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JFE電炉転換27年にも 倉敷市の高炉、鉄鋼大手で初

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【この記事のポイント】
・JFEが国内に持つ高炉は全6基に
・北野社長、脱炭素で「有効なのは電炉」
・脱炭素の設備投資、1兆円規模必要に

JFEホールディングス傘下のJFEスチールは1日、岡山県の高炉1基を2027年にも大型電炉に転換する方針を発表した。鉄鋼業界は二酸化炭素(CO2)の排出量が多く、高炉より排出量が少ない電炉の活用などが迫られている。大手鉄鋼メーカー3社で高炉を大型電炉に転換するのはJFEが初めて。

電炉転換を検討するのは西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)の「第2高炉」。同高炉は今後5~6年で設備更新に入るタイミングだが、更新せずに休止する。代わりに大型電炉を建設する方針だ。JFEが国内に持つ高炉は全6基となる。

転換方針を発表した北野嘉久社長は、脱炭素戦略の説明会で「移行期に(脱炭素で)有効なのは電炉だ」と強調した。

JFEは30年度にCO2を13年度比で3割削減する目標の達成に向けて、脱炭素の設備投資に1兆円規模が必要になるとの見通しも示した。

高品質な鋼材の大量生産に適する高炉は、鉄鉱石をコークス(石炭)で還元する際に大量のCO2を排出する。

鉄鋼業界は国内産業部門のうち4割のCO2を排出している。鉄スクラップなどを電気で溶かす電炉は、高炉と比べCO2を4分の1程度に抑えられるとの試算がある。

JFE以外の高炉メーカーでも電炉を活用する動きが出始めている。国内首位の日本製鉄は30年までに大型電炉を建設する計画を明らかにし、3位の神戸製鋼所も電炉での高級鋼材の製造を検討する。

サプライチェーン(供給網)を含んだ「スコープ3」でのCO2排出量の削減が世界的に求められるなか、幅広い業種と取引する大手鉄鋼メーカーは一段と脱炭素が求められている。

JFEスチールは同日、伊藤忠商事とともに不純物が少ない製鉄原料である「還元鉄」の生産に乗り出すことも発表した。アラブ首長国連邦(UAE)で生産を目指す。

電炉の原料である鉄スクラップには不純物が多く、これまで高炉でつくってきた自動車向けの高級鋼材の製造が難しい課題がある。原料に還元鉄を活用すれば不純物を減らすことに繫がる。

JFEはこうした新素材も活用し、新設する大型電炉では従来の電炉では製造できなかった幅広い種類の高級鋼を、効率良く生産することを目指す。

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