付けた上で国連に加盟しています。
非武装中立はちょっと無さそうです。
(無論中立なので武力紛争には介入せず、紛争停止後の平和維持軍への参加が主な目的ですけど。)

コスタリカは、国境警備隊が隣国の初期侵攻を留める能力がある所と徴兵制による集団的自衛権を維持している所が注意点です。
また特別条項付き米州相互援助条約で「アメリカは助けてくれるけどコスタリカは海外派兵しなくてよい」という変形の同盟関係も結んでいます。
海上保安庁という名から日本ではピンと来ませんが、警察組織に含まれる国境警備隊や沿岸警備隊(海上保安庁に該当)は、軍隊で言う一般歩兵並みの、警察の機動隊以上の武装するのが普通なんで、コスタリカの警備隊もそれなりの武力を保持しています。
(実際的に、山賊や海賊に対抗するにはそのくらい武器を持たないと無理ですし。)

[2007/12/28 02:42] URL | にょき

事実関係を確認しておけば、以下です。ここでは世界の安全保障面における左翼、右翼、中道・中立についての規定ですね。

 まず、西側・資本主義陣営はアメリカ政府を盟主とする軍事同盟であり、右翼、東側・社会主義陣営は旧ソ連・社会主義陣営は旧ソ連を盟主とする軍事同盟であり、左翼、非軍事同盟・中立諸国の政府は中道・中立、という事実関係でした。今現在は、旧ソ連が崩壊し、社会主義陣営の軍事同盟も崩壊し、アメリカ政府を盟主とする軍事同盟だけが存在しています。日米安全条約はアメリカ政府と日本政府の軍事同盟であり、日本政府は右翼です。

 ですから、日本国が中道・中立の道へ進んでいくなら、非軍事同盟・中立の運動へ加盟・参加していく方向であり、右翼の道へ進んでいくならアメリカ政府との日米軍事同盟を拡大・強化であり、左翼の道へ進んでいくなら今現在、社会主義政府と自画自賛している中国政府との軍事同盟への道となります。

 中国との軍事同盟は旧ソ連陣営へ加盟することの焼き直しとなるので、あまり問題にはなっていない情勢です。となれば、現在の安全保障面における日本国の進路で問題となるのは、右翼の道か、非軍事同盟・中立の道か、の選択なのであり、要するに、日米軍事同盟を拡大・強化する態度か、日本国憲法を堅持し日米軍事同盟を縮小・解消していく態度かが右翼である自民党・公明党政府から主権者である日本国民へ突きつけられているわけです。日米同盟再編での岩国、辺野古、横須賀、座間、グアムなどの基地移転問題。MD導入、研究・開発・製造問題。各種有事法制問題。イラク戦争。アフガン戦争問題。各地で発生する米軍基地被害問題。主権者国民が安全保障の問題でどのような態度をとるのか?その態度は右翼か、中立・中道か?日米安保体制か?日本国憲法体制か?旧ソ連・社会主義陣営である左翼が崩壊した今、問題となっているのは左翼・革新・社会主義VS右翼・反動・資本主義ではなく、保守中道・中立の日本国憲法体制VS右翼・反動・資本主義・アメリカ軍事同盟体制でしょう。

 コスタリカ。常備軍は持たない。憲法で軍隊を持たないと規定せず、憲法12条により非武装。英国国際戦略研究所の発行する世界の軍事情報年鑑である「ミリタリーバランス」で、コスタリカは軍隊を保持しない国と規定されている。しかし、準軍隊は保持している。準軍隊は、平時には外国軍隊に対する戦争任務はない。有事には軍隊の管轄に入るものを言う。準軍隊は7500人である。準軍隊は日本でいうと海上保安庁に当たる。海上保安庁は有事の際には、海上自衛隊の管轄に入る場合があるが、警察は軍隊でも準軍隊でもない。なお、コスタリカの準軍隊の装備は日本の海上保安庁に及ばない水準です。

 日本国が日米安保拡大・強化の右翼の道ではなく、非軍事同盟・中立の日本国憲法完全実施の道へ進むならば、コスタリカは軍備縮小の参考になるといえるわけです。

スイスの非武装・中立への運動。
 
 平和活動家の集まりである「軍隊のないスイスをめざすグループ」は、89年と01年の2度にわたりイニシアチブに必要な10万人以上の署名を集め、「スイス連邦軍全廃」の提案を行なった。これは、「国民皆兵」という現行憲法改正を伴う提案であったが、国民投票において二度とも多数を獲得することができなかった。スイス国民の多くは「日本国憲法9条」の精神と合致する「軍の全廃」という道を選択しなかった。ただし、賛否両派のキャンペーン期間中、国民は「戦争・平和・防衛」について、じっくりと考え、話し合う機会を得ることになった。このことの意義は大きい。

「軍隊のないスイス運動」は、スイスで行われている国民投票を活用して、軍隊廃止をめざして国民投票に持ち込んだ。結果は約三〇%の投票を得たが、過半数を取ることはできなかった。しかし、国民投票が行われたことで、軍隊について、戦争と平和について活発な議論が行われ、その後のスイス平和運動の発展につながった。スイスでは、軍隊の戦闘機購入に対する批判が強まり、国民投票が行われたこともあるという。

参考:http://peace.cside.to/blog/archives/2005/06/index.html

[2007/12/30 01:32] URL | 東西南北 [ 編集 ] TOP
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水俣病 与党の救済策に批判-多くの患者 切り捨て/「最高裁判決を無視」-

2007-12-29 04:49:35 | 国内政治
多くの患者 切り捨てに
水俣病 与党の救済策に批判
「最高裁判決を無視」

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 一時金百五十万円、療養手当月額一万円を支給する―。与党プロジェクトチーム(与党PT)が打ち出した水俣病救済策について、水俣病の患者団体らは「患者を大量に切り捨てるもの」として断固拒否を表明しました。与党案の問題点と患者団体が望む解決案はなにか、をみてみました。(熊本県・西田純夫)


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 水俣病救済については、二〇〇四年の最高裁判決という司法判断がすでにあります。

 この判決では、加害者の国・熊本県と加害企業・チッソの法的責任を明確にしたうえで、賠償一時金は、患者の症状などによって、四百五十万円から八百五十万円を補償するというものです。

 これにたいする与党PT案は、加害責任に触れずに、一時金百五十万円、療養手当月額一万円の支給などを中心としています。

金額を減らす
 最高裁判決を大幅に下回る与党PT案について「何の根拠もない」と批判するのは、ノーモア・ミナマタ国賠訴訟の園田昭人弁護団長。

 「一九九五年の『政治解決』では一時金は二百六十万円だった。平たくいうと、『あのとき手をあげなかったから、今回金額を下げてもいい』という考え方です。最高裁判決は頭の中にまったくない」と指摘します。

