税制
消費税など庶民増税を許さず、大企業・大資産家優遇の「逆立ち税制」をただします
カジノ資本主義の破たんが明らかになる中で、世界では昨年来、これまでの大資産家優遇、多国籍企業優遇の税制の見直しが行われてきています。イギリスでは、今年4月から、証券税制を含めて所得税の最高税率が引き上げられました。アメリカでも、オバマ政権と民主党が、所得税の最高税率引上げなどの富裕層への増税を提案しています。医療保険改革の財源としても、富裕層のメディケア税の税率引上げなどが決められました。こうした動きは欧米各国に広がってきています。
ところが、日本では、自公政権のもとで庶民には定率減税廃止や配偶者特別控除廃止、高齢者への増税など、年間の税額にして5兆円以上もの増税が行われる一方、大企業や大資産家には、98年以降の10年間に、法人税率や所得税最高税率の引下げ、研究開発減税、証券優遇税制など、総額で年間8兆円以上(07年時点)もの減税を行うという「逆立ち税制」が進められてきました。
自公政権にかわった民主党政権も、子ども手当の財源として人的控除の廃止・縮減による増税を打ち出したのに続いて、消費税についても「4年間は上げない」という公約を投げ捨てて、増税の方針をはっきり打ち出しました。菅首相は「10%」という数字にまで言及しています。その一方で、法人税率の引下げを掲げています。経済産業省が要求しているような法人税減税を実施したら、消費税を10%に増税したとしても、そのほとんどが法人税減税の穴埋めに消えてしまい、財政再建にも社会保障財源確保にも役立ちません。
いまでも巨額の利益を上げている大企業に減税しても、内部留保のため込みがますます増えるだけです。その減税の穴埋めを消費税で行えば、国民生活はますます圧迫され、景気がいっそう冷え込むことは必至です。
税は「応能負担」が原則です。所得の少ない人には少なく、所得の多い人にはより多く負担してもらう、そして、生活に必要な最低限の所得をも得られないような人は非課税にするのが当然です。「貧困と格差」が大きな問題となっている今こそ、この原則がいっそう大事になっています。
大企業や大資産家に減税の「大盤振る舞い」をしてきたことが、税収に大きな穴をあけ、巨額の政府債務の原因にもなっています。財政危機から脱却する道を確立するためにも、行き過ぎた減税にメスを入れることが必要です。
日本共産党は、(1)当面する経済の危機的状況から、緊急にくらしと営業をまもる、(2)「逆立ち税制」のゆがみをただす、(3)財政危機から脱却する見通しを確保する――という3つの角度から、次のように税制の改革を進めます。
法人税減税の穴埋めのための消費税の増税に反対します
民主党は、「4年間は消費税を上げない」「無駄を削れば財源はできる」と言ってきましたが、それが破綻し、消費税増税に舵をきりかえようとしています。自民党も、さまざまな「新党」も、消費税増税を主張しています。しかも、これらの政党は、いずれも「法人税率を引き下げる」と、口を揃えて主張しています。法人税減税の穴埋めのための消費税増税であることは明らかです。
日本経団連や経済産業省は、いま40%の法人実効税率を25〜30%に下げろと要求しています。かりに25%に引き下げたら、9兆円もの減収になります。消費税率を10%に引き上げたとしても増収額は12兆円ですから、そのほとんどが法人税減税の穴埋めに消えてしまいます。
消費税の増税は、消費を冷え込ませ、景気に大きな打撃となります。菅首相は、「増税しても、その税収を正しく使えば景気に悪影響はない」などといっていますが、これはとんでもないでたらめです。所得の落ち込みで苦しい家計から消費税をしぼりたてて、巨額の内部留保をためこむ大企業への減税に回すことが、「正しい使い方」だとでもいうのでしょうか。
「財政危機だから消費税増税も仕方ない」とか「社会保障の財源確保のためには消費税増税が必要だ」という議論も、増税を国民におしつけるためのごまかしです。それは、消費税導入以来の実績をみれば明らかです。消費税導入以来の22年間で、税収は累計224兆円にもなりますが、ほぼ同じ時期に企業が納める法人3税(法人税、法人住民税、法人事業税)は208兆円も減ってしまい、消費税収入の9割以上が、その穴埋めに消えてしまったのです。このため、消費税は社会保障の財源にはなりませんでした。そして、この22年間で、国・地方の長期債務残高は246兆円から850兆円へと3.5倍近くに増え、対GDP比でみても60%前後から180%へと3倍に増えてしまいました。
また、消費税は、低所得者ほど負担の重い税金であり、そもそも社会保障の財源にはふさわしくありません。
日本共産党は、法人税減税の穴埋めのための消費税増税にきっぱり反対し、国民のみなさんと力を合わせて、増税阻止のためにたたかいます。
消費税は、将来的には廃止をめざしつつ、当面、次のような改善をすすめます。
