主張
自民党総裁選
敗北の重さが混迷を深める
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総選挙で大敗した自民党が、特別国会での首相指名選挙をめぐり、混迷を極めました。
大敗の責任をとって辞める麻生太郎総裁には首相指名投票で投票できないと批判され、麻生氏は指名選挙前に辞任することになりました。執行部はこれによって首相指名選挙は「白紙」投票で取りまとめようとしましたが、国会議員の責任放棄になるとの批判が強くてまとまらず、結局、若林正俊両院議員総会長を「暫定候補」に立てることになりました。形ばかりの「首相」候補です。
「自公政権ノー」の審判
麻生氏が首相指名選挙の前に辞任することで、自民党は28日の総裁選までは総裁が空席になるという異常事態です。総裁選の行方も不透明です。文字通り大敗の重みが、自民党を迷走させています。
自民党は総選挙の結果、改選前にくらべ議席を約3分の1に減らして政権党の座を失い、1955年の結党から半世紀ぶりに第1党の座も滑り落ちました。自民党にとって深刻なのは、その大敗が自ら招いた結果だということです。
選挙後おこなわれたどのマスメディアの世論調査でも、民主党が自民党に大勝した理由は、「麻生首相や自民への不満」が46%(「読売」2日付)、「自民党への不満」が52%(NHK7日放送)などとなっています。選挙結果が、民主の政策を国民が支持したというより、「自公政権ノー」の審判だったことは明白です。
しかも、その調査で自民党の敗因を見ると、「政策や実績への不満」32%、「政権担当能力の低下」27%、「自民への拒否感」19%など(いずれも「読売」)があげられています。産経・FNNの合同調査(8日付)でも、トップは「麻生首相の判断や言動」29・5%ですが、「自民党の実績の評価」28・9%や、「麻生首相以前の首相の判断や言動」19・6%などが上位に並びます。
自民党の政治そのものが国民に愛想をつかされていることを、調査結果は示しています。総裁の首をすげかえたぐらいですむ問題ではありません。
大事なのは、選挙結果が自公政権に「ノー」の審判を突きつけただけでなく、「財界中心」と「日米軍事同盟中心」という自民党政治そのものがもはや通用しなくなっていることを浮き彫りにしていることです。
長年にわたった自民党政治で国民の暮らしはズタズタにされてきました。
財界・大企業の利益を最優先する自民党の政治では暮らしと経営は守れないし、何があってもアメリカとの軍事同盟を守って軍事一辺倒で対応するという政治では、日本の平和も守れないというのが国民の実感です。
都市でも農村でも、自民党のこれまでの支持基盤が音を立てて崩れています。日本に新しい政治を開いていくためには、自民党政治のゆがみを大本からただす仕事を避けて通ることはできません。
歴史的使命終わったの声
選挙後混迷を深める自民党の姿は、それ自体、自民党には事態に対応する能力が失われたことを示すものです。同時に、自民党内からも、自民党の歴史的使命は終わったとの声が上がります。
自民党が自らの大敗の根本原因に向き合わない限り、いよいよこの党に未来はなくなります。
(出所:日本共産党HP 2009年9月10日(木)「しんぶん赤旗」)
主張
自民党総裁選出
後ろ向きの野党に未来はない
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自民党の総裁選挙で、元財務相の谷垣禎一氏が中堅・若手らの推した河野太郎氏と西村康稔氏を退け、新総裁に選出されました。
衆参両院の議員票199票、都道府県連ごとに党員が投票する地方票300票のうち、谷垣氏の得票はいずれも過半数を占めました。しかし地方票では河野氏が109票を獲得しており、圧倒的な勝利というほどではありません。地方票の投票率も前回を下回り、低調ぶりは明らかです。
「再生」いうが旗がない
それにしても、ほとんど国民の話題にものぼらない、盛り上がりを欠いた総裁選でした。自民党が政権党から野党になり総裁選が首相指名に直接かかわらなくなったことや、有力候補が次々辞退しただけではありません。論戦自体が「挙党一致」や「世代交代」など内向けに終始し、総選挙敗北の原因や反省についても、どう再生しようとするのかについても、示すことがなかったからです。