 もともと与党PT案は、費用負担を求められるチッソが応じなければ成立しません。ところが、与党PTの園田博之座長は、チッソの態度表明を前に、受け入れを表明している団体との非公開の会談で「申請者数を二万人、救済費用を二百億円」と発言したと報道されています。

 一人百五十万円で単純計算すると申請者の66・7%しか救済されません。療養手当などを計算に入れると、申請者の半分以下しか救済されません。予算に合わせた患者の大量切り捨てを前提としているものなのです。

逃げるチッソ
 与党案には、申請期間に期限をもうけるほか、「公的診察が必要」としています。国や県が選んだ医療機関が、患者の症状を判断するというのです。

 園田団長は「交通事故で加害者に診断してもらうことはない。国・県は加害者。その加害者が被害者を診断するのはおかしな話」と批判します。

 公害をなくす熊本県民会議医師団事務局長で、医師の高岡滋氏は、国の「審査」が、「医学的根拠のない判断条件を基準とし、診断プロセスも不明確。国に任せていたら、水俣病の診断はできない」と指摘します。

 費用を負担すべきチッソは、与党PT案の受け入れを拒否しました。与党PT案は根拠のないものであることがますます明確になりました。

 被害者らは「チッソは被害者のことを二の次にして利益優先。責任逃れは許されない」と訴えています。

全面解決求め
 被害者がどれだけいるかもわからないのが、公式発見から半世紀以上もたった水俣病の現状です。水俣病の全容も明らかになっていません。

 約千五百人の原告となっている水俣病不知火患者会(大石利生会長)のノーモア・ミナマタ訴訟にくわえ、水俣病被害者互助会(佐藤英樹会長)も裁判を起こしました。

 大石会長は「救済を求める被害者は今後も出てくる。不知火海沿岸全住民の健康調査なしには、本当の意味での水俣病問題の全面解決はない」と訴え、期限を設定しない恒久的な救済策の必要性を強調しました。

 被害者は「国・県、チッソの法的責任にもとづく解決」「司法基準による賠償、医療費の無料化、療養手当」を実現する司法救済システムを求めています。

(出所:日本共産党HP 2007年12月28日(金)「しんぶん赤旗」)
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薬害肝炎原告団と日本共産党の志位委員長の懇談

2007-12-29 04:44:24 | 国内政治
薬害肝炎原告団と志位委員長の懇談
(詳報)

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 薬害肝炎原告団と弁護団が二十七日、日本共産党の志位和夫委員長らとおこなった懇談(詳報)は以下の通りです。

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国は発生責任を認めてほしい――議員立法に盛り込んで(原告代表)
 懇談では冒頭、山口美智子原告代表が発言しました。

 山口 私たち原告団は、本当は大阪高裁の和解案において、一気に全面解決ということを望んでいました。しかし、国は和解協議において、自分たちの薬務行政の問題を、お金の問題に切り替えてしまい、私たち被害者の命の切り捨てをしてしまったので、決裂ということになってしまいました。一国のリーダーである福田(康夫)総理が政治決断をそのときされなければいけなかったと私たちは思っていますが、とうとうされずに、結局、議員立法という形で国会のほうに投げられました。

 本当に、共産党の先生方は私たちが提訴した際からかかわり、しっかり支えていただきました。また、国会等においても、この問題を取り上げていただき、舛添(要一・厚生労働)大臣にも、かなり強く追及していただきました。しかし、なかなか響かず、本当に私たちはつらい思いをしてきました。

 議員立法ということで、私たちがこれまで求めてきたことが盛り込まれなければ、全面解決にもつながらないと思っており、根本的なところで国の姿勢をただしてほしい、命を粗末にしないで、切り捨てないでほしいというところがあります。

 とくに責任問題では、ひき逃げに例えれば、逃げたことの責任は認めても、ひいたことに関してはまだ認めようとしない、そういうことがあるようです。

 そこははっきりこの議員立法に盛り込んでいただき、薬害根絶に、もう二度と薬害を繰り返さないという約束をしてほしいと思っております。どうぞ、お力添えをよろしくお願いいたします。

 (この発言につづき、山西美明弁護士が、議員立法化にあたっての原告団の基本要望について、(1)薬害を発生させた政府の責任をしっかりと認める、(2)行政による被害者の認定ではなく、司法による被害者認定をおこなう、(3)被害者支援法と同時に、肝炎対策の「基本法」も成立させる、以上の三点を強調しました)

「国の責任」明記とともに司法による認定、肝炎対策恒久法実現へ力尽くす(志位委員長)
 これをうけ、志位和夫委員長は次のように表明しました。

 志位 みなさん方の命がけのたたかいが事態を大きく一歩前に動かし、福田首相に一律全員救済ということを言わしめました。本当にみなさんのたたかいがつくった前進の第一歩であり、心から敬意を申し上げたいと思います。

 そのうえで、これから先が非常に大事な局面になってきています。議員立法という形になってきた以上、本当にみなさん方の要望がきちんとかなえられ、そして納得のいく内容にしていかなければだめだという立場でがんばっていきたいと思います。

 第一に、行政責任の問題では、(政府・与党が)被害を拡大させた責任については認めても、被害を発生させた責任を認めるということがはっきりしていないというのは、非常に重大な問題です。血液製剤を認可したのは国ですから、発生責任は明瞭(めいりょう)です。被害を発生させ、拡大させた二重の責任があるわけです。きちんと発生責任を含めて国の責任を認めなければ、本当の責任を認めたということにはなりません。

 特に、一律全員救済と言った以上、発生責任を認めなかったら、これは矛盾することになります。被害にあわれた方は全員救済すると言った以上、認可したときからの責任をはっきりさせないと、一体どこから線を引っ張るんだという議論に再びなりかねないことになります。

 ですから、一律全員救済をすると言った以上は、発生責任をきちんと明記したものにしなければいけないというみなさんのその主張はそのとおりだと思います。そういうものになるように力を尽くしていきたいと思います。

 第二に、被害者の認定の問題では、これまで行政認定ということでやってきて、せっかく救済の枠組みがつくられながら、実際は、救済されないということが起きています。イタイイタイ病でも、また水俣病でも繰り返されてきたという歴史があります。認定機関が第三者機関など、結局、厚生労働省管轄下のものになると、加害者が認定するということになるわけです。これでは本当に救済される保障がなくなります。

 ですから、司法による認定、裁判所による認定、ここをはっきりさせたものにしないといけません。そのようなものになるように力を尽くしたいと思います。

 いかに被害を証明するかという方法に関しては、カルテがなければだめだというのは到底通らない話です。カルテは五年しか保存義務がないわけですから、カルテがなければ認定しないということになったら、本当に被害者が狭められるということになります。カルテの有無にかかわらず、医師による投薬証明がなされたなら全員を救済するというのは当たり前のことですから、そのようにして本当の意味での全員一律救済にしていく必要があります。

