未来を信じ、未来に生きる。

今に流されず、正論を認識し、社会貢献していく人生を切り拓くブログ道。

政治資金規正法「改正」案を可決-衆院委-

2007-12-26 01:05:48 | 国内政治
衆院委
政治資金規正法「改正」案を可決
政党助成金 全面公開見送り
共産党は反対

--------------------------------------------------------------------------------

 衆院政治倫理・公職選挙法特別委員会は十九日、与野党協議でまとめられた政治資金規正法「改正」案(委員長提案)を自民、民主、公明、社民、国民新の各党の賛成で可決しました。日本共産党は反対しました。同「改正」案は二十日の衆院本会議で採決される見通しです。

 同「改正」案は、国会議員(候補者や立候補予定者を含む)が関係する政治団体の一円以上の領収書の保存や公開、「登録政治資金監査人」による政治資金の監査を義務づけています。監査報告書の不提出や虚偽記載には禁固刑や罰金刑を設けています。

 これら政治団体の収支報告書の公開、監査などの具体的な制度や手続きを定めるため、総務省内に「政治資金適正化委員会」を設置。同委員会の委員は国会の同意をへて総務相が任命します。

 このほか、政治資金収支報告書をインターネット上で公開することも定めています。

 同「改正」案は、与野党間の国対委員長会談と実務担当者の協議を経てまとめられた「合意事項」をもとに法案化されたものです。しかし、協議の当初から与党も了承していたはずの政党助成金の使途の全面公開は、「合意事項」とりまとめの段階で見送られました。

 日本共産党は協議の当初から、政治資金の公開は、収支を国民の直接の監視のもとにゆだねるべきであり、監査制度の導入や適正化委員会の設置は不必要だと主張。企業・団体献金など政治献金の「入り」(収入)の問題も盛り込まれず、政党助成金の使途の全面公開も見送ったことを批判し、「合意事項」への不同意を表明してきました。


--------------------------------------------------------------------------------

適正化委・監査制度は不要
佐々木議員指摘


(写真)質問する佐々木憲昭議員=19日、衆院倫選特別委

 日本共産党の佐々木憲昭議員は十九日の衆院政治倫理・公職選挙法特別委員会で、監査制度導入や適正化委員会設置などを盛り込んだ政治資金規正法「改正」案の問題点をただし、反対を表明しました。

 佐々木氏は、政治資金の収支を広く公開して国民の不断の監視のもとに置くことが基本であり、収支報告書の監査などそもそも必要ないと指摘。弁護士や公認会計士、税理士を「登録監査人」とする「監査」だが、その内容は、会計帳簿と領収書を突き合わせるだけで、高度な専門的知識は必要なく、「収支報告書」にたんなる「お墨付き」を与えるだけで、このための適正化委設置や監査制度導入は税金のムダ遣いだと批判しました。

 また、今後監査が強化されることになれば政治活動への介入のおそれもあると指摘しました。

 発議者の棚橋泰文委員長は、公開の基本については「指摘のとおり」だとのべながら、監査制度導入は「与野党間の協議での議論を経たもの」との答弁に終始しました。

 また佐々木氏は、企業・団体献金や政党助成金を含む「入り」の問題こそ、国民にとって一番の関心事だと指摘。与野党協議では与党も当初から表明しながら一方的に見送った政党助成金の支出の全面公開について、「こんなことはすぐにやるべきだ」と主張しました。

 佐々木氏は、現行では毎年の収支報告書を翌年九月三十日までに公開しているのに、二カ月遅い十一月三十日までに公開とする理由を質問。増田寛也総務相は、「形式審査」に時間がかかることなどを理由に挙げました。佐々木氏は、「登録監査人が監査するというなら、形式審査の必要はなくなる」とのべ、公開時期の前倒しを要求。増田総務相は、国民が迅速な公開を求めていることを十分踏まえるとの考えを示しました。

(出所:日本共産党HP 2007年12月20日(木)「しんぶん赤旗」)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民主が新テロ法対案-自衛隊アフガン派遣容認-

