株式とは お金を出して会社の一部を所有
キソから!投資アカデミー 株式①
株式の基本的な仕組みや役割を説明します。株式とは株式会社における株主としての持ち分で、株主の権利を表しています。一般的には株券そのものを指して「株式」と呼んでいます。
株式は株式会社が事業を進めていくうえで広く資金を集めるために発行します。投資家は会社にお金を出すかわりに株式を受け取ることで株主になります。上場企業の場合は、既に発行された株式を市場で自由に売買することができるので、証券口座を開いて株式を市場で購入すれば、誰でも株主になることができます。
投資家は株式投資によって様々な利益を得られます。代表的なのが「キャピタルゲイン」で、株価が上昇した株式を売却することによって得られる利益のことを言います。企業が収益の一部を株主に分配することで得られる配当収入は「インカムゲイン」と呼ばれます。企業が株主に自社製品やサービスなどを提供する株主優待制度もあります。
1株当たりの価格である株価は、企業の業績や景気の動向のほか、投資家による売買の影響を受け、刻々と変動します。
個々の株価を一定の基準で集計し指数化したものが株価指数です。代表的なものには、東京証券取引所プライム市場に上場する企業のうち、225社の株式に基づいて算出する「日経平均株価」や、主に東証の旧市場区分である1部市場に上場していた銘柄を対象とする「東証株価指数(TOPIX)」などがあります。株式相場全体の流れを把握するのに株価指数は必要で、経済活動の体温を測る役割も果たしています。
株式投資をする際に理解しておきたいのは、株式が預貯金や債券に比べリスク(危険度)の高い金融商品だということです。株式は債券などに比べ価格の変動が激しいうえ、投資した企業が破綻したら、株券が紙くずになってしまう危険もあります。ただ、所有している株券の価値以上の損失をこうむることはありません。
株式投資の目的は、ただ利益を得るだけではありません。株式の持ち主になるということは、会社の一部を持つことと同じ意味で、会社に対して様々な権利を持つことになります。具体的に「経営参加権」「利益配当請求権」「残余財産分配請求権」の3つに分けて説明します。
まず株主は経営参加権に基づいて株主総会に出席します。総会で会社が提出した利益処分案を承認したり、取締役、監査役といった会社の役員を選任したりして間接的に経営に参加します。株主が株主総会で議案を決議する権利を議決権と呼びます。
利益配当請求権は会社が生み出した利益の配分を受ける権利です。会社は利益を源泉として株主に配当を支払います。この収入が前述した「インカムゲイン」のことで、配当金額は株主総会で決まります。
残余財産分配請求権は会社が倒産するなどして解散した場合に行使されます。会社が借金を返済し、後に財産が残った場合、持ち株数に応じて残った財産(残余財産)の分配を受ける権利です。