 第三に、いわゆる恒久対策の問題では、いまC型、B型肝炎の患者さんは三百五十万人といわれています。私の父も、四十数年という長いあいだC型肝炎、肝硬変を患い、一昨年亡くなりました。感染は昔のこととはいえ、やりきれない思いです。

 C型、B型肝炎は最大の国民病の一つであり、最大の難病の一つだと思います。しかも、そのほとんどが医原病だということです。私たちもかねがね、肝炎、肝硬変、あるいは肝臓がんで苦しんでいる患者の方々にたいする恒久的な支援が必要だということを主張してきましたが、この際、いい法案ができるようにしていきたいと考えています。

 いま、与野党で協議が始まりつつありますが、私どももその中に入って、インターフェロン治療などの経済的負担の軽減、医療上の新しい技術にたいする保険適用の問題など、さまざまな問題についても希望が持てるような法律をつくっていくことに力を尽くしていきたいと思います。

 これまでも私たちは、たとえば肝臓がんになった場合に、ラジオ波療法というのがありますが、保険の適用になっていなかったものを適用とさせるなど、肝炎問題に取り組んできました。みなさん方が勇気を持って切り開いてきたたたかいをきっかけに、恒久立法という動きがつくられつつあるので、ぜひこれをいいものにしたいと思っています。


 これにたいし、原告団の出田妙子さんは、「ちょうど一週間前、この場所で、和解決裂後に私たちは本当に落胆した思いをしました。本当にこの立法に最後の期待を寄せているので、ぜひお力を貸してほしい」とのべ、浅倉美津子さんは「肝炎治療のための注射で血管が硬くなったりして悲鳴を上げています。議員立法が成立するようお力をいただきたい」と語りました。

 最後に、山口原告代表が、「先生方は、本当にこれまでも医療の問題、命の問題を一番に大事にしていただきました。ぜひとも力強く私たちを応援していただけるようお願いします」とのべました。

(出所:日本共産党HP 2007年12月28日(金)「しんぶん赤旗」)
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これでいいのか選挙制度-異常に高い供託金は国民の政治参加阻むー

2007-12-29 04:40:39 | 国内政治
シリーズ これでいいのか選挙制度
異常に高い供託金
国民の政治参加阻む

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 日本では、選挙に立候補するために高額の供託金を法務局に預けなければいけません。高額の供託金は世界の“常識”なのか、それとも日本の異常なのか――日本共産党の井上哲士参院議員が依頼した国立国会図書館の調査でみてみます。(佐久間亮)

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 日本の供託金制度は一九二五年の普通選挙法から始まりました。当時の天皇制政府は、一定額以上の納税者に限られていた選挙権を二十五歳以上の成人男子に広げるかわり、立候補に高額の保証金を課したのです。

 これが戦後に引き継がれ、額も繰り返し引き上げられました。一九九三年の公職選挙法の改悪でそれまでの一・五倍になったのです。その額は、国政選挙の選挙区で三百万円、比例区では六百万円にもなります。

 一般の国民が簡単に払える額ではなく、事実上、立候補の制限にもつながります。

 しかも、選挙で規定の得票率(法定得票率、衆院小選挙区では有効投票総数の10%)に達しなければ全額没収されます。 世界はどうか。国会図書館の調査では、アメリカ、ドイツ、イタリアをはじめ大多数の国で供託金の制度自体がありません。フランスは一九九五年に廃止しています。

 供託金制度がある国でも、その額はイギリス・五百ポンド(約十一万円)、カナダ・千ドル(約十一万円)、オーストラリア・五百ドル(約五万円)と多くは低額で、没収点も日本より低くなっています。国会図書館調査でみれば、日本の供託金は世界一の高額です。

 オランダは、議会に議席を持たず前回選挙にも候補者を擁立していない政党に限り一万千二百五十ユーロ(約百八十万円)の供託金を課しますが、没収点は低く設定されています(有効投票総数の約0・5%)。

 一方で、日本の公職選挙法を踏襲する部分が多い韓国では、供託金・没収点(千五百万ウォン=約百八十万円、10%未満で全額、10―15%で半額没収)とも厳しく設定されています。

 選挙に立候補することは、選挙で議員を選ぶことと同様、主権者である国民の重要な権利です。高額の供託金によって立候補の自由を抑制することは、「国民の参政権」を定めた憲法一五条や、国会議員の資格を「財産や収入で差別してはならない」と定めた憲法四四条に反するものです。

政党助成金から支出も
 国民には高額の供託金を課して被選挙権を制限しながら、自民党、民主党は供託金にも国民の税金である政党助成金を充てています。二〇〇五年の総選挙では、自民党は二千百万円、社民党は二千七百万円、民主党は八千七百万円の供託金を政党助成金から支出しています。

 供託金制度は、憲法違反の政党助成金を受け取らない政党の政治活動を財政的に圧迫し、政党助成金を受け取る政党と受け取らない政党との選挙の公正をゆがめる役割まで果たしているのです。

 高額の供託金の狙いが、国民の政治参加を阻むことにあるのは歴史的にも明らかです。高すぎる供託金を大幅に引き下げることが求められています。

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『ここがヘンだよ日本の選挙』の共著者

志田なや子弁護士の話
被選挙権の平等に反する
 国民には選挙権のみならず、被選挙権といって立候補をする権利があります。憲法四四条は被選挙権の平等を定めており、高すぎる供託金はこれに反する疑いがあります。

 お金がなく、供託金を準備できない人は立候補もできないというのは、自ら選ぶこと、あるいは自ら立候補して政治に参加することを制限することになり、国民主権の原理からいっても大いに問題があります。

 大切なことは、国民の民意が鏡のように議会に表れることです。お金のある人もない人も、民意の分布が鏡のように議会に表れることです。高すぎる供託金は、それを妨げます。世界でも異常に高い供託金の額を、大幅に引き下げる必要があります。

(出所:日本共産党HP 2007年12月28日(金)「しんぶん赤旗」)
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自公政権の教育再生会議が二十五日、「第三次報告」を公表

2007-12-28 22:38:57 | 国内教育
主張
教育再生会議報告
安倍流「改革」に未来ない

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 政府の教育再生会議が二十五日、「第三次報告」を公表しました。再生会議をつくった、当の安倍晋三前首相が政権を投げ出し、再生会議の存在意義そのものが各方面から問われるなかでの報告です。

 「報告」は、再生会議が何のためにつくられたかをあらためて浮き彫りにしました。戦前回帰をねらう勢力や教育に競争原理の徹底をもとめる財界などの主張を、政府では言えないようなかたちで露骨に代弁し、国の教育政策を乱暴にかえることです。教育研究者を一人も含まない異例の人選もそのためです。

「徳育の教科化」ねらう
 今回の報告では、「徳育の教科化」の再提案が典型的です。あまりの復古調に文部科学省の中央教育審議会ですら、「教科化」を見送る方針をかためています。それを蒸し返そうというのです。