2007-12-26 01:00:06 | 国内政治
民主が新テロ法対案
自衛隊アフガン派遣容認

--------------------------------------------------------------------------------

 民主党は二十一日、政府の新テロ特措法案への対案となる「アフガニスタン復興支援特別措置法案」を参議院に提出しました。民主党は同法案の早期審議入り・採決を目指す方針で、同日、与党に対し来週にも同法案の趣旨説明を行うよう申し入れました。

 民主党案は人道復興支援を中心としつつ自衛隊のアフガン本土への派遣を容認し、現行法の枠を超えて武器使用基準を緩和しています。また、福田首相と小沢代表の間で交わされた「大連立」論議のテーマである自衛隊派兵の恒久法の早期整備を盛り込み、国連決議がある場合にはインド洋での海上阻止活動への参加を検討するとしています。

 民主党はすでに法案の一歩手前の「要綱」をまとめていましたが、党内での意見集約が十分でないことなどから法案化・国会提出には慎重論が出されていました。しかし、二十日に小沢一郎代表が党幹部を集めて法案化を指示。一転して国会提出へと踏み切ったものです。

 同党幹部周辺は「内閣支持率の急落、政府案への反対論の増加など世論の変化をふまえ、与党に対し攻勢をかける中で民主党の考えを法案として示すことが必要だと(代表が)判断した」と説明。また鉢呂吉雄「次の内閣」外相は「仮に(再延長された臨時国会の会期末となる)一月十五日までに十分審議ができない際は、継続審議として通常国会で改めて双方の法案を審議すべき」だとの考えを示しました。

 民主の新テロ法対案
「アフガンの事態と国民の願いに逆行」
穀田氏

--------------------------------------------------------------------------------

 日本共産党の穀田恵二国対委員長は二十一日、新テロ特措法案に対する民主党の対案について、国会内で記者団に問われ、感想を述べました。

 穀田氏は「(対案は)提出されたばかりであり、詳細は党として今後、検討したい」と述べたうえで、アフガニスタンではタリバンを含む反政府勢力と政治的交渉による和平を追求する「平和と和解のプロセス」が進んでおり、いま重要なことは、この動きを前進させることだと指摘。そのためには、米国が展開している軍事掃討作戦への支援ではなく、平和と和解を支援する外交的努力が必要だと強調しました。

 民主党の対案について穀田氏は、▽「復興支援」の名のもとに、自衛隊をアフガンに派兵することが中心であり、武器使用も拡大し、憲法に抵触する▽自衛隊の海外派兵についての恒久法の整備や、海上阻止活動全体に活動範囲を拡大することの検討が盛り込まれている―という重大な問題点を指摘。「いまアフガンで進行していることに逆行するし、国民が求めている点にも逆行していると言わざるを得ない」と述べました。

(出所:日本共産党HP 2007年12月22日(土)「しんぶん赤旗」)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「改正」政治資金規正法 何が問題か-日本共産党の佐々木憲昭議員に聞く-

2007-12-26 00:58:03 | 国内政治
「改正」政治資金規正法 何が問題か
佐々木憲昭議員に聞く

--------------------------------------------------------------------------------

 「政治とカネ」をめぐる与野党協議に参加した日本共産党の佐々木憲昭国対副委員長・衆院議員に、二十一日に成立した「改正」政治資金規正法の問題点を聞きました。

--------------------------------------------------------------------------------

反対した理由は
 ―日本共産党は法案に反対しましたが、その理由は?

 この法案は、「与野党協議の合意にもとづく」とされています。しかし、わが党は、不必要な監査制度や適正化委員会は導入すべきでないとの観点から、「合意事項」には同意できないと述べてきました。法案に反対したのは、そのためです。

 それなのに、衆院の政治倫理・公職選挙法特別委員会で強引に法律案の提出が決められ、衆参でそれぞれ一時間余りの質疑しかおこなわれないなど、審議のあり方としても問題を残しました。

政治資金は国民の監視のもとに置くのが基本
 ―すべての領収書の原則公開とともに、監査制度や適正化委員会を新しくつくることになりましたが。

 法案では、国会議員にかかわる政治団体について、一万円以上の支出は、政治資金収支報告書への記載と領収書の添付を義務づけ(現行は五万円以上)、一万円未満の領収書については各団体が保管し、公開請求があった場合に総務大臣等の判断で開示するという仕組みとなりました。