―──食料品など生活必需品の消費税を非課税にします。食料品や水光熱費などの生活必需品は、所得の多少によって支出額があまり違わないため、所得対比でみた消費税負担率が低所得者ほど重くなる「逆進性」がとくにひどくなります。こうした品目を非課税にすれば、家計をたすけるとともに、税制のゆがみをただすことにもつながります。
―──消費税の免税点が年間売上3000万円から1000万円に引下げられた結果、零細な業者までが消費税の納税義務を負わされ、税が払えないために廃業を余儀なくされるなど、深刻な事態が広がっています。売上3000万円以下の業者は課税業者の半分にもなりますが、消費税収全体に占める割合は3.6%にすぎません。しかし、1業者あたりの税額は25万円で、零細な業者にとっては大きな金額です。消費税の延納措置を認めるとともに、免税点を引き上げます。
―──保険診療などの医療費は消費税非課税とされていますが、病院や診療所が仕入れる医薬品や医療機器などには消費税が課税されています。これによって、医療費の負担も増えるとともに、病院などの経営も圧迫されています。医療には「ゼロ税率」を適用し、医薬品などにかかった消費税が還付されるようにします。
人的控除廃止に反対し、課税最低限の引き上げなど、所得課税の減税をはかります
民主党政権は、子ども手当の財源確保を口実にして、所得税の扶養控除や配偶者控除の廃止をねらっています。国民の強い反対を前にして、今年度は廃止するのは16歳未満の年少扶養控除だけにとどめましたが、総選挙のマニフェストでは言っていなかった住民税の控除まで廃止し、「存続する」と明言していた特定扶養控除まで、高校生分について縮減してしまいました。来年は、さらに配偶者控除や成年の扶養控除まで廃止することをねらっています。これらの人的控除は「生活に不可欠な経費には課税しない」という「生計費非課税」の原則を具体化したものであり、憲法に定められた生存権に基礎を置くものです。これらの控除を、代替措置もないままに一方的に廃止する増税には、断じて反対します。
06年7月に発表された経済協力開発機構(OECD)の報告書は、日本の生産年齢人口の相対的貧困率が13.5%と、OECD平均の8.4%を大きく上回り、アメリカに次いで第2位であることを示しました。重大なことは、他のOECD諸国では税制と社会保障によって貧困率が大きく改善(18.2%→8.4%)されているのに、日本はわずかしか改善せず(16.5%→13.5%)、税制による貧困率の改善度合いが最も少ない国だと指摘されていることです。
ほんらいなら所得格差是正のために役割を果たすべき税制が、日本ではほとんどその役割を果たしていないのです。それは、税を課すべきでないような貧困層にまで、所得税や住民税の負担が及んでいるからです。いま、独身サラリーマンの所得税の課税最低限は、わずか114万円です。これは、生活保護基準額にも満たない水準です。国際的に見ても低すぎる日本の最低賃金(時給713円)で年間2000時間働いた程度の年収しかなくても、所得税が課税されてしまうのです。これは、「生活に不可欠な経費には課税しない」という「生計費非課税」の原則を踏みにじるものです。
日本の課税最低限は、国際的にも異常に低い水準です。7年前に、政府は「日本の課税最低限は高すぎる」と大宣伝して配偶者特別控除を廃止しましたが、この結果、サラリーマン4人世帯の課税最低限は、325万円に低下しました。さらに、民主党政権が年少扶養控除を廃止し、16〜18歳の特定扶養控除を縮減してしまったため、4人世帯でも子どもが16歳未満の場合の課税最低限は、220万円に下がってしまいます。今では欧米諸国の課税最低限は、日本よりはるかに高くなっています(4人世帯で、アメリカ320万円、イギリス334万円、ドイツ561万円、フランス433万円)。
日本の課税最低限が低いのは、基礎控除が年間でわずか38万円に抑えられたままになっているためです。月額3万円で、どうして「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法25条)ができるというのでしょうか。日本の基礎控除に相当する金額は、イギリスでは96万円、ドイツでは106万円、フランスでは78万円です。日本でも大幅な引き上げが必要です。
―──政府がねらっている所得税・住民税の配偶者控除と成年扶養控除の廃止に反対します。民主党は「所得控除は金持ち優遇」などといっていますが、これは誤りです。所得税・住民税の配偶者控除を廃止した場合、年収500万円なら7.1万円の増税で、対年収比で1.4%の増税ですが、年収1億円なら18.5万円の増税で、対年収比では0.185%にしかなりません。
―──民主党政権が決めた年少扶養控除の廃止の影響で、保育料などの負担が増大しないよう、対策を行わせます。
―──基礎控除を現行の2倍に引き上げ、ヨーロッパ諸国の水準に近づけます。これによって、サラリーマンの所得税の課税最低限は、単身者で156.6万円に上昇します。
―──120万円に引き下げられた高齢者の公的年金等控除の最低保障額を140万円に戻します。所得500万円以下の高齢者について、所得税50万円、住民税48万円の老年者控除を復活します。高齢者の住民税の非課税限度額を復活します。