 市民道徳は、憲法の立場にたち、すべての人々の「個人の尊厳」、基本的人権を尊重し、お互いを人間として大切にすることを基礎とするもので、教育にとって中心的課題のひとつです。子どもの悩みや社会の矛盾など現実生活にそくして、子どもが自分たちの頭で考えながら人間的モラルを培うことができる、そうした教育がのぞまれます。

 ところが、再生会議の「徳育の教科化」は、「偉人伝」などを使い、「挨拶(あいさつ)や礼儀」「善悪の判断」などを教えるといいます。戦前の「修身」と同じ発想で、政府に都合のいい価値観を上から教えこむものです。

 「教科化」のねらいについて、安倍前首相のブレーンとして「教育再生」を主張してきた八木秀次氏は、「道徳の時間におかしな平和や人権などを教えることができなくなる」(「産経」二十六日付)とあけすけに語っています。

 「報告」は同時に、「競争原理の導入」のために財界などが主張している「バウチャー制度」をモデル事業として実施することも打ち出しました。この制度は文科省すら難色を示しているもので、学校選択制を導入し、生徒が多く集まった学校の予算を手厚くし、生徒が集まらなかった学校は逆にしようというものです。

 必ずどこかの学校が「負け組」となり、そこから予算がとりあげられます。「負け組」にさせられた学校にいる子どもたちにどんな責任があるというのでしょうか。学校も教員も「負け組」にならないための不毛な競争にかりだされ、「子どものために」という教育の原点は後景にしりぞきます。

 実際に学力テストの平均点の増加率を予算配分に反映させた東京都足立区では、平均点をあげるための不正が相次ぎ、区民の怒りのなかでその方式が中止に追い込まれました。

 「報告」には、「学校の統廃合を推進する市町村を支援する」ことも盛り込まれました。教育予算を削減しようとする財務省の要求です。しかし、国民の要求は、先進国で最低レベルの水準を向上させて豊かな教育条件をつくることです。

国民との矛盾広げる
 こうした「報告」の方向は教育の条理に反し、国民との矛盾をひろげるばかりです。ところが、福田康夫首相は「基本的な考え方を具体化する」と述べました。安倍政権の悪政を基本的に引き継ぐ同政権では、日本の教育はよくなりません。

 来年は総選挙が必至といわれています。この分野でも自公政権に厳しい審判をくだし、憲法にもとづき、国民の願いにこたえる教育改革をすすめる、新しい政治の流れを大きくしようではありませんか。

(出所:日本共産党HP 2007年12月28日(金)「しんぶん赤旗」)
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森永乳業京北株式会社-「解雇は不当」の東京地裁判決/実ったパート・社員の共同-

2007-12-28 01:27:05 | 国内労働
森永京北・分会長
「解雇は不当」の判決
東京地裁 実ったパート・社員の共同

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 パート労働者とともに労働組合を結成し、組合役員をつとめた正社員が会社側に不当解雇された事件で東京地裁(鈴木拓児裁判長)は二十六日、解雇は無効であるとして解雇日以降の賃金を支払うよう会社に命じました。正社員とパート労働者が手を携えたたたかいが実を結びました。

 解雇無効を勝ち取ったのは、鉄道駅売店向けにサンドイッチなどを製造、販売する森永乳業京北株式会社(社員五人、パート従業員百人)の社員で、全労連・全国一般東京地本森永京北分会分会長の三枝繁さん(48)です。

 同社で働くパート従業員らは社会保険への加入や有給休暇制度の適用などを求めて分会を結成。三枝さんは分会長として、パート労働者の労働条件改善のために活動してきました。

 ところが、会社はその直後に三枝さんをセクシュアルハラスメントや服装違反などがあったとして二〇〇五年十一月、解雇。三枝さんは、解雇理由はいずれも事実に反するか合理的理由がなく、違法な解雇だとして解雇撤回などを求めて提訴していました。

 三枝さんは解雇後も分会長として会社と交渉し、パート労働者の社会保険加入、有給休暇適用などの成果を勝ち取ってきました。パート労働者らが裁判で三枝さん側として証言に立ちました。

 判決は、三枝さんの勤務態度、成績も不良ではないとし、「解雇に合理的理由はなく、無効」との判断を下しました。

 三枝さんは、「パートのみなさんも証言に立ってくれるなど、一緒にたたかってきたことがこの結果につながった。今までやってきたことは間違っていなかった。職場復帰を求めていきたい」と喜びを語りました。

(出所:日本共産党HP 2007年12月27日(木)「しんぶん赤旗」)
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沖縄戦「集団自決」 の検定意見-「強制」削除 文科省ぐるみ-

2007-12-28 01:23:55 | 国内教育
 <第168回 衆議院 文部科学委員会 2007/10/24の議事録の一部抜粋>
 
○石井(郁)委員 先日の大臣あいさつの中で渡海大臣は,「沖縄の集団自決に関する教科書検定の件については,沖縄県民の思いを重く受けとめるとともに,教科書検定の公正中立性の確保に十分意を用いつつ,」というふうにお述べになりました. 大臣は,今回の教科書検定において,厳正かつ公正中立に行われたという御認識でいらっしゃいますでしょうか.

○渡海国務大臣 所定の手続に基づいて行われたというふうに報告を受けております.

○石井(郁)委員 私は,公正中立に行われていれば,今日のような,こういう沖縄の県民挙げての皆さんの御要望とか,あるいは大きな社会問題というふうになってないだろうと思うんですね. そういう点で,きょうは幾つか確かめもさせていただきたいと思うんですけれども.
 まず,先日,予算委員会で,我が党の赤嶺政賢議員が明らかにしたところでございますけれども,文科省職員の教科書調査官が,沖縄戦の実態について誤解されるおそれのある表現という検定意見をつけるという,これがその原議書ですよね,局長までの印鑑が押してありますけれども,これを作成すると. この案を検定審議会の小委員会にかけて,これが検定意見となって教科書会社に伝わるということになるわけですが,しかし,沖縄の集団自決に対する軍の関与について,その審議会の専門委員,臨時委員などから意見があったわけではない,教科書調査官四人の合議によって作成されたということがわかりました. 審議会の小委員会でも総会でも,それについて意見も出なかったと. しかし,この検定意見によって,今問題の,「日本軍に集団自決を強制された人もいた. 」という最初の記述が,「集団自決に追い込まれた人々もいた. 」というふうに改められたり,要するに,誤解を招くということで改められたということになって,日本軍による強制とか関与ということは削除されたんですよね. これが今回の一連の経過だというふうに思います.
 ですから,このように見ていきますと,教科書検定審議会というのは隠れみのになっていたんじゃないのか. これは文科省による自作自演の押しつけではなかったのかということが明白になったというふうに私は思うんです.
 そこでお聞きしますけれども,では,教科書調査官の日本史担当の方のお名前,出身大学,学部,専攻学科を教えていただきたいと思います.