 もともと政治資金の公開は、政治団体がその収支をありのままに公開し国民の不断の監視のもとにおき、国民の判断にゆだねるのが基本です。

 ところが法案は、政治団体の収支報告書提出にあたり、登録監査人による「政治資金監査」をわざわざ義務づけています。これが問題なのです。

不要な「お墨付き」
 ―「政治資金監査」というのはどのようなものですか。

 「監査」といっても、収支報告書の記載内容と、会計帳簿、領収書などを形の上でつきあわせるだけです。領収書の多重計上などをチェックするものではありません。

 結局、弁護士、税理士、公認会計士という専門家のお墨付きをもらうためのものです。

 そのうえ、監査人の登録や監査マニュアルをつくるために「適正化委員会」という新たな組織までつくり、何億円もの予算をつぎ込むというのです。こんなことはまったく必要なく、ムダ遣いそのものです。

 収支は、政治団体の責任でありのままに公開すればいいのであって、監査人の“お墨付き”など必要ありません。判断するのは国民ですから。仮に、監査のチェックを厳しくする方向が強まれば、政治活動への介入にもなりかねません。

インターネット公開は前進だが逆行も
 ―インターネット公開は前進では。

 インターネット上で収支報告書を公開し、自由な閲覧とプリントを可能にしたことは前進です。日本共産党は、これを一貫して主張してきました。

 しかし法案では、収支報告書に監査報告書を添付することを理由に、提出期限を三月末から五月末に遅らせ、その収支報告書の公開も現行の九月三十日から十一月三十日に遅らせることにしています。これは逆行です。私は質問で、収支報告書が提出されれば、速やかにそのままインターネット等で公開すべきであり、遅らせる理由はまったくないと主張しました。

 増田寛也総務相は「スピーディーに公表するという一般の要請を踏まえ」対応すると答えざるをえませんでした。

政党助成金の支出全面公開は棚上げ
 ―政党助成(交付)金の一円からの支出公開は先送りされましたが。

 そうです。私たちは、その点をきびしく批判しました。政党助成金は、国民の税金を原資とするものであり、それを受け取っている政党の収入の六割から八割をも占めています。国民に使途を全面公開するのは当然なのです。

 今度の政治資金規正法改正で、すべての領収書の公開を義務付けながら、政党助成金の支出は全面公開の対象から除外するというのは、著しくバランスを欠いています。

 もともと、政党助成金の支出の全面公開については、自民党も公明党も賛成でした。ところが、土壇場になって自民党が「一致していない」などと言い出して、先送りしてしまったのです。極めて不可解なことです。

政治資金は「入り」のチェックが基本
 ―今回は「出」(支出)に焦点が当たりましたが、「入り」(収入)の問題こそ本質だとの声もありますが。

 その通りです。「政治とカネ」をめぐって一番重要なことは、企業・団体献金や政党助成金など政治資金の「入り」の問題です。政官財癒着をはじめ、政治をゆがめる事件は、しばしばそこから起こってきました。

 日本共産党は、国民の立場にたって、企業・団体献金禁止と政党助成制度廃止という道理ある主張を今後もつらぬく決意です。

 聞き手・林 信誠
 写 真・山形将史

(出所:日本共産党HP 2007年12月22日(土)「しんぶん赤旗」)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自公政権の予算案ー高齢化で増える社会保障予算の二千二百億円の削減し、米軍再編など軍事費を聖域ー

2007-12-26 00:51:24 | 国内経済
主張
政府予算案
展望なき「構造改革」への固執

--------------------------------------------------------------------------------

 福田内閣が二〇〇八年度予算の政府案を決定しました。一般会計総額は八十三兆円、政策的経費である一般歳出は四十七兆円で、税収見込みが五十三兆円と低迷し、国債による借金が二十五兆円となっています。

 福田康夫首相は「構造改革」路線を堅持した予算案だと強調しています。額賀福志郎財務相は記者会見で、「一言でいえば『成長と改革』の予算だ」とのべました。

くらしと経済の障害
 ゆきづまりが明確になっている「構造改革」路線への固執こそ、くらしと経済を立て直す最大の障害となっています。

 「構造改革」路線を財政面で具体化した二〇〇六年の「骨太方針」は社会保障を歳出抑制の標的とし、消費税増税を税制「改革」の柱にしながら、経済成長によって税収を増やすという方針を打ち出しました。

