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書評『傷ついた世界の歩き方』フランソワ=アンリ・デゼラブル著
イラン人女性の抵抗を記録
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小説家は、ニコラ・ブーヴィエの紀行文学『世界の使い方』に憧れ、その足跡を辿(たど)るためにイランに行きたいと考え続けていた。コロナの渡航制限が明けて、いざ行こうというときに、イランでは事件が起こった。
2022年9月、首都テヘランを訪ねた22歳のクルド系女性、マフサ・アミニが、スカーフの身につけ方を咎(とが)められて逮捕され、3日後に死亡したのだ。イラン全土に抗議行動が広がり、その弾圧の過酷さも...