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見送られた派遣法改正 労政審部会-身勝手な財界の主張-

2007-12-27 00:28:12 | 国内労働
見送られた派遣法改正 労政審部会
身勝手な財界の主張
労働者の願いに背向ける

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 労働者派遣法の見直しを検討してきた労働政策審議会の労働力需給制度部会が二十五日まとめた中間報告で、派遣法改正の見送りを決めたことは、労働者・国民の願いにそむくものです。

 派遣法の相次ぐ規制緩和によって非正規雇用を増大させ、ワーキングプアや偽装請負、日雇い派遣など社会問題まで引き起こしているもとで、雇用の安定と労働条件の向上を図るために、抜本的見直しを行うかどうかが焦点になっていました。

■強引に改定
 中間報告では労使の間で「根本的な意見の相違がある」ことを見送りの理由にあげますが、言い訳になりません。厚労省はこれまで労働者側が反対しても強引に法改定を進めてきました。長時間労働野放しのホワイトカラー・エグゼンプションも昨年、労働者側が強く反対したのに審議会の報告に盛り込みました。それが財界に反対されると、改正を見送るなど許されないことです。

 もともと財界側は、審議会を労働者派遣法のさらなる規制緩和にお墨付きを与える場にしようとねらっていました。

 ところが、非正規雇用の増大に国民の怒りが高まり、参院選では自公政治にノーの審判が下されました。「これでは規制緩和どころか逆規制をかけられかねない」と慌てた財界側は、身勝手な言い分を並べ立てて抜本改正に逆らってきました。

 審議会では、派遣労働を増大させている「登録型派遣」について労働者側が、「雇用が不安定で技能も向上しない」と禁止を求めましたが、財界側は「ニーズがある」と反対。不法行為が相次ぐ「日雇い派遣」についても「適正に運営されている業務もある」として禁止に反対しました。

 違法派遣の場合、派遣先に雇用されているとみなす「みなし雇用」についても「一定期間で契約が終わり、雇用が不安定になる」として逆に制限の撤廃を主張しました。不安定になるというのなら正社員化すればいいのであり、こんな身勝手な言い分はありません。

■原点に戻り
 中間報告では、労働者派遣が原則自由であるべきか、本来は限定的なものであるべきか基本的考え方の違いがあるため、根幹にかかわる問題について、研究会で検討をすすめるとしています。

 しかし、「期限の定めのない直接雇用が基本。派遣は臨時的、一時的なものであり、常用雇用の代替にしてはならない」というのが派遣法制定時の原則です。政府も繰り返し、この立場は不変だと言明してきました。

 ところが、財界の要求に従って、一九九六年に対象業務を十六から二十六に拡大。九九年には原則自由化し、二〇〇三年には製造業への派遣も解禁され、ほとんどの業務で派遣労働ができるようになっています。

 派遣法制定の原則に立ち返って、規制緩和の流れに歯止めをかけ、労働者派遣法から派遣労働者保護法に切り替えることこそ求められています。

 労働組合と日本共産党など野党が一堂に会した抜本改正を求めるシンポジウムに与党議員も出席するなど、世論と運動の広がりを与党も無視できなくなっています。審議会が見送りを決めても、参院で与野党が逆転した情勢を生かして抜本改正を実現するため、いよいよ世論と運動の出番となっています。(深山直人)

 派遣法改正見送り
労政審部会 日雇いは指針策定

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 労働者派遣法の見直しを検討してきた厚生労働省の労働政策審議会労働力需給制度部会は二十五日、法改正を見送る中間報告をまとめました。

 相次ぐ規制緩和が生んだワーキングプアや偽装請負、日雇い派遣をなくすため法改正が期待されていましたが、不安定雇用を続けようという財界側に厚労省が追随したもので、労働者・国民の願いにそむくものです。

 中間報告は、「原則自由であるべきだ」とする経営側と、「限定的なものであるべきだ」とする労働側の間で基本的な考え方の違いがあり、「議論を続けても、有意義な結論に到達することは困難」と指摘。派遣は臨時的・一時的なものに制限するという原則を投げ捨て、野放しになっている現状を理由に、法改正を見送るとしました。今後、学識者による研究会で制度の趣旨などについての考え方をまとめます。

