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債券の利回り曲線 異なる期間の金利をつないで比較

キソから!投資アカデミー 債券・金利⑬

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債券は同じ種類の債券でも残存期間によって利回りが異なります。債券の残存期間は時間を経るごとに短くなっていくため、同じ10年物国債でも残存期間は1年未満から10年まで存在することになります。残存5年の債券には発行直後の5年債もあれば、発行から5年経過した10年債もあるわけです。

それぞれの残存期間ごとの金利はどのように決まるのでしょうか。一般的には残存期間が長いほど利回りは高くなります。資産を現金として使えない期間が長く、金利変動リスクを負担するだけ利回りが高くなるという理屈です。

日本では新発2年物国債の利回りがマイナス圏なのに対し、新発10年債は0.5%程度、新発30年債は1%台半ばと年限が長くなるに従って次第に利回りが高くなっています。このような各期間に対応した債券の利回りを点でつないで描く曲線を「利回り曲線(イールドカーブ)」と呼びます。

景気や金融政策の変動が見込まれる時期には利回り曲線の変化に注意が必要です。金利は将来に向けた経済の潜在成長率や期待インフレ率も映します。中央銀行による政策金利の引き上げで短期金利が上昇しやすい時や、先行きの景気減速懸念や好需給で長期金利が低下しやすい時に利回り曲線は平たん(フラット)化します。

短期で調達した資金を長期債で運用すれば長短金利差により収益を得られるため、利回り曲線の傾きが大きければ収益機会を得られやすいといえます。利回り曲線の変動が激しい時には投資手腕が問われます。

長い年限の利回りが短い年限の利回りを下回るケースもあり「逆イールド」と呼びます。たとえば足元の米国では2年物国債の方が10年物より利回りが高いなど、逆イールドが顕著です。

日本でも一部の銘柄で、残存期間の長い金利が短い金利を下回る現象が見られます。日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)で10年物国債利回りをプラスマイナス0.5%程度の範囲に押さえつけることで、本来なら市場で決まる利回り曲線にゆがみが生じているためです。

金利変動が乏しい環境では、収益機会を求めて利回り曲線上で割高・割安な年限の債券を選んで売買する投資方法が盛んとなります。いずれにしても、利回り曲線がどのような形状に変化するかの予測が重要となるでしょう。

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