―──介護保険の要介護認定を受けている人などが障害者控除の認定を受けやすくするように、制度運用の改善をはかります。
―──介護保険や医療保険など、家族の年金などから源泉徴収された社会保険料についても、それを実質的に負担している納税者の所得から社会保険料控除ができるように、改善をはかります。昨年10月から開始された住民税の年金からの特別徴収(天引き)については、各人の希望で普通徴収に変更できるようにします。
―──寡婦控除について、死別の場合だけでなく、離婚の場合やいわゆるシングル・マザーにも適用されるように、制度の改善をはかります。
―──「住宅は福祉」の観点に立って、家賃に関する税の控除制度の創設をはかります。
中小企業支援税制を強化します
この20年間に、中小企業は100万社以上も減少しました。政府の「構造改革」路線で内需が冷え込まされてきたあげくに、大企業の下請けいじめなどで、ただでさえ経営が大変なうえに、消費税の免税点引き下げなどの増税が加わって、「税金が払えず廃業に追い込まれる」という事態も生まれています。大企業ばかりを優遇する税制をあらため、中小企業や零細な事業者を支援する税制に転換します。
―──家族従業者に支払った賃金を「損金」扱いすることを認めていない所得税法56条を廃止して、家族の働き分を経費に認めます。
―──法人税にも累進制を導入し、中小企業の一定範囲内の所得については、現行より税率を引き下げます。
―──法人事業税の外形標準課税を資本金1億円以下の小規模企業にまで拡大することは、赤字企業などに過大な負担を負わせることになるので反対します。
―──事業用資産については、一定期間の事業の承継を条件に、相続税の猶予制度を設けます。
―──「納税者憲章」を制定し、消費税納税にあたっての仕入税額控除否認、機械類への償却資産課税の強化、倒産に追い込む差し押さえの乱発など国と地方の過酷な徴税・税務調査をあらためます。
証券税制をはじめ大資産家優遇の税制をあらためます
この間、大資産家向けの減税が繰り返されてきました。99年には、所得税・住民税の最高税率(課税所得3000万円超)が、あわせて65%から、50%に引き下げられました。2003年度には「証券優遇税制」が導入され、上場株式の配当所得や株式譲渡所得の税率は、わずか10%(所得税7%、住民税3%)に軽減されてしまいました。これは庶民の預貯金の利子への税率(20%)の半分です。額に汗して働く庶民には、定率減税廃止などで増税をおしつけながら、カネを右から左に動かしただけで得た所得には、10億円稼ごうと100億円稼ごうと、たった10%の課税で済んでしまいます。
ほんらい所得税は、所得が高い人ほど負担率が高くなる累進税制になっているはずです。ところが、国税庁の統計では、所得が1億円を超えると逆に負担率が下がってしまいます。お金持ちほど、株式の配当や譲渡による所得が多いからです。こんな不公平がまかり通っていたのでは「働くのが、ばからしい」という風潮を広げてしまいます。
いま、世界では、金持ち優遇の税制を見直す動きが進んでいます。イギリスでは、今年4月に所得税の最高税率が40%から50%に引き上げられ、株式配当などの最高税率も32.5%から42.5%に引き上げられました。アメリカでも、オバマ政権は所得税の最高税率を36%から39.6%に、株のもうけの所得税率を15%から20%に引き上げることを提案しています。アメリカでは、このほかに住民税も課税されます(ニューヨーク市の場合は、最高12.6%)。今春に成立した医療制度改革法でも、富裕層のメディケア税の税率を引き上げられることになりました。
株式配当や譲渡所得の税率は、ドイツでは25%で、付加税(所得税の5.5%)を含めるとて26.375%、フランスでは所得税が18%、社会保障関連の目的税12.1%をあわせて30.1%となっています。わずか10%しか課税しない日本の証券税制の金持ち優遇は際立っています。
こうした金持ち優遇税制を改めることが、経済危機の中で必要な財源を確保するためにも、格差と貧困の是正に向けて税制による所得再分配機能を再建・強化するためにも、不可欠です。
―──引き下げられた所得税・住民税の最高税率を引き上げ、累進税制を強化します。税率を98年の水準に戻せば、約7000億円の増収になります。現行では何千万円の給与があっても5%が控除される給与所得控除については、頭打ちを設け、高額所得者優遇にならないようにします。
―──世界に例を見ない大資産家優遇の配当や株式譲渡所得の税率軽減措置を、ただちに廃止し、税率を20%に引き上げます。将来的には、配当や譲渡所得などは、勤労所得とあわせた総合課税を原則とし、大資産家には応分の負担を求めますが、それまでの間も、欧米諸国の水準にあわせて30%以上に税率を引き上げます。その際、庶民の少額の投資には、大資産家とは区別して税負担の軽減をはかります。
―──2003年に70%から50%に引下げられた相続税・贈与税の最高税率を元に戻すなど、大資産家への課税を強化して社会的格差を是正します。