 一方、「日雇い派遣」については批判が強いため、省令や指針の整備を速やかに行うことを打ち出しました。

 この日の審議で労働側は「労働者が期待していたのに大変残念。偽装請負など社会問題となっていることを認識して抜本改正すべきだ」と主張。使用者側は、日雇い派遣についても「適正かつ有効に機能している業務もある」とのべ、世論に逆らう姿勢を示しました。

 日本共産党は十七日、「労働者派遣に新しいルールを確立し、派遣労働者の正社員化と均等待遇を実現します」と題する派遣法の改正要求を発表しています。

(出所:日本共産党HP 2007年12月26日(水)「しんぶん赤旗」)
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国連総会-死刑執行の一時停止を求める決議案を賛成百四、反対五十四、棄権二十九で採択-

2007-12-27 00:16:03 | 国際政治
国連総会
死刑停止を初決議
日米中は反対 廃止世論は加速

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 【ワシントン=山崎伸治】第六十二回国連総会は十八日の本会議で、欧州連合(EU)諸国など八十七カ国が共同提案し、加盟国に死刑執行の一時停止を求める決議案を賛成百四、反対五十四、棄権二十九で採択しました。

 こうした決議が採択されたのは史上初めて。国連総会の決議には法的拘束力はありませんが、死刑廃止を求める国際的な世論が強まっていることを印象付けています。

 国連の潘基文事務総長は採択について、「究極的な死刑の廃止に向けた趨勢(すうせい)をさらに裏付けるもの」と歓迎する声明を発表しました。

 決議は死刑執行が「人間の尊厳を損なう」として、その一時停止は「人権の強化、前進に寄与する」と指摘。死刑による犯罪の「抑止効果」は証明されておらず、死刑執行の誤りは取り返しがつかないと強調しています。

 そのうえで死刑制度のある加盟国に対し、(1)死刑囚の権利の保護(2)死刑に関する国連事務総長への情報提供(3)死刑適用の段階的制限(4)死刑廃止を視野に入れての執行の一時停止―などを求めています。

 十一月に行われた同決議案をめぐる総会第三委員会(社会・人道・文化問題)の審議は二日におよび、反対する諸国が修正案を提出するなど激しい議論になりました。

 採決では日本、米国、中国、インド、北朝鮮などが反対しました。

(出所:日本共産党HP 2007年12月20日(木)「しんぶん赤旗」)
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国民の願う高齢者介護・障害者福祉の実現を-深刻な人材不足を打開するための緊急提言-

2007-12-27 00:12:30 | 国内労働
国民の願う高齢者介護・障害者福祉の実現を
深刻な人材不足を打開するための緊急提言
2007年12月25日 日本共産党国会議員団

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 高齢者や障害者の介護・福祉サービスが、いま深刻な人材不足に直面し、大きな社会問題になっています。

 介護労働者は一年間で五人に一人が離職し、日本共産党国会議員団の調査(二〇〇七年九月)では、募集しても予定どおり人が集まらない障害者の事業所が七割近くにのぼりました。希望に燃えて就職した青年たちが、「月収十五万円では結婚もできない」「働きがいがあるが、仕事がきつい割に給料が安い」と無念の思いであいついで職場を去っています。

 高齢社会がすすむなか、今後十年間に約六十万人の介護職員の確保が必要となると見込まれ、障害者福祉も大幅な増員が必要です。このままでは、特別養護老人ホームや訪問介護をはじめ地域の高齢者介護・障害者支援の体制が崩壊しかねない危機的な事態です。

 深刻な人材不足は、自民・公明政権が、介護保険法の改悪や障害者自立支援法の強行などにより、利用者に過酷な負担増とサービスの利用制限をしいる一方で、事業所にたいする報酬を引き下げてきたことを最大の原因としています。各地の事業所が経営危機におちいり、賃金カット、正規職員のパート化など労働条件の切り下げを余儀なくされ、閉鎖に追い込まれた事業所もでています。利用者サービスにも重大な影響を引き起こしているのです。