○金森政府参考人 お答えを申し上げます. お尋ねの件につきましては,個人情報が含まれますため,本人の了解がとれた範囲でお答えすることをお許しいただきたいと存じます.
 現在,日本史を担当する教科書調査官は四名でございます. まず,照沼康孝主任調査官は東京大学大学院を修了しております. それから,村瀬信一調査官は東京大学大学院を修了しております. それから,高橋秀樹調査官は学習院大学大学院を修了しております. それから最後に,三谷芳幸調査官は東京大学大学院を修了してございます. 以上が,現在,日本史を担当する教科書調査官四名でございます.

○石井(郁)委員 学部,専攻をおっしゃいませんでしたけれども,これは本人の了解が得られなかったということなんですか.

○金森政府参考人 お答えを申し上げます. 各調査官の出身の学部,学科や専攻につきましては,個人情報に該当するため,お答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます.

○石井(郁)委員 ここで個人情報を盾にとられて. おかしいですよね. だって,文科省の職員なんですから. 何で卒業学部,学科,専攻を言えないんですか. しかも,明らかにしてほしいと.
 これは大事なんですよ. 何で個人情報,了解を得ないんですか. 得て断ったのなら,それはそういうこともあるでしょうけれども,得もしない. これが文科省のやり方なんですか. 私は大変問題だというふうに思います.
 大学院までしか言われませんでした. 大事なのはやはり学部,専攻なんですよ. 主任の照沼氏は東大の国史学科卒業です. 村瀬信一氏も東大の日本史学科卒業です. このお二人が今当面問題にしたいことなので,私の方から申し上げておきたいと思うんですけれども.
 要するに,この近現代史専門は照沼氏と村瀬氏なんですよね. お二人です. このお二人は,後で問題にしますけれども,扶桑社発行の教科書監修者である伊藤隆氏が一九七一年から東大文学部助教授を務めていた時代の教え子であります. 師弟関係なんですよ. そのことを一点お尋ねしたい.
 そして,照沼氏及び村瀬氏について,調査官になるに当たってはこの伊藤隆氏からの推薦というのがあったんじゃないんですか. あるいは,両調査官の採用の経緯を教えていただきたいと思います.
 
○金森政府参考人 お答えを申し上げます. それぞれの教科書調査官の専門分野に関しまして,だれから指導を受けたかということにつきましては,個人情報に該当するため,お答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます.
 ただ,教科書調査官の職務といたしましては,学問的,教育的見地から教科書が適切なものとなるよう,公正かつ中立的な立場から調査を行っているところでございます.
 次に,推薦があったのかというお尋ねでございますけれども,教科書調査官に関する選考の際,推薦書があったかどうか,また,だれから推薦があったかについての資料につきましては,人事管理に関する個人情報でございまして,お答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます.

○石井(郁)委員 非常に何か,隠そう隠そうとするところが見えるわけですけれども,これ自身が非常に問題だというふうに思うんですが,伊藤隆氏と照沼氏,村瀬氏は,伊藤氏が東大文学部助教授だったときにこの二人との師弟関係があるわけですね.
 それだけじゃないんですね. もう一つの問題は,この伊藤隆氏と照沼氏は,一九八三年には「陸軍 畑俊六日誌」という共同著作も出しています. 共同著作です.
 それから,村瀬氏も,文科省の科研費補助金が出ている,平成九年から十年,日本近代史料に関する情報機関についての予備的研究及び平成十一年度,十二年度の日本近代史料情報機関設立の具体化に関する研究,そういう研究に参加していまして,これは伊藤氏が統括責任者なんですね. そのもとに共同研究を行っているわけであります.
 そして,二〇〇〇年の四月,「新しい歴史教科書」,これは文科省に申請本として出されましたけれども,このとき同時に村瀬氏が教科書調査官になっています. 照沼氏とともにこの教科書の検定に当たっております.
 こうした事実,文科省はお認めになりますか.

○金森政府参考人 お答えを申し上げます. 伊藤隆氏が受けていた科研費の研究グループに共同研究者として村瀬教科書調査官が参加していたのは御指摘のとおりでございます. 著書につきましては承知をいたしておりません.
 ただ,先ほども申しましたように,教科書調査官のそういった関係と現在の職務とは関係がないものでございまして,教科書調査官の採用に際しましては,学問的,教育的見地から教科書が適切なものとなるよう公正かつ慎重に調査を行うという教科書調査官の職務にかんがみ,慎重に選考を行っているところでございます.

○石井(郁)委員 次に,審議会について伺いますが,教科書検定審議会に日本史の小委員会がありますね. この日本史の委員の,近現代の専門家についてお名前を明らかにしてほしいと思います.

○金森政府参考人 お答えを申し上げます. 教科用図書検定調査審議会の日本史小委員会の委員につきましては,古代から現代の分野にわたってバランスよく構成をしているところでございます.
 審議会委員の氏名の公表の扱いにつきましては,正委員,臨時委員につきまして氏名や職名を公表しておりますけれども,静ひつな環境における委員の自由闊達な意見交換を確保するため,委員の分属については公表していないところでございます.

○石井(郁)委員 何でこの審議会委員の,専門委員の名前は出せないんですか. おかしいでしょう. 公正中立な審議会だ,そこで学術的に審議を行っているというわけですから,どういうふうにそれが行われたのかという点で,どなたがその専門委員なのかということは最低必要な,明らかにすべきことだと思うんですが,おかしいんじゃないですか. この点は,大臣はいかがお考えですか.

○渡海国務大臣 この委員の先生方につきましては,実は名前が知れたことがありまして,非常に,家までマスコミが押し寄せるというふうなことが起こりまして,そして,そういう環境下では静かな議論をしていただけないというふうなこともありまして,今公表を控えさせているということを御理解いただきたいというふうに思います.
 名前を出さないから中立,公平,公正にならないということではないというふうにも考えます. その点は御理解をいただきたいというふうに思います.

○石井(郁)委員 しかし,今大問題の教科書問題,教科書検定のあり方をめぐっての議論をしているときですから,やはり調査官,そして審議会の委員,どういう方がいらっしゃるのかというのは,私,隠す必要はどこにもないと思うんですよ. それは,マスコミが来るというのは別の問題としてあると思うんですけれども,やはりこの委員会の審議のためにはぜひそれは公にしていただきたい.これは,委員長に,ぜひお取り計らいをお願いしたいと思いますが.

○佐藤委員長 ただいまの御要求につきましては,理事会において協議をいたします.。では,質疑を続けてください.

○石井(郁)委員 私が調べてみたところ,日本史小委員会で近現代史の審議委員四人の方がいらっしゃるんですけれども,一人は駿河台大学教授の広瀬順晧氏,九州大学大学院教授の有馬学氏,国学院大学教授の上山和雄氏,筑波大学教授の波多野澄雄氏,これは間違いありませんか.

○金森政府参考人 お答えを申し上げます. 審議会の委員の氏名につきましては,正委員,臨時委員とも氏名及び職名を公表しておりますけれども,その分属,日本史小委員会にだれが属しているかということにつきましては,公表を差し控えさせていただいているところでございます.