大企業優遇税制をあらためます
1986年度には43.3%だった法人税率が、42%(87年度)、40%(89年度)、37.5%(90年度)、34.5%(98年度)と、次々と引き下げられ、99年度以降は30%にまで下げられてしまいました。ところが、大企業・財界は、「日本の法人税率は外国に比べて高い」などといって、さらに引き下げを要求しています。民主党政権も法人税の減税を検討し、自民・公明や各「新党」も、法人税減税の大合唱です。
しかし、大企業はリーマン・ショックの起きた08年度こそ利益を減らしましたが、09年度には再び利益を増やし、内部留保も大幅に増やしています。上場企業の手元資金(現預金と短期保有有価証券の合計)も63兆円と史上最高を記録し、大企業は空前の「カネ余り」状態にあります。法人税の減税は、このカネ余りをいっそう促進するだけです。
そもそも、「日本企業の負担は重い」というのは正確ではありません。法人税の実効税率は40%といわれていますが、研究開発減税や海外子会社からの配当益金不算入などによって、日本のトップクラスの大企業は、平均しても税引き前利益の30%前後しか税を負担していません。
また、企業の公的負担を考える場合には、税だけでなく社会保険料の事業主負担も考慮しなくてはなりません。その場合には、財務省の試算でも、日本の大企業の負担はフランスやドイツの7〜8割にすぎません。
「負担を軽くしないと企業が海外へ逃げていく」という宣伝もされています。しかし、海外子会社からの配当を非課税にするなど、海外進出企業を優遇する税制を進めてきたのは政府自身です。企業が海外に行ってしまうことを心配するなら、こうした海外進出企業優遇税制こそ改めるべきです。
―──景気回復の状況をみながら段階的に、大企業の法人税率を97年度の水準(37.5%)に戻します。法人事業税についても税率を引き上げます。現在の経済状況では、最高でも2兆円程度の税収にしかなりませんが、景気が回復して07年度と同程度の利益があがる経済状況になれば、これだけで国・地方あわせて4兆円規模の新たな財源になります。
―──03年度に大幅拡充された研究開発減税は、研究開発費の10%程度を法人税から減額するというものです。当初は「法人税額の20%まで」という限度額がありましたが、08年度からは別枠で法人税額の10%までの減税が追加され、最高30%までの手厚い減税になっています。この制度を利用しているのは、ほとんどが大企業です。こうした大企業優遇にメスを入れます。
―──グループ内の黒字企業と赤字企業の利益を相殺させることができる連結納税制度によって、年に5000億円もの減税になっています(国税庁の08事務年度)。トヨタ、日産自動車、ホンダ、NTT、日立、ソニー、東芝など、名だたる大企業が連結納税制度の利益を受けています。こうした税金逃れをやめさせます。
―──海外を含めた企業再編が進められる中で、大企業の利益の中で、グループ企業や海外子会社からの配当が占める割合が増加しています。こうした配当には、「配当益金不算入制度」や「外国税額控除制度」などが適用されるため、税負担が大幅に軽減されています。そのうえ、昨年から「海外子会社からの配当非課税制度」が導入され、「海外で稼げば日本の税金はゼロ」という状況になっています。これでは、ますます海外進出の勢いが強まり、国内産業の空洞化を招きかねません。こうした優遇税制を縮減します。
―──09年度には、大銀行は軒並み業績を回復し、6グループ合計の連結経常利益1.8兆円という巨額の利益を上げていますが、銀行自身の法人税納税額はゼロとなっています。過去の「不良債権処理」で生じた「欠損金」が繰り越されているからです。大銀行の多くは、今後も2〜3年は「法人税ゼロ」が続く見込みです。この間に、欠損金の繰越期間を5年から7年に延長する減税の効果もあらわれています。こうした減税をあらため、大銀行にもうけに応じた税を求めます。
社会情勢の変化に対応した税制改革をすすめます
―──現行のエネルギー課税を見直し、二酸化炭素の排出量を考慮した環境税の導入をすすめます。
―──投機マネーの暴走を抑え、途上国支援の財源を確保するために、国際連帯税の導入を検討します。
―──集合住宅の共用部分の固定資産税を軽減します。
―──都市計画区域内農地への宅地並み課税の廃止をめざし、当面、生産緑地指定の要件を緩和し、追加指定を広げます。
―──芸術・文化団体への寄付税制を充実するとともに、民間劇場や映画館の固定資産税の減免などの支援をすすめます。
―──税源移譲によって所得税の最低税率が引下げられたため、NPOなどへの寄附金控除の効果が低所得者では削減されてしまいました。住民税でも寄附金控除を認めるなど、改善をはかります。
―──政府は、「プライバシー保護」を口実として、高額納税者や法人企業についての公示制度を廃止してしまいましたが、一定以上の金額については、復活します。とくに大企業については「プライバシー」は理由にならず、公開は当然です。