 おおもとにあるのは、社会保障予算抑制の「構造改革」路線です。“競争がサービスの質を高める”などという口実で報酬を切り下げ、規制緩和、市場原理優先で福祉の営利化をすすめてきた国の責任がきびしく問われなければなりません。

 厚生労働省は〇七年八月、「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」(「人材確保指針」)を十四年ぶりに改定し、「給与」など労働条件の改善策をうちだしました。世論と運動の反映です。国は、この「指針」を実行する責任があります。

 日本共産党は、なによりも利用者のくらしと人権を守るためにも、職員が安心して働くことのできる労働条件をととのえることが大切であるという立場で、介護保険法改悪、自立支援法にきっぱり反対し、政府に抜本的改善・見直しを求めてきました。深刻な人材不足を打開するために、福祉労働者全体が深刻な状況にあるなかで、とくに高齢者介護と障害者福祉分野にしぼって五項目の「緊急提言」をおこない、実現のために全力をあげます。

1、誇りをもって働きつづけられるよう、介護・福祉労働者の待遇の改善を――国の責任で賃金アップへ緊急措置を講じる
 高齢者や障害者の介護・支援は、憲法で保障されたくらしと人権を守る仕事です。働きがいのある、魅力ある職業として社会的に評価され、安心して働きつづけられるよう、職員の劣悪な待遇を一刻も早く改善すべきです。

 ところが介護職員の一カ月の平均賃金は月二十二・七万円で全労働者の六割程度にすぎません。若年の正規職員や常勤パートでも、年収二百万円に満たない労働者が多く、まさに、「官製ワーキングプア」というべき状況です。

 正規・非正規を問わず、いますぐ賃金に一定額の上乗せができるよう、国として「賃金特別加算」措置を緊急につくることを求めます。一定の要件をみたす事業所にたいして、介護・支援の報酬とは別枠で公費により一定の期間措置するものとし、国が指導・監査を徹底して確実に賃金アップがはかられるようにすべきです。事業所の責任はもちろんですが、「国家公務員の福祉職俸給表等も参考とすること」(「人材確保指針」)と改善指針をしめしていることからも、国が責任を果たすべきです。

 介護・福祉労働者の産業別最低賃金の創設も必要です。

2、介護・支援費の事業所にたいする報酬を大幅に引き上げる――08年度から緊急実施を
 介護・福祉労働者の劣悪な待遇を改善する最大のカギは、事業所にたいする報酬を大幅に引き上げることです。利用者のサービス向上にもつながります。国は〇九年度に介護・障害者支援の報酬改定をおこなう予定としていますが、事態は一刻の猶予もありません。〇八年度から前倒しで実施すべきです。

 介護事業所について、ケアプラン作成の報酬などを含めて、介護報酬を実態に見合って引き上げるべきです。特別養護老人ホームの報酬単価を設定する際に用いられている「人件費比率40%」は低すぎます。東京では多くの施設が「70%」にも達しており、至急改善すべきです。

 障害者支援の事業所では、実態を無視した報酬の「日額払い」制はただちに中止し、「月額払い」に戻すべきです。通所・入所施設、児童デイサービスなどの報酬単価は、給食費を報酬に復活することをふくめ、実態に見合った見直し、引き上げをおこなうべきです。

報酬引き上げが利用者負担に連動しないしくみをつくる

 介護保険法と自立支援法は、事業所の報酬を引き上げると、保険料や利用料の負担増となってはねかえるしくみになっています。

 これを解決するために、介護保険は国庫負担をふやして保険料と利用料の負担を軽減すべきです。自立支援法は「応益負担」制度を廃止すべきです。こうすれば報酬を引き上げても、国民と利用者の負担を増やさず、サービスの向上と職員の待遇改善にあてられます。

