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有栖川有栖「折れた岬」(125)
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須賀が言うようにルール化されていないのがおかしいとは思っていなかった。どうしてもらいたいのかを作家本人に訊けばいいのだから。
「安村さんは作家さんの意向を尋ねているんですね?」
「そう。須賀君は訊かずに悩んでいるの?」
「いえいえ、僕も『どうしますか?』と訊いています。だから悩んでいないんですけれど、そうするように指示をもらったことがないのが変だと思うんですよね」
各自で対応しているのだから指示...
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