消費税など庶民増税を許さず、大企業・大資産家優遇の「逆立ち税制」をただします
カジノ資本主義の破たんが明らかになる中で、世界では昨年来、これまでの大資産家優遇、多国籍企業優遇の税制の見直しが行われてきています。イギリスでは、今年4月から、証券税制を含めて所得税の最高税率が引き上げられました。アメリカでも、オバマ政権と民主党が、所得税の最高税率引上げなどの富裕層への増税を提案しています。医療保険改革の財源としても、富裕層のメディケア税の税率引上げなどが決められました。こうした動きは欧米各国に広がってきています。
ところが、日本では、自公政権のもとで庶民には定率減税廃止や配偶者特別控除廃止、高齢者への増税など、年間の税額にして5兆円以上もの増税が行われる一方、大企業や大資産家には、98年以降の10年間に、法人税率や所得税最高税率の引下げ、研究開発減税、証券優遇税制など、総額で年間8兆円以上(07年時点)もの減税を行うという「逆立ち税制」が進められてきました。
自公政権にかわった民主党政権も、子ども手当の財源として人的控除の廃止・縮減による増税を打ち出したのに続いて、消費税についても「4年間は上げない」という公約を投げ捨てて、増税の方針をはっきり打ち出しました。菅首相は「10%」という数字にまで言及しています。その一方で、法人税率の引下げを掲げています。経済産業省が要求しているような法人税減税を実施したら、消費税を10%に増税したとしても、そのほとんどが法人税減税の穴埋めに消えてしまい、財政再建にも社会保障財源確保にも役立ちません。
いまでも巨額の利益を上げている大企業に減税しても、内部留保のため込みがますます増えるだけです。その減税の穴埋めを消費税で行えば、国民生活はますます圧迫され、景気がいっそう冷え込むことは必至です。
税は「応能負担」が原則です。所得の少ない人には少なく、所得の多い人にはより多く負担してもらう、そして、生活に必要な最低限の所得をも得られないような人は非課税にするのが当然です。「貧困と格差」が大きな問題となっている今こそ、この原則がいっそう大事になっています。
大企業や大資産家に減税の「大盤振る舞い」をしてきたことが、税収に大きな穴をあけ、巨額の政府債務の原因にもなっています。財政危機から脱却する道を確立するためにも、行き過ぎた減税にメスを入れることが必要です。
日本共産党は、(1)当面する経済の危機的状況から、緊急にくらしと営業をまもる、(2)「逆立ち税制」のゆがみをただす、(3)財政危機から脱却する見通しを確保する――という3つの角度から、次のように税制の改革を進めます。
法人税減税の穴埋めのための消費税の増税に反対します
民主党は、「4年間は消費税を上げない」「無駄を削れば財源はできる」と言ってきましたが、それが破綻し、消費税増税に舵をきりかえようとしています。自民党も、さまざまな「新党」も、消費税増税を主張しています。しかも、これらの政党は、いずれも「法人税率を引き下げる」と、口を揃えて主張しています。法人税減税の穴埋めのための消費税増税であることは明らかです。
日本経団連や経済産業省は、いま40%の法人実効税率を25〜30%に下げろと要求しています。かりに25%に引き下げたら、9兆円もの減収になります。消費税率を10%に引き上げたとしても増収額は12兆円ですから、そのほとんどが法人税減税の穴埋めに消えてしまいます。
消費税の増税は、消費を冷え込ませ、景気に大きな打撃となります。菅首相は、「増税しても、その税収を正しく使えば景気に悪影響はない」などといっていますが、これはとんでもないでたらめです。所得の落ち込みで苦しい家計から消費税をしぼりたてて、巨額の内部留保をためこむ大企業への減税に回すことが、「正しい使い方」だとでもいうのでしょうか。
「財政危機だから消費税増税も仕方ない」とか「社会保障の財源確保のためには消費税増税が必要だ」という議論も、増税を国民におしつけるためのごまかしです。それは、消費税導入以来の実績をみれば明らかです。消費税導入以来の22年間で、税収は累計224兆円にもなりますが、ほぼ同じ時期に企業が納める法人3税(法人税、法人住民税、法人事業税)は208兆円も減ってしまい、消費税収入の9割以上が、その穴埋めに消えてしまったのです。このため、消費税は社会保障の財源にはなりませんでした。そして、この22年間で、国・地方の長期債務残高は246兆円から850兆円へと3.5倍近くに増え、対GDP比でみても60%前後から180%へと3倍に増えてしまいました。
また、消費税は、低所得者ほど負担の重い税金であり、そもそも社会保障の財源にはふさわしくありません。
日本共産党は、法人税減税の穴埋めのための消費税増税にきっぱり反対し、国民のみなさんと力を合わせて、増税阻止のためにたたかいます。
消費税は、将来的には廃止をめざしつつ、当面、次のような改善をすすめます。