○石井(郁)委員 非常にかたくななんですけれども,この四人でこれは間違いないと思うんですね. もし間違っていたら大変大問題になりますけれども,間違いないという前提でお話をさせていただきます. さきに挙げました伊藤隆氏,統括者の文科省の科研費の,共同研究でありましたけれども,日本近代史料に関する情報機関についての予備的研究,それから日本近代史料情報機関設立の具体化に関する研究,ここには,今申し上げました有馬学氏,広瀬順晧氏,そして先ほどの調査官の村瀬信一氏が共同研究者として参画をしているわけであります. だから,まさに教科書調査官,審議会委員の中に伊藤門下生がきちんといらっしゃるということなんですよ.
 それから,村瀬信一と照沼康孝,有馬学氏らが共同で執筆した「近代日本の政治構造」という本があるんですけれども,この中で有馬氏はこのように述べていらっしゃいます. これは後書きなんですけれども,本書の執筆者は,いずれも先生が,先生は伊藤隆氏です,東京都立大学,東京大学に在任中学恩に浴し,学術事業に何らかの形で参画するという貴重な経験を与えられた,伊藤政治史学として結実したのであると絶賛をされているんですね.
 こうして見ますと,教科書調査官は四人ですよ. この四人のうち二人,また審議会委員の近現代史の専門家四人のうち二人が伊藤隆氏の門下生です. あるいは共同研究者,共同著作者です. どうでしょうか. これで検定が公正中立に行われたと言えるんでしょうか,大臣.

○金森政府参考人 お答えを申し上げます. 教科書調査官の採用に当たりましては,それぞれの分野に対応する専門の学識を有するかどうか,また,視野が広く,初等中等教育に関し理解と識見を有するかどうかなどの能力,適性を総合的に判断して,大学の教授等や中学,高校教諭等から担当の初等中等教育局におきまして慎重に選考を行い,採用いたしているところでございます.
 教科書調査官の他の人との関係が教科書検定の公正中立性に影響を与えるということはあり得ないと考えておりまして,今回の検定に当たってもそのようなことはなかったと考えております.

○石井(郁)委員 人選が公正中立とか慎重に行われているという話ですが,そういう形のことではなくて,選考の経過もおっしゃらないわけですから,そういうことではなくて,今挙げました事実そのもの,こういう関係の方じゃないですか,このことを私は申し上げているんですよ. これをしっかりと見ていただきたいと思うんですね. これは重大な問題をはらんでいるんです.
 これは先ほども申し上げましたけれども,扶桑社発行の新しい歴史教科書,これは検定を合格したときには国内外から非常に厳しい批判というか反響がありまして,大問題になりました. この歴史教科書というのは,自虐史観からの脱却を掲げました. さきの戦争は自存自衛の戦争,アジア解放の戦争という,靖国史観と私たちは言っていますけれども,に基づくものでして,これまでの村山談話,河野談話など日本政府見解からも到底認められない,逸脱したものでした.
 実は,この新しい歴史教科書の監修者が伊藤隆氏なんです. これはしっかりここに名前が出ています,監修者です. そして,この歴史教科書の検定に当たったのが照沼氏であり村瀬氏です. まさに伊藤門下生のお二人なんですよ. どうですか,これは. ちょっと余りにも何か,こういうことがあっていいのかと言わざるを得ません.
 伊藤隆氏について私はもう少し付言させていただきたいんですけれども,安倍内閣のときには,戦後レジームからの脱却,教育再生ということが掲げられましたけれども,それをバックアップする教育改革の,日本教育再生機構というのができましたよね. 伊藤隆氏はその設立代表発起人です. そして,今日,教育再生機構の教科書改善の会というのがあるんですけれども,歴史教科書の編集座長になっていらっしゃる方です.
 「教科書改善に向けての私どもの思い」というのをこの会が発表しておりまして,日本教育再生機構の八木秀次理事長はこのように言っています. 「捏造が明らかないわゆる従軍慰安婦の強制連行については記述しません. 南京事件については事件そのものが虚構であるという有力な説があることにも言及します. その意味で,扶桑社版教科書はじめ,これまでの教科書改善運動の精神は正しく継承して参ります. 」だから,こういう立場の教科書こそ発行していきたいということを表明している団体であります.
 だから,従軍慰安婦の強制連行はもう載せない,これはかなり教科書から削られていきましたけれども. 南京虐殺についても虚構だというふうに言っている. それから,沖縄の集団自決については,この教科書には集団自決という言葉もないんですよ. 沖縄戦で何人が亡くなったという数字はありますが,集団自決という言葉さえない,こういう教科書です. だから,こういう教科書の発行を続けようとしていることですよね.
 だから,私は,この団体,こういうグループというのは,本当に歴史の事実をゆがめようとして,そういう教科書を子供たちに押しつけようとしているのではないかと言わざるを得ないわけです.
 問題は,こういうことにこたえるような教科書調査官あるいは審議会委員,専門委員が配置されているということが私は重大ではないのか. こういう人たちが検定意見をつけているんだ,そして,沖縄の集団自決に対する軍の関与の削除につながっているんだと言わざるを得ないわけですが,これはまさに文科省による教育内容への政治介入そのものと言わざるを得ません. これはぜひ大臣の御見解をお聞きしたいと思います.

○渡海国務大臣 先生が感じておられるような,そのものではありませんが,似たような,疑義を持たれないかということで,私も,調査官等がいつ採用されたのか,それから,どういうことで配置をされているのかということで,随分いろいろ聞きました.
 ちょっと今手元に資料がありませんが,要は,今回こういうことをやるためにそういう陣容が組まれたということがないのかという疑いの目を持って実はチェックをさせていただいたんですが,それはそうではなかったですね,少なくとも. 例えば村瀬氏でいえば,今ちょっと,そっちから後で説明をさせますが,十年ぐらい前に採用されているわけでありますし,去年までの検定にも参加しているわけですから,その限りにおいてはそういうことではないというふうに考えております.
 ただ,なお,そういう力が働いてはいけないわけでありますから,私の立場からも,今後とも,公正,公平,中立に審議が行われるようにいろいろな配慮,また指導してまいりたい,そういうふうに考えております.

○金森政府参考人 補足をさせていただきます. 日本史を担当する教科書調査官四名が採用された年でございますけれども,照沼康孝主任教科書調査官は昭和五十八年に採用になってございます. それから,村瀬信一調査官は平成十二年に採用になってございます. それから,高橋秀樹調査官は平成十二年の採用でございます. それから,三谷芳幸調査官は平成十四年の採用でございまして,いずれも今回の問題の以前に採用された調査官でございます.