今回の総裁選は、自民党が総選挙で大敗し、麻生太郎氏が首相も総裁も辞任したことによるものです。本来自民党が国民の信頼を取り戻そうと思うなら、なにはさておいてもこれまでの政治をどう反省し、どういう方向をめざすのかを明らかにすることが不可欠です。自民党の「再生」を口にしながら「旗」も掲げられないのでは、期待しろといっても無理な話です。
総選挙での国民の審判は、自公政権に「ノー」の審判を突きつけるとともに、長年にわたった「大企業中心」「日米軍事同盟中心」の自民党政治そのものが、もはや国民に通用しなくなったことを示しています。とりわけ大企業を肥え太らせただけで国民の「貧困と格差」を拡大し、暮らしをズタズタにした「構造改革」路線への批判が噴出しました。
いまや自民党を支持してきた医師会や農業・中小企業団体など支持基盤からも“自民党離れ”が相次いでいます。にもかかわらず、小泉純一郎内閣の財務相として「構造改革」路線を推進した谷垣氏からは、反省のことばもなければ、「構造改革」路線を変えるという表明もありません。地方に支持を広げた河野氏は、「中途半端が問題」と、小泉「構造改革」路線を徹底する立場です。反省も転換もないままでは、「再生」の「旗」を掲げることはできません。
3人の候補は総裁選終盤になって、鳩山由紀夫内閣への批判を繰り返すようになりました。しかしその内容は、「負担が後回しでは行き詰まる」(谷垣氏)などと、国民への負担増を迫るものです。鳩山内閣が打ち出した、温暖化防止のため温室効果ガスを2020年までに25%削減するという目標に対しても、反対する財界や一部の産業界の意向を受け、「国民の合意がない」(同)という批判です。いずれも国民の願いを実現する立場からのものではありません。
国民の願い実現を妨害
自民党が政権党の時代に進めた路線は反省しないまま、野党になったからというだけで新政権の政策をあれこれ批判しても、それは“後ろ向き”の批判にしかなりません。それこそ国民の願い実現を妨害するだけです。
自民党が歴史的大敗をもたらした根本的原因に向き合わず、“後ろ向き”の批判を続ける限り、そんな「野党」に未来はありません。
自民党総裁選結果について
国民生活破壊の反省なし
市田書記局長が会見
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日本共産党の市田忠義書記局長は28日、国会内で記者団から自民党総裁選の結果について問われ、次のように答えました。
一、今回の自民党の総裁選挙は、同党が結党以来、史上初めて第1党から転落したなかでおこなわれた。それだけに、今回の総裁選では、自民党として今後、どのような政策と路線で国政に臨むのかが、するどく問われるはずであった。
しかし、新総裁となった谷垣禎一・元財務相をはじめとする立候補した3氏が、総裁選で共通して訴えたのは、もっぱら世代交代論や派閥の是非、党運営のあり方といった問題が中心だった。これらはいずれも“内向き”の議論であり、そこには、この間、政権党としての自民党が、国民生活と日本の社会をどのように破壊し、疲弊させてきたかについて、自省的な議論はほとんどなされなかった。
一、今回の総選挙での敗北の原因ともなってきた大企業中心主義と対米追随という基本路線については、どの候補・陣営からも一切省みられることがなかった。この間の自民党支持率の長期低落傾向や支持基盤の崩壊現象の意味と理由を正面から受け止めるなら、みずからの政策と路線の根本を問い直すことが不可欠だったはずである。
一、自民党幹部などからは、今後の同党の役割について、「建設的野党」や「健全野党」などといったことが表明されている。しかし、従来の“自民党政治”を清算しないまま、これまでの路線を踏襲しつづけるなら、「建設的野党」といっても、総選挙を通じて自民党政治に代わる新しい政治を求めた有権者・国民の期待と願いに、正面から応えることはできない。
(出所:日本共産党HP 2009年9月29日(火)「しんぶん赤旗」)