―──食料品など生活必需品の消費税を非課税にします。食料品や水光熱費などの生活必需品は、所得の多少によって支出額があまり違わないため、所得対比でみた消費税負担率が低所得者ほど重くなる「逆進性」がとくにひどくなります。こうした品目を非課税にすれば、家計をたすけるとともに、税制のゆがみをただすことにもつながります。
―──消費税の免税点が年間売上3000万円から1000万円に引下げられた結果、零細な業者までが消費税の納税義務を負わされ、税が払えないために廃業を余儀なくされるなど、深刻な事態が広がっています。売上3000万円以下の業者は課税業者の半分にもなりますが、消費税収全体に占める割合は3.6%にすぎません。しかし、1業者あたりの税額は25万円で、零細な業者にとっては大きな金額です。消費税の延納措置を認めるとともに、免税点を引き上げます。
―──保険診療などの医療費は消費税非課税とされていますが、病院や診療所が仕入れる医薬品や医療機器などには消費税が課税されています。これによって、医療費の負担も増えるとともに、病院などの経営も圧迫されています。医療には「ゼロ税率」を適用し、医薬品などにかかった消費税が還付されるようにします。
人的控除廃止に反対し、課税最低限の引き上げなど、所得課税の減税をはかります
民主党政権は、子ども手当の財源確保を口実にして、所得税の扶養控除や配偶者控除の廃止をねらっています。国民の強い反対を前にして、今年度は廃止するのは16歳未満の年少扶養控除だけにとどめましたが、総選挙のマニフェストでは言っていなかった住民税の控除まで廃止し、「存続する」と明言していた特定扶養控除まで、高校生分について縮減してしまいました。来年は、さらに配偶者控除や成年の扶養控除まで廃止することをねらっています。これらの人的控除は「生活に不可欠な経費には課税しない」という「生計費非課税」の原則を具体化したものであり、憲法に定められた生存権に基礎を置くものです。これらの控除を、代替措置もないままに一方的に廃止する増税には、断じて反対します。
06年7月に発表された経済協力開発機構(OECD)の報告書は、日本の生産年齢人口の相対的貧困率が13.5%と、OECD平均の8.4%を大きく上回り、アメリカに次いで第2位であることを示しました。重大なことは、他のOECD諸国では税制と社会保障によって貧困率が大きく改善(18.2%→8.4%)されているのに、日本はわずかしか改善せず(16.5%→13.5%)、税制による貧困率の改善度合いが最も少ない国だと指摘されていることです。
ほんらいなら所得格差是正のために役割を果たすべき税制が、日本ではほとんどその役割を果たしていないのです。それは、税を課すべきでないような貧困層にまで、所得税や住民税の負担が及んでいるからです。いま、独身サラリーマンの所得税の課税最低限は、わずか114万円です。これは、生活保護基準額にも満たない水準です。国際的に見ても低すぎる日本の最低賃金(時給713円)で年間2000時間働いた程度の年収しかなくても、所得税が課税されてしまうのです。これは、「生活に不可欠な経費には課税しない」という「生計費非課税」の原則を踏みにじるものです。
日本の課税最低限は、国際的にも異常に低い水準です。7年前に、政府は「日本の課税最低限は高すぎる」と大宣伝して配偶者特別控除を廃止しましたが、この結果、サラリーマン4人世帯の課税最低限は、325万円に低下しました。さらに、民主党政権が年少扶養控除を廃止し、16〜18歳の特定扶養控除を縮減してしまったため、4人世帯でも子どもが16歳未満の場合の課税最低限は、220万円に下がってしまいます。今では欧米諸国の課税最低限は、日本よりはるかに高くなっています(4人世帯で、アメリカ320万円、イギリス334万円、ドイツ561万円、フランス433万円)。
日本の課税最低限が低いのは、基礎控除が年間でわずか38万円に抑えられたままになっているためです。月額3万円で、どうして「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法25条)ができるというのでしょうか。日本の基礎控除に相当する金額は、イギリスでは96万円、ドイツでは106万円、フランスでは78万円です。日本でも大幅な引き上げが必要です。
―──政府がねらっている所得税・住民税の配偶者控除と成年扶養控除の廃止に反対します。民主党は「所得控除は金持ち優遇」などといっていますが、これは誤りです。所得税・住民税の配偶者控除を廃止した場合、年収500万円なら7.1万円の増税で、対年収比で1.4%の増税ですが、年収1億円なら18.5万円の増税で、対年収比では0.185%にしかなりません。
―──民主党政権が決めた年少扶養控除の廃止の影響で、保育料などの負担が増大しないよう、対策を行わせます。
―──基礎控除を現行の2倍に引き上げ、ヨーロッパ諸国の水準に近づけます。これによって、サラリーマンの所得税の課税最低限は、単身者で156.6万円に上昇します。
―──120万円に引き下げられた高齢者の公的年金等控除の最低保障額を140万円に戻します。所得500万円以下の高齢者について、所得税50万円、住民税48万円の老年者控除を復活します。高齢者の住民税の非課税限度額を復活します。
