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朝井リョウ「イン・ザ・メガチャーチ」(345)
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「あ、いた!」
Chiakiさんが、その細長い腕をピンと伸ばす。その瞬間、Chiakiさんの視線の先からも、「あー!」という快活な声が飛んできた。こちらはChiakiさんと私で二人、向こうは花冠さんと他の花道の人たちで四人。まるで磁石が引き寄せられるように、六人がひとつの島になる。
「お久しぶりです! やっぱ土日は混んでますね」
「ね、とりあえず邪魔にならないとこに移動しよ」
皆でぞろぞろと渋谷...
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