 同時に歳出面ではグアム基地の建設を含む米軍再編など軍事費を聖域とし、歳入では国際競争力を名目に大企業への減税の大盤振る舞いを前提に据えています。

 この「構造改革」路線の矛盾が噴出しています。

 政府予算案は来年度も、高齢化で増える社会保障予算の二千二百億円の削減を盛り込みました。米軍への「思いやり」予算をやめれば、即座に二千億円の財源を生みだせるし、生活保護の「母子加算」の段階廃止は兵器価格の水増しを一部改めるだけで中止できる予算額です。

 高齢化に伴う社会保障の増加を無理やり抑える「構造改革」路線は、貧弱な社会保障を底割れさせ、「医療難民」「介護難民」など悲痛な現実となって表れています。

 歴代厚労相さえ社会保障費の削減は限界だと表明しているほどです。これ以上患者や家族、庶民の負担を増大させることは許されません。

 厚生労働省の調査によると、国内総生産に対する社会保障給付費の割合が30%近いドイツ、フランス、20%を超えるイギリスに対して日本は17%程度にすぎません。社会保障を中心とする社会的な安全網が極めて貧弱なまま放置されていることが、一九九〇年代後半の不況をより深刻にしたように、日本経済の大きな弱点になっています。

 世界経済の結びつきがますます強まり、国際的な経済環境の変化の影響が大きくなればなるほど、国内経済、とりわけ内需・家計の安定がいっそう重要になってきます。ところが「構造改革」路線は、社会保障の削減や雇用の不安定化などを通じて、もともと弱かった日本の家計を徹底的に痛めつけてきました。

 内需・家計を冷やす「構造改革」の矛盾が、アメリカ経済の変調によって改めて表面化しています。

 「構造改革」路線の「成長戦略」は、大企業の競争力・収益力を強めていけば、企業収益がいずれ家計にも波及するというものです。ところが、リストラと輸出頼みの大企業の好業績はすそ野が広がらず、政府予算案でも税収の頭打ちが鮮明になっています。内閣府が発表した「日本経済2007―2008」は、「景気回復の家計部門への波及が停滞した状況にある」と分析しています。

家計を温める予算に
 「構造改革」路線は、額賀財務相が自慢する「成長」と「改革」の両面で、展望のないゆきづまりが鮮明になっています。

 「構造改革」路線を転換し、大企業減税と軍事費の「二つの聖域」にメスを入れ、家計を温める予算に抜本的に改めることが必要です。

 消費税増へ「橋渡し」
来年度予算政府案を決定
社会保障2200億円圧縮継続

--------------------------------------------------------------------------------

 福田内閣は二十四日、二〇〇八年度予算政府案を閣議決定しました。社会保障費の伸びは今後も毎年二千二百億円ずつ圧縮し続けながら、消費税増税へ「橋渡し的な位置付け」(額賀福志郎財務相)をした予算案です。

--------------------------------------------------------------------------------

 国と地方の借金(長期債務残高)は〇八年度末で七百七十六兆円程度まで膨らむ見込みです。

 借金は一九九〇年代に急膨張しました。アメリカの外圧を受け、相次いで大型公共事業中心の「経済対策」を実施してきた結果です。

 小泉内閣以来の「構造改革」のもとでも、自民・公明内閣は、生活密着型の公共事業を厳しく抑制する一方、大型公共事業は温存し続けてきました。来年度予算案で、公共事業関係費は対前年度比3・1%減ですが、スーパー中枢港湾などの大型公共事業は軒並み増額。一方、地方港湾や住宅、下水道のための予算は削減しています。

 大企業や大資産家に対する数々の減税策も、税収の空洞化を招き、「財政危機」に拍車をかけています。

 八〇年代半ばには43・3%だった法人税の基本税率は、段階的に引き下げられ、現在30%になりました。所得税の最高税率も、段階的に引き下げられてきました。

 自民・公明両党は〇八年度税制「改正」でも、研究開発減税の拡充や減価償却制度「見直し」など、いっそうの大企業減税を提起。証券優遇税制の一部温存・拡充など資産家減税も維持しようとしています。