3、人権をまもる仕事にふさわしい身分保障と労働条件を
 福祉現場では、身分が不安定で賃金の安い非正規職員の占める割合が年々増加し、介護職員で約四割、なかでも訪問介護では実に約八割にものぼっています。あいつぐ報酬削減に加えて、職員配置基準における「常勤換算方式」(非常勤職員の人数を常勤職員の人数に換算してよいとする方法)の導入が拍車をかけています。

 福祉には専門性や経験の蓄積、継続性が求められます。正規職員の配置を中心にした雇用形態ができるようにすべきです。そして、非正規・パートでも、正規職員と変わらない内容の仕事であれば、同等の賃金など労働条件を保障すべきです。

 厚生労働省が〇四年八月、ホームヘルパーの移動・待機時間などへの賃金の支払い、利用者が介護サービスをキャンセルした場合の休業手当の支給など労働条件の改善を求める通達をだしました。介護労働者の運動と日本共産党国会議員団の国会質問が実ったものです。国・自治体は、「通達」を事業所に徹底し、順守させるようにすべきです。

4、心かよいあう介護・福祉のために――人員配置基準を抜本的に改善する
 深夜でも歩きまわるお年よりの付き添いやケアなど、特別養護老人ホームの職員は仮眠もとれないほどの超過密労働です。職員配置基準「三対一」は、交代制勤務などのために、実際は夜間は「高齢者二十五人に職員一人」という厳しい実態になっているのです。

 障害者施設も同様です。もともと劣悪な職員配置基準であったのに、自立支援法で給食・事務・施設長の三人分の職員配置が実質上バッサリ削られてしまいました。

 国は、「従事者の労働の負担を考慮し、また、一定の質のサービスを確保する観点から、職員配置の在り方に係る基準等について検討を行うこと」(「人材確保指針」)としています。

 安全でゆきとどいた介護・支援がおこなえるよう、特別養護老人ホーム・老人保健施設などの職員配置基準の改善、認知症高齢者のグループホームの「一人夜勤」は「複数夜勤」にすること、障害者施設の削減された人員配置基準の復活と充実をはじめ、施設・事業所の職員配置基準の改善を早急におこなうべきです。

5、自治体も福祉の人材確保に役割発揮を
 介護保険や障害者福祉の運営・実施主体は自治体です。都道府県・市区町村も人材確保に責任があります。ところが東京都、大阪府、愛知県などは、「地方行革」の名で、福祉・介護施設にたいする「公私間格差是正制度」や人件費補助制度を次々と廃止・改悪してきました。廃止・削減した補助金を復活、拡充するとともに、他の自治体にも普及されることがのぞまれます。東京・府中市、大阪・吹田市、横浜市などで実施している障害者施設への運営費補助を他の自治体にもひろげることが求められます。

 地域生活支援事業にたいする国の財政支援が不十分なために、小規模作業所や移動支援などの居宅支援事業所の運営が危機的な状況になっています。自治体は独自に支援策を講じるとともに、国は補助金を大幅にふやすべきです。

 職員確保のために、採用時における十分な研修や「介護職員基礎研修」を有給で保障すること、そのための財政支援も自治体と国がおこなうべきです。

 介護・福祉の人材確保のために必要な財源は、予算の浪費を見直すとともに、年五兆円にのぼる軍事費にメスを入れること、大企業と大資産家にたいするゆきすぎた減税をただすことで十分に確保できます。たとえば、介護・福祉労働者の賃金上乗せに必要な財源は、イージス艦二隻分で確保できます。

 ヨーロッパの国々では、高齢者・障害者の尊厳を守るために、福祉・介護サービスに手厚い職員配置をおこない、待遇改善と地位向上に力を入れています。世界第二位の「経済大国」である日本で、こうしたことができないはずはありません。

 日本共産党は、利用者、事業所、国民のみなさんと力をあわせて、深刻な人材確保の危機を打開し、国民の願いにこたえる介護・福祉を実現するために全力をあげます。

(出所:日本共産党HP 2007年12月26日(水)「しんぶん赤旗」)
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