○石井(郁)委員 私は,今の御説明というのは,本当に何というか,文科省は歴史を踏まえていらっしゃるのかなと改めて本当に思ったんですけれども.
 教科書調査官が教科書行政にどのようにこれまで介入してきたか,あなた方が一番御存じじゃないんですか. これは歴史がありますよ.
 一九九八年,約十年前ですけれども,福地惇という方は教科書調査官でしたけれども,この方も伊藤氏の教え子だったんですよね. そして,このときに,近隣諸国条項があるから,日本は侵略戦争をして悪かった,書いていないとまずい,こういう発言をして調査官を解任されているんですよ. 舌禍事件というのを起こしているんですね. 今その方は新しい歴史教科書をつくる会の副会長を務めています.
 等々いろいろあるんですけれども,系統的に,やはり教科書の内容を,ある特定の考え方といいますか,特定の事実を持ち込みたいという人たちが日本の教科書問題をずっと起こしてきたんじゃないんですか. それはもうざっと見ただけでも,教科書調査官制度そのものが一九五六年から始まりました. これ自身もちょっと始まり方がおかしいんですけれども. その前年に憂うべき教科書問題というのがあって,それに呼応するかのように,日本の教科書がちょっと平和と民主主義を強く出し過ぎている,もとに戻せというような形で出してきたんですけれども,例えば平泉学派,天皇中心主義を信奉するという皇国史観の東大朱光会というのがあるんですけれども,それに所属した村尾次郎氏,この方が主任調査官になっているんですよ,この当時. それ以降,朱光会の山口康助氏,時野谷滋氏など,ずっとこういう考えの人たちがやはり調査官に座ってきた. そして今,戦争で侵略したということを,侵略という言葉はやめよう,進出だと,書きかえの事件があったじゃないですか. これも国会で大問題になりました. 国際的にも問題にもなりました.
 だから,一貫してこの侵略問題,そして戦争責任,あるいは日本軍の関与という問題については,先ほどの従軍慰安婦のことについても非常に激しいこのことがあって削除されまして,今は載らなくなりましたよ,教科書から. そして,今度は集団自決の問題だという流れで来ているんですね. ここはもう紛れもない歴史の事実です.
 私は,だから,今回の件についての,先ほどもお話ありましたけれども,今回の検定意見,こうした文部科学省の中にある,やはり偏った教科書調査官の人選というのがあります. 歴史を逆行させる地下水脈のようなものがどうも一貫して流れているんじゃないかと言わざるを得ないんですね. それがやはり政治介入を起こして,政治問題化しているわけですよ. ここをしっかりと見ていただきたいと思うんですが,大臣,いかがですか.

○渡海国務大臣 よく政治介入というお話が出るんですが,実は,ある政党の代表が来られましたときにも,では具体的にどういう政治介入があるのか,どういう力が実はそこに働いてゆがめられたのかということを言っていただければ我が方で調査をいたします,こういうふうに申し上げました. それ以上お言葉はなかったわけでありますけれども.
 基本的に,先生,今調査官にお触れになりましたが,当然,これは審議会というのは審議の委員もいらっしゃるわけでございまして,調査官の仕事は,もちろん検定意見のたたき台,調査書というのを出すわけでありますが,それに基づく資料もこういうものをそろえましたというのが基本的な仕事でございます. あくまでその部会において審議委員の先生方がそれをそのままつけるかどうかという作業もされるわけでありまして,そういったことを通じて中立公平,一部の方が例えばそういう色合いが見えるということだけで物事がそういうふうに流れているというふうに断定されるのは,ちょっといかがかなというのが正直な感想でございます.

○石井(郁)委員 最後,時間がありますので. 今問題になっていますのは,教科書検定の審議会がある,これがあるから公正中立が保たれているというのが伝わっているわけですけれども,本当にそれがきちんとした担保する機関になっているのかどうか. これは一教科書検定審議委員が発言をされていらっしゃいますけれども,独立機関ではない,やはり調査官の意見というのがかなり強く作用しているというようなこともおっしゃっていますから,そういう権限を本当に調査官がどこまで持ち得るかという問題としてもありますけれども,本当に教科書検定制度というのが公正中立だとは到底言えない中身になっているということが大事だということを申し上げているわけです.
 最後になりますけれども,これは今回の一連の問題について,教科書会社の申請があれば,それで一定,記述をもとに戻すようなことがあり得るような発言に聞いておりますけれども,私は,やはり今回の検定意見,今のこういう申し上げました中身で出てきている検定意見そのものが非常に問題を持っているわけですから,この撤回以外にないわけですね. そこは私は文科省が本当に蛮勇を振るってというか,誤りを正すというか,そのことでこそ,きちんと公正中立な教科書行政をやる省として,大臣がしかるべき責任を果たしていただきたいというふうに強く申し上げたいと思います. 最後に,大臣のその点での御答弁をいただきたい.

○渡海国務大臣 検定そのものはやはりちゃんと手続に基づいて行われたと何度も申し上げております. そして,この検定制度,民間の教科書会社がとにかく教科書をつくって,それに間違いがないかどうかということをチェックする,こういうことを審議会というある意味の第三者的な立場の専門家,これが学術的な,専門的な見地から行っていただくという制度でございまして,我々がこれを撤回しろとかそういうことが言えないというところに実はこの制度の中立性,公平性が保たれている一つの理由もあるわけでございまして,その点を御理解いただきたい.
 
(出所:http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-576.html#comment)
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自公政権・文部科学省が高校用教科書の検定で「軍の強制」記述を削除させた問題

2007-12-28 01:19:59 | 国内教育
主張
沖縄戦教科書
沖縄の心軍靴で踏みにじった

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 アジア・太平洋戦争末期の沖縄戦での「集団自決」(強制集団死)をめぐり、文部科学省が高校用教科書の検定で「軍の強制」記述を削除させた問題で、同省は二十六日、検定意見の撤回は行わず、教科書会社の訂正申請でも住民が「自決せざるを得ないような状況に追い込まれた」とは書いても「強制」記述は認めないとする検討結果を明らかにしました。

 「集団自決」が日本軍の強制抜きに起こりえなかったことは歴史の真実です。文科省があくまで「強制」記述削除を押し通したのは、日本軍による残虐行為を美化し沖縄の心を軍靴で踏みにじったのも同然です。

11万人超す県民大会
 文部科学省の「強制」記述削除にたいしては、沖縄県議会をはじめ県内のすべての自治体が撤回を求める意見書を出し、検定撤回を求めて九月末開かれた県民大会には、復帰後最大規模の十一万人を超す県民が参加するなど、党派を超えた運動が続けられてきました。検定撤回を求める声は全国に広がっています。

 こうしたなか、政府も「沖縄の思いを重く受け止める」(福田康夫首相)といわざるを得なくなり、文部科学省も、教科書会社から訂正申請があれば検討すると答えてきました。今回の文科省の決定は、国民世論を無視できないところに追い込まれながら、検定は撤回せず、教科書会社の訂正申請さえ書き換えさせたもので、政府の責任はきわめて重大です。