―──介護保険の要介護認定を受けている人などが障害者控除の認定を受けやすくするように、制度運用の改善をはかります。
―──介護保険や医療保険など、家族の年金などから源泉徴収された社会保険料についても、それを実質的に負担している納税者の所得から社会保険料控除ができるように、改善をはかります。昨年10月から開始された住民税の年金からの特別徴収(天引き)については、各人の希望で普通徴収に変更できるようにします。
―──寡婦控除について、死別の場合だけでなく、離婚の場合やいわゆるシングル・マザーにも適用されるように、制度の改善をはかります。
―──「住宅は福祉」の観点に立って、家賃に関する税の控除制度の創設をはかります。
中小企業支援税制を強化します
この20年間に、中小企業は100万社以上も減少しました。政府の「構造改革」路線で内需が冷え込まされてきたあげくに、大企業の下請けいじめなどで、ただでさえ経営が大変なうえに、消費税の免税点引き下げなどの増税が加わって、「税金が払えず廃業に追い込まれる」という事態も生まれています。大企業ばかりを優遇する税制をあらため、中小企業や零細な事業者を支援する税制に転換します。
―──家族従業者に支払った賃金を「損金」扱いすることを認めていない所得税法56条を廃止して、家族の働き分を経費に認めます。
―──法人税にも累進制を導入し、中小企業の一定範囲内の所得については、現行より税率を引き下げます。
―──法人事業税の外形標準課税を資本金1億円以下の小規模企業にまで拡大することは、赤字企業などに過大な負担を負わせることになるので反対します。
―──事業用資産については、一定期間の事業の承継を条件に、相続税の猶予制度を設けます。
―──「納税者憲章」を制定し、消費税納税にあたっての仕入税額控除否認、機械類への償却資産課税の強化、倒産に追い込む差し押さえの乱発など国と地方の過酷な徴税・税務調査をあらためます。
証券税制をはじめ大資産家優遇の税制をあらためます
この間、大資産家向けの減税が繰り返されてきました。99年には、所得税・住民税の最高税率(課税所得3000万円超)が、あわせて65%から、50%に引き下げられました。2003年度には「証券優遇税制」が導入され、上場株式の配当所得や株式譲渡所得の税率は、わずか10%(所得税7%、住民税3%)に軽減されてしまいました。これは庶民の預貯金の利子への税率(20%)の半分です。額に汗して働く庶民には、定率減税廃止などで増税をおしつけながら、カネを右から左に動かしただけで得た所得には、10億円稼ごうと100億円稼ごうと、たった10%の課税で済んでしまいます。
ほんらい所得税は、所得が高い人ほど負担率が高くなる累進税制になっているはずです。ところが、国税庁の統計では、所得が1億円を超えると逆に負担率が下がってしまいます。お金持ちほど、株式の配当や譲渡による所得が多いからです。こんな不公平がまかり通っていたのでは「働くのが、ばからしい」という風潮を広げてしまいます。
いま、世界では、金持ち優遇の税制を見直す動きが進んでいます。イギリスでは、今年4月に所得税の最高税率が40%から50%に引き上げられ、株式配当などの最高税率も32.5%から42.5%に引き上げられました。アメリカでも、オバマ政権は所得税の最高税率を36%から39.6%に、株のもうけの所得税率を15%から20%に引き上げることを提案しています。アメリカでは、このほかに住民税も課税されます(ニューヨーク市の場合は、最高12.6%)。今春に成立した医療制度改革法でも、富裕層のメディケア税の税率を引き上げられることになりました。
株式配当や譲渡所得の税率は、ドイツでは25%で、付加税(所得税の5.5%)を含めるとて26.375%、フランスでは所得税が18%、社会保障関連の目的税12.1%をあわせて30.1%となっています。わずか10%しか課税しない日本の証券税制の金持ち優遇は際立っています。
こうした金持ち優遇税制を改めることが、経済危機の中で必要な財源を確保するためにも、格差と貧困の是正に向けて税制による所得再分配機能を再建・強化するためにも、不可欠です。
―──引き下げられた所得税・住民税の最高税率を引き上げ、累進税制を強化します。税率を98年の水準に戻せば、約7000億円の増収になります。現行では何千万円の給与があっても5%が控除される給与所得控除については、頭打ちを設け、高額所得者優遇にならないようにします。
―──世界に例を見ない大資産家優遇の配当や株式譲渡所得の税率軽減措置を、ただちに廃止し、税率を20%に引き上げます。将来的には、配当や譲渡所得などは、勤労所得とあわせた総合課税を原則とし、大資産家には応分の負担を求めますが、それまでの間も、欧米諸国の水準にあわせて30%以上に税率を引き上げます。その際、庶民の少額の投資には、大資産家とは区別して税負担の軽減をはかります。
―──2003年に70%から50%に引下げられた相続税・贈与税の最高税率を元に戻すなど、大資産家への課税を強化して社会的格差を是正します。
