生成AIブームの起点 元Google著名研究者、日本で起業
米グーグル出身の著名な人工知能(AI)研究者2人が、東京都内を拠点に生成AIの開発企業を設立することがわかった。うち1人は、生成AIの大幅な性能向上に貢献した学習モデル「トランスフォーマー」に関する論文の共同執筆者として知られる。日本で研究者を募り、より高性能な生成AIの基盤モデル開発をめざす。
新会社「Sakana(サカナ)AI」を立ち上げたのは、ともにグーグル出身のライオン・ジョーンズ氏とデビッド・ハ氏。ジョーンズ氏は2017年にグーグルが発表した深層学習モデル「トランスフォーマー」に関する論文の共同執筆者の一人で、最近同社を退社していた。同モデルは米オープンAIの対話式AI「Chat(チャット)GPT」をはじめ、多くの生成AIの開発に用いられてきた。
サカナAIの社名は日本語の「魚」に由来する。ハ氏はX(旧ツイッター)で「自然からインスピレーションを得て、新しいタイプの基盤モデルを作る」と投稿している。ハ氏は精巧な画像生成AIで知られる英スタビリティーAIにも在籍していた。
英フィナンシャル・タイムズによると、ハ氏らは数年前から国内で活動しており、起業の地に日本を選んだ理由として、米国で生成AIの人材獲得競争が過熱している点をあげた。