 もともと「集団自決」は、住民の虐殺などと並んで、沖縄戦での日本軍の残虐行為としてよく知られています。島ぐるみで戦争に動員された沖縄の住民は、米軍の攻撃が迫っても投降は許されず、軍からあらかじめ手りゅう弾などの武器を渡されていたことからも、「集団自決」が日本軍による強制・強要・誘導によって起きたことは明白です。

 これまでも教科書には「日本軍に『集団自決』を強いられ」などの記述があったのに、削除を求められたことはありません。にもかかわらず、二〇〇八年からの高校教科書の検定で「沖縄戦の実態について誤解するおそれ」との意見がつき、「強制」記述が削除されたのです。自衛隊が海外に派兵され、再び「戦争する国」になろうとしているなかで、軍事最優先の体制をつくる動きに呼応していると見るのは当然です。

 文科省はあくまで学問的な研究の結果にもとづくものだといいはろうとしましたが、「集団自決」から「軍の強制」を否定する意見はまともに通用するものではありません。一部の軍関係者などが現地の守備隊長の直接の命令はなかったと裁判を起こしましたが、直接の命令の有無にかかわらず、住民は軍から「強制」されるなかで「自決」に追い込まれたことが逆に明らかにされました(来年三月判決)。裁判の一方の当事者の主張で教科書の記述が削除されたとすれば、それこそ異常のきわみです。

検定制度にメスを
 「集団自決」から「軍の強制」の記述を削除する教科書検定は、学問的な通説を逸脱した、文字通り一方的な立場から行われたものです。まさに教育への政治介入そのものであり、文部科学省が検定を撤回しなかったばかりか、訂正申請を修正させてまで「強制」記述を認めなかったのは、教科書検定制度の危険性を浮き彫りにしています。

 誤った検定意見を撤回し、正しい記述を回復するのは当然であり、政治的な検定がまかり通る密室の教科書検定制度そのものを、抜本的に見直すことが不可欠です。

検定意見は戦争美化勢力の政治介入
文科省誤り認め撤回を

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 沖縄戦「集団自決」での軍の強制は、「南京大虐殺」や日本軍「慰安婦」問題とともに、侵略戦争の正当化を狙う「靖国」派が、教科書などから消すことを目標にしてきたものです。

 侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」の現会長、藤岡信勝氏らは二〇〇五年に「軍の強制」を削除する運動を開始しました。

 同年、「集団自決」を命令していないと主張する元守備隊長らが、軍の命令を記述した著書は名誉棄損などにあたるとして岩波書店と大江健三郎氏を訴える裁判を起こしました。この裁判の支援者や弁護団には、藤岡氏をはじめ「つくる会」の関係者が多数参加しています。

 文部科学省は「軍の強制」を削除した検定意見の根拠の一つにこの裁判での原告の主張をあげています。

 政府・文科省はこの検定意見について、教科用図書検定調査審議会が「専門的、学術的観点」で調査・審議して決めたものだとしてきました。

 しかし、検定意見の原案である「調査意見書」は文科省の職員である教科書調査官がつくり、初等中等教育局長らが決裁したもので、それが審議会では意見が出ないまま検定意見になったことが、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の国会質問で明らかになりました。

 さらに、日本史担当の教科書調査官や審議会委員の中に『新しい歴史教科書』監修者の門下生や共同研究者が多数いることが、石井郁子衆院議員の追及で浮かび上がりました。検定意見は侵略戦争を美化する勢力が、沖縄戦研究の到達点に反して持ち込んだ政治介入だったことが明白になったのです。

 沖縄県民をはじめとする検定意見撤回の声が高まり、各出版社は「軍の強制」を明らかにした訂正申請をしました。これに対しても「つくる会」は数回にわたって「訂正を不承認にせよ」と文科省に要請し、宣伝や集会を繰り返しおこないました。

 こうした中で、審議会と文科省は、検定意見撤回要求を拒否、訂正申請で出された「軍による強制」という記述も認めませんでした。

 沖縄県民の思いにこたえるには、文科省が誤りを認めて検定意見を撤回し、「軍の強制」の記述を復活させ、政治的介入でゆがめられた教科書を事実にもとづいたものにする以外にありません。(高間史人)

(出所:日本共産党HP 2007年12月27日(木)「しんぶん赤旗」)

<神戸新聞12月22日付け朝刊一面記事の引用です>

 沖縄戦 集団自決 教科書問題
 「軍強制」記述認めず 検定審小委 訂正申請で一転

 沖縄戦の集団自決をめぐる高校日本史の教科書検定問題で、教科書会社からの訂正申請を審査している教科用図書検定調査審議会の日本史小委員会が、「日本軍の強制」を直接的に記述する訂正は承認すべきでないとする方針を固めたことが二十一日、関係者の話で分かった。

 集団自決の背景には、軍の存在を含む「複合的な要因」があるとの見解でまとまった。複数の教科書会社は小委の方針に沿って、訂正申請を出し直しており、表現で最終調整している社もあるという。

 軍の強制を示す表現は難しい情勢となり、沖縄県側からは反発も予想される。渡海紀三朗文部科学相は、来週中に示される検定審の結論を踏まえ承認の可否を決めるが、経緯を説明する談話を出し、理解を求めるとみられる。

 関係者によると、小委はこれまでの会合で、十人近い沖縄戦の専門家から提出を受けた意見書を検討。その結果、軍の強制性を示す記述を認めなかった当初の検定意見の撤回や変更は必要ないと判断した。

 その上で、集団自決には、住民が戦闘に巻き込まれたり、軍から手りゅう弾を配布され捕虜にならないよう教え込まれたりした事実などの複合的な要因があり、沖縄戦を総体としてとらえる記述が望ましいとの見解で一致した。

 この問題では、渡海文科相が検定意見に対する沖縄県側の反発を受け、記述の修正を容認。検定意見後に軍強制の記述を削除した教科書会社は十一月、「殺しあいを強制した」「日本軍によって『集団自決』においこまれた」などの強制性を強める内容で訂正申請していた。

 文科相は、国会答弁で「最終的に私自身も説明する必要があると考えている」と述べている。

◇沖縄戦の教科書検定問題◇

 2008年から使用される高校日本史の教科書検定で今年3月、太平洋戦争末期の沖縄戦で起きた住民の集団自決について、「日本軍の強制」と記述した教科書7点に「沖縄戦の実態について誤解するおそれがある」との検定意見が付き、強制を示す表現がすべて削除された。文部科学省は元軍人らが命令を否定して起こした名誉棄損訴訟などを根拠に「従来の通説に基づく断定はできなくなった」と説明。これに対し、沖縄県内で検定意見の撤回と記述の復活を求める動きが広がり、9月には約11万人(主催者発表)参加の県民大会が開かれた。同省はこれを機に、撤回はせず教科書会社の訂正申請を受ける形で記述の修正を容認することにしていた。

(出所:http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-576.html#comment)
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