大企業優遇税制をあらためます
1986年度には43.3%だった法人税率が、42%(87年度)、40%(89年度)、37.5%(90年度)、34.5%(98年度)と、次々と引き下げられ、99年度以降は30%にまで下げられてしまいました。ところが、大企業・財界は、「日本の法人税率は外国に比べて高い」などといって、さらに引き下げを要求しています。民主党政権も法人税の減税を検討し、自民・公明や各「新党」も、法人税減税の大合唱です。
しかし、大企業はリーマン・ショックの起きた08年度こそ利益を減らしましたが、09年度には再び利益を増やし、内部留保も大幅に増やしています。上場企業の手元資金(現預金と短期保有有価証券の合計)も63兆円と史上最高を記録し、大企業は空前の「カネ余り」状態にあります。法人税の減税は、このカネ余りをいっそう促進するだけです。
そもそも、「日本企業の負担は重い」というのは正確ではありません。法人税の実効税率は40%といわれていますが、研究開発減税や海外子会社からの配当益金不算入などによって、日本のトップクラスの大企業は、平均しても税引き前利益の30%前後しか税を負担していません。
また、企業の公的負担を考える場合には、税だけでなく社会保険料の事業主負担も考慮しなくてはなりません。その場合には、財務省の試算でも、日本の大企業の負担はフランスやドイツの7〜8割にすぎません。
「負担を軽くしないと企業が海外へ逃げていく」という宣伝もされています。しかし、海外子会社からの配当を非課税にするなど、海外進出企業を優遇する税制を進めてきたのは政府自身です。企業が海外に行ってしまうことを心配するなら、こうした海外進出企業優遇税制こそ改めるべきです。
―──景気回復の状況をみながら段階的に、大企業の法人税率を97年度の水準(37.5%)に戻します。法人事業税についても税率を引き上げます。現在の経済状況では、最高でも2兆円程度の税収にしかなりませんが、景気が回復して07年度と同程度の利益があがる経済状況になれば、これだけで国・地方あわせて4兆円規模の新たな財源になります。
―──03年度に大幅拡充された研究開発減税は、研究開発費の10%程度を法人税から減額するというものです。当初は「法人税額の20%まで」という限度額がありましたが、08年度からは別枠で法人税額の10%までの減税が追加され、最高30%までの手厚い減税になっています。この制度を利用しているのは、ほとんどが大企業です。こうした大企業優遇にメスを入れます。
―──グループ内の黒字企業と赤字企業の利益を相殺させることができる連結納税制度によって、年に5000億円もの減税になっています(国税庁の08事務年度)。トヨタ、日産自動車、ホンダ、NTT、日立、ソニー、東芝など、名だたる大企業が連結納税制度の利益を受けています。こうした税金逃れをやめさせます。
―──海外を含めた企業再編が進められる中で、大企業の利益の中で、グループ企業や海外子会社からの配当が占める割合が増加しています。こうした配当には、「配当益金不算入制度」や「外国税額控除制度」などが適用されるため、税負担が大幅に軽減されています。そのうえ、昨年から「海外子会社からの配当非課税制度」が導入され、「海外で稼げば日本の税金はゼロ」という状況になっています。これでは、ますます海外進出の勢いが強まり、国内産業の空洞化を招きかねません。こうした優遇税制を縮減します。
―──09年度には、大銀行は軒並み業績を回復し、6グループ合計の連結経常利益1.8兆円という巨額の利益を上げていますが、銀行自身の法人税納税額はゼロとなっています。過去の「不良債権処理」で生じた「欠損金」が繰り越されているからです。大銀行の多くは、今後も2〜3年は「法人税ゼロ」が続く見込みです。この間に、欠損金の繰越期間を5年から7年に延長する減税の効果もあらわれています。こうした減税をあらため、大銀行にもうけに応じた税を求めます。
社会情勢の変化に対応した税制改革をすすめます
―──現行のエネルギー課税を見直し、二酸化炭素の排出量を考慮した環境税の導入をすすめます。
―──投機マネーの暴走を抑え、途上国支援の財源を確保するために、国際連帯税の導入を検討します。
―──集合住宅の共用部分の固定資産税を軽減します。
―──都市計画区域内農地への宅地並み課税の廃止をめざし、当面、生産緑地指定の要件を緩和し、追加指定を広げます。
―──芸術・文化団体への寄付税制を充実するとともに、民間劇場や映画館の固定資産税の減免などの支援をすすめます。
―──税源移譲によって所得税の最低税率が引下げられたため、NPOなどへの寄附金控除の効果が低所得者では削減されてしまいました。住民税でも寄附金控除を認めるなど、改善をはかります。
―──政府は、「プライバシー保護」を口実として、高額納税者や法人企業についての公示制度を廃止してしまいましたが、一定以上の金額については、復活します。とくに大企業については「プライバシー」は理由にならず、公開は当然です。