宝HD、ドイツ食材卸を約180億円で買収 日本食人気受け
宝ホールディングス(HD)は19日、ドイツの食材卸、カーゲラー社を買収すると発表した。約1億1000万ユーロ(約180億円)を投じ、90%の株式を取得する。欧州での日本食材卸の拠点数は22拠点になる。欧州での和食人気を受け、日本食レストラン向けの食材卸事業を強化する。
カーゲラーはミュンヘン近郊などドイツ国内に3つの拠点を持ち、魚介類や日本の食材・調味料を中心に取り扱っている。2023年の売上高は約1億ユーロ。宝HDは子会社で海外事業を手掛ける宝酒造インターナショナルを通じ、現地時間の22日にカーゲラーの経営者などから同社株の90%を取得する。
宝酒造インターナショナルは海外での酒類販売のほか、米国や欧州、オーストラリアで日本食材卸事業を手掛ける。同社の森三典社長は19日の記者会見で「ドイツの日本食レストラン数は欧州4番目。経済規模を考えるとまだ成長していく」と述べた。人口減少で国内市場が縮小する中、世界で和食文化を定着させることで清酒や焼酎といった酒類販売の拡大につなげたい考えだ。