自民党総裁選
敗北の重さが混迷を深める
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総選挙で大敗した自民党が、特別国会での首相指名選挙をめぐり、混迷を極めました。
大敗の責任をとって辞める麻生太郎総裁には首相指名投票で投票できないと批判され、麻生氏は指名選挙前に辞任することになりました。執行部はこれによって首相指名選挙は「白紙」投票で取りまとめようとしましたが、国会議員の責任放棄になるとの批判が強くてまとまらず、結局、若林正俊両院議員総会長を「暫定候補」に立てることになりました。形ばかりの「首相」候補です。
「自公政権ノー」の審判
麻生氏が首相指名選挙の前に辞任することで、自民党は28日の総裁選までは総裁が空席になるという異常事態です。総裁選の行方も不透明です。文字通り大敗の重みが、自民党を迷走させています。
自民党は総選挙の結果、改選前にくらべ議席を約3分の1に減らして政権党の座を失い、1955年の結党から半世紀ぶりに第1党の座も滑り落ちました。自民党にとって深刻なのは、その大敗が自ら招いた結果だということです。
選挙後おこなわれたどのマスメディアの世論調査でも、民主党が自民党に大勝した理由は、「麻生首相や自民への不満」が46%(「読売」2日付)、「自民党への不満」が52%(NHK7日放送)などとなっています。選挙結果が、民主の政策を国民が支持したというより、「自公政権ノー」の審判だったことは明白です。
しかも、その調査で自民党の敗因を見ると、「政策や実績への不満」32%、「政権担当能力の低下」27%、「自民への拒否感」19%など(いずれも「読売」)があげられています。産経・FNNの合同調査(8日付)でも、トップは「麻生首相の判断や言動」29・5%ですが、「自民党の実績の評価」28・9%や、「麻生首相以前の首相の判断や言動」19・6%などが上位に並びます。
自民党の政治そのものが国民に愛想をつかされていることを、調査結果は示しています。総裁の首をすげかえたぐらいですむ問題ではありません。
大事なのは、選挙結果が自公政権に「ノー」の審判を突きつけただけでなく、「財界中心」と「日米軍事同盟中心」という自民党政治そのものがもはや通用しなくなっていることを浮き彫りにしていることです。
長年にわたった自民党政治で国民の暮らしはズタズタにされてきました。
財界・大企業の利益を最優先する自民党の政治では暮らしと経営は守れないし、何があってもアメリカとの軍事同盟を守って軍事一辺倒で対応するという政治では、日本の平和も守れないというのが国民の実感です。
都市でも農村でも、自民党のこれまでの支持基盤が音を立てて崩れています。日本に新しい政治を開いていくためには、自民党政治のゆがみを大本からただす仕事を避けて通ることはできません。
歴史的使命終わったの声
選挙後混迷を深める自民党の姿は、それ自体、自民党には事態に対応する能力が失われたことを示すものです。同時に、自民党内からも、自民党の歴史的使命は終わったとの声が上がります。
自民党が自らの大敗の根本原因に向き合わない限り、いよいよこの党に未来はなくなります。
(出所:日本共産党HP 2009年9月10日(木)「しんぶん赤旗」)
主張
自民党総裁選出
後ろ向きの野党に未来はない
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自民党の総裁選挙で、元財務相の谷垣禎一氏が中堅・若手らの推した河野太郎氏と西村康稔氏を退け、新総裁に選出されました。
衆参両院の議員票199票、都道府県連ごとに党員が投票する地方票300票のうち、谷垣氏の得票はいずれも過半数を占めました。しかし地方票では河野氏が109票を獲得しており、圧倒的な勝利というほどではありません。地方票の投票率も前回を下回り、低調ぶりは明らかです。
「再生」いうが旗がない
それにしても、ほとんど国民の話題にものぼらない、盛り上がりを欠いた総裁選でした。自民党が政権党から野党になり総裁選が首相指名に直接かかわらなくなったことや、有力候補が次々辞退しただけではありません。論戦自体が「挙党一致」や「世代交代」など内向けに終始し、総選挙敗北の原因や反省についても、どう再生しようとするのかについても、示すことがなかったからです。