 「聖域なき防衛関係費の見直し」を掲げながら、〇八年度予算案でも五兆円規模の軍事費が維持されました。

 海外派兵型装備の拡充に伴って膨れ上がってきた軍事費。来年度予算案でも、海外展開可能な次期哨戒機の調達経費を計上。在日米軍再編経費も大幅増額し、在日米軍への「思いやり予算」も、二千八十三億円とわずか九十億円の削減にとどまりました。

「聖域」にメスを 共産党が主張
 福田自民・公明政権は「社会保障財源」や「財政再建」を口実に、消費税増税へ「橋渡し」しようとしています。

 日本共産党は、浪費をなくし、ゆきすぎた大企業・大資産家減税と軍事費の「二つの聖域」にメスを入れれば、消費税増税なしで、社会保障の財源を生み出し、財政再建の道も開けると主張しています。

--------------------------------------------------------------------------------

税収53兆5540億円
 福田内閣が24日決めた2008年度予算政府案は、予算全体の規模を示す一般会計総額が、07年度当初予算比0.2%増の83兆613億円となりました。2年連続の増額です。一般歳出は総額で、同0.7%増の47兆2845億円となりました。

 大企業は空前の利益を維持しているものの、原材料費の高騰や経済の先行き不透明感の高まりをうけ、税収は53兆5540億円(対07年度当初予算比0.2%増)にとどまりました。

 福田内閣は、「骨太の方針2006」に基づき、2200億円に及ぶ社会保障の自然増圧縮を08年度予算でも実施。こうした歳出削減の結果、国債の新規発行額は、25兆3480億円と4年連続で減額となりました。

(出所:日本共産党HP 2007年12月25日(火)「しんぶん赤旗」)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ごみ有料化問題ー有料にして一年余りの京都市と有料実施を住民の強い批判で延期した岩手県北上市ー

2007-12-26 00:47:24 | 国内経済
列島だより
ごみ有料化 乱暴です

--------------------------------------------------------------------------------

 各地で、ごみの処理問題が課題になっています。「ごみの減量」を理由の一つにあげて、家庭ごみ収集を有料にする自治体が増えています。住民の声に反して有料にして一年余りの京都市と、有料実施を住民の強い批判で延期した岩手県北上市からのリポートを紹介します。


--------------------------------------------------------------------------------

広がった市民的議論
減量に企業の責任問う声
京都市

 京都市では、十二年におよぶ現市政のもとで三百五十八億円もの市民負担増が行われ、その一環として昨年十月、家庭ごみ有料化が強行されました。家庭ごみ袋は四十五リットル袋の場合は一枚四十五円(一リットル一円)、資源ごみ袋はその半額での有料化となりました。

売り上げ22億円
 市は年間で、ごみ袋二十二億円分を売り上げ、十三億円の収益を見込んでいます。「有料化ではなく、まず他都市並みにまともな分別収集をすべきだ」という市民の声は黙殺され、「ごみ減量」を口実に強行されました。

 市民の強い怒りにさらされた自民・公明・民主・無所属のオール与党は動揺し、有料化にあたって十三項目の付帯決議をつける「異例の対応」に追い込まれました。

 有料化から一年がたちました。「ごみ袋が高いから、足でぎゅうぎゅう詰めにして、ごみを出している」「スーパー店頭にトレーを返している」「ごみはそんなに減っていない」というのが市民の実感です。

 市は、家庭ごみ20%減量、資源ごみ16%減量と発表しましたが、市民一人当たり一日約八十五グラム減量という水準にとどまります。新聞紙一部を古紙回収に出せば百四十グラム減量、ペットボトル(五百ミリリットル)をスーパー店頭に戻すと三十グラム減量ということを考えると、民間資源回収ルートに、ごみが流れたと考えるのが自然です。実際、スーパー店頭回収は数倍、古紙回収業者の取り扱う古紙の量は一割増加しています。