今回の総裁選は、自民党が総選挙で大敗し、麻生太郎氏が首相も総裁も辞任したことによるものです。本来自民党が国民の信頼を取り戻そうと思うなら、なにはさておいてもこれまでの政治をどう反省し、どういう方向をめざすのかを明らかにすることが不可欠です。自民党の「再生」を口にしながら「旗」も掲げられないのでは、期待しろといっても無理な話です。
総選挙での国民の審判は、自公政権に「ノー」の審判を突きつけるとともに、長年にわたった「大企業中心」「日米軍事同盟中心」の自民党政治そのものが、もはや国民に通用しなくなったことを示しています。とりわけ大企業を肥え太らせただけで国民の「貧困と格差」を拡大し、暮らしをズタズタにした「構造改革」路線への批判が噴出しました。
いまや自民党を支持してきた医師会や農業・中小企業団体など支持基盤からも“自民党離れ”が相次いでいます。にもかかわらず、小泉純一郎内閣の財務相として「構造改革」路線を推進した谷垣氏からは、反省のことばもなければ、「構造改革」路線を変えるという表明もありません。地方に支持を広げた河野氏は、「中途半端が問題」と、小泉「構造改革」路線を徹底する立場です。反省も転換もないままでは、「再生」の「旗」を掲げることはできません。
3人の候補は総裁選終盤になって、鳩山由紀夫内閣への批判を繰り返すようになりました。しかしその内容は、「負担が後回しでは行き詰まる」(谷垣氏)などと、国民への負担増を迫るものです。鳩山内閣が打ち出した、温暖化防止のため温室効果ガスを2020年までに25%削減するという目標に対しても、反対する財界や一部の産業界の意向を受け、「国民の合意がない」(同)という批判です。いずれも国民の願いを実現する立場からのものではありません。
国民の願い実現を妨害
自民党が政権党の時代に進めた路線は反省しないまま、野党になったからというだけで新政権の政策をあれこれ批判しても、それは“後ろ向き”の批判にしかなりません。それこそ国民の願い実現を妨害するだけです。
自民党が歴史的大敗をもたらした根本的原因に向き合わず、“後ろ向き”の批判を続ける限り、そんな「野党」に未来はありません。
自民党総裁選結果について
国民生活破壊の反省なし
市田書記局長が会見
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日本共産党の市田忠義書記局長は28日、国会内で記者団から自民党総裁選の結果について問われ、次のように答えました。
一、今回の自民党の総裁選挙は、同党が結党以来、史上初めて第1党から転落したなかでおこなわれた。それだけに、今回の総裁選では、自民党として今後、どのような政策と路線で国政に臨むのかが、するどく問われるはずであった。
しかし、新総裁となった谷垣禎一・元財務相をはじめとする立候補した3氏が、総裁選で共通して訴えたのは、もっぱら世代交代論や派閥の是非、党運営のあり方といった問題が中心だった。これらはいずれも“内向き”の議論であり、そこには、この間、政権党としての自民党が、国民生活と日本の社会をどのように破壊し、疲弊させてきたかについて、自省的な議論はほとんどなされなかった。
一、今回の総選挙での敗北の原因ともなってきた大企業中心主義と対米追随という基本路線については、どの候補・陣営からも一切省みられることがなかった。この間の自民党支持率の長期低落傾向や支持基盤の崩壊現象の意味と理由を正面から受け止めるなら、みずからの政策と路線の根本を問い直すことが不可欠だったはずである。
一、自民党幹部などからは、今後の同党の役割について、「建設的野党」や「健全野党」などといったことが表明されている。しかし、従来の“自民党政治”を清算しないまま、これまでの路線を踏襲しつづけるなら、「建設的野党」といっても、総選挙を通じて自民党政治に代わる新しい政治を求めた有権者・国民の期待と願いに、正面から応えることはできない。
(出所:日本共産党HP 2009年9月29日(火)「しんぶん赤旗」)