 つまり、「有料化」できびしい家計をむち打たなくても、市職員が市民と一緒に汗をかき「分別」を徹底すれば十分達成できた「効果」だったわけです。しかも、京都市は「ごみを減らす」と言いながら、「ごみが減らない」という前提で、焼却灰溶融炉という新たなゴミ処理施設を建設中です。建設費総額約二百億円。運転・維持だけでも年間十八億円、人件費はさらに数億円以上かかります。有料化で得た収益は瞬く間に消えてなくなる乱暴な税金の使い方です。

出し方が話題に
 また、同時に、分別の徹底だけで問題解決するとは思っていません。実際、京都市でも今年十月からプラスチック製容器包装の分別収集が本格的に始まりました。

 有料化の時は「ごみの出し方」が話題になりましたが、分別の拡大の場合には「ごみの成分」に関心が集まり、その分、ごみそのものをどう減らすのか立ち入った市民的な議論が始まりました。「ごみが発生してから対処するのではなく、商品をつくる前の段階からの手立てが必要」という議論におのずと向かいます。

 そうした議論の中で、廃棄物の収集まで企業が責任をおってこそ「ごみの発生しにくい社会」にできると拡大生産者責任を求める声が強まっています。

 有料化などという乱暴な手法ではゴミ問題は解決しない。市民的なゴミ談義を各地に広げ、国の廃棄物行政そのものの転換を迫る世論を作ることが何よりも大切だと、幅広い市民の皆さんとの共同を広げているところです。(冨樫豊・京都市議)

反対運動で先送り
処理料上乗せ中止へさらに
岩手・北上市

 家庭ごみの収集有料化を岩手県内で初めて打ち出した北上市(人口九万四千人)で、有料化に反対する「くらしと環境を考える市民の会」(平田幸一代表)が呼びかけた請願署名が反響を広げています。住民の批判を受けて、市は実施の延期を余儀なくされました。

市民負担は変だ
 「『ごみ処理費用は、ごみを出す市民が負担するべきだ』という考えは、おかしい。私たちは、いまでも税金をいっぱい取られている。市は、それを振り向けてほしい」。地域で十五人から署名を集めた五十九歳の女性は切々と訴えます。

 市は八月二日の議会全員協議会で、家庭ごみ有料化を十二月議会に提案し、来年七月から実施する基本方針を発表。市民は八月三日付の地元紙を見て初めて知りました。

 「有料化方針は突然だった。専任指導員の配置や『市民会議』の設置など、これまで市と住民が行ってきた、ごみ減量化の努力にも水を差すものだ」。市民の会に参加する日本共産党の鈴木健二郎市議は怒ります。

 市が示したのは、現在使われている指定ごみ袋代に処理手数料を上乗せする方式です。「大」十二・五円(四十リットル)を五・八倍の七十三円(四十リットル)に値上げするなど、市民の負担を増大させる内容でした。

 市が開催した住民説明会やパブリックコメント(公募意見)で寄せられた意見は四百五十五人に達しましたが、「ごみの減量にはつながらない」「実施時期が早すぎる」などの疑問や不安の声が続出しました。

 市民の会は十月下旬から、有料化中止を求める請願署名を開始。街頭宣伝では、「石油高騰で生活物資も値上がりし、くらしが大変だ。ごみ収集は無料のままにして」などの声とともに、七時間で四百三十人から賛同を得たこともありました。署名は短期間で四千人を突破しました。

今も署名送られ
 こうしたなか、市は十一月五日の議会全員協議会で、有料化の提案を来年六月議会に、実施を同十二月に先送りし、ごみ袋「大」(四十リットル)の値上げを六十三円に変更するなどの見直し案を出しました。

 市民の会の平田代表は「世論と運動が有料化の実施を延期させた」と力を込めます。市民の会は署名用紙とビラを全戸配布しましたが、問い合わせ先の平田さんの自宅には、いまも住民から署名入りの封書が返送されてきています。

 市は十二月十六日までに、見直し案の住民説明会を各地で開きました。参加した先述の五十九歳の女性は「見直し案も負担増では変わりがないと思った。何とか中止させたい」と話します。

 市民の会は、来年六月議会に向けて請願署名をさらに集めるとともに、来年三月の市議選の大きな争点にしようと、予定立候補者らに公開質問状を提出する予定です。(岩手県・三国大助)

(出所:日本共産党HP 2007年12月24日(月)「しんぶん赤旗」)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする