国民健康保険料、上限2万円引き上げ 24年度に106万円
厚生労働省は自営業者らが加入する国民健康保険の年間保険料の上限を2万円引き上げて106万円とする。2024年度に実施する。高所得者の保険料を上げることで、保険財政の安定を狙う。
近く開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で厚労省が案を示す。
国保の保険料は収入に応じて上昇し、上限額も設けている。医療分のうち、75歳以上の後期高齢者支援金の上限を22万円から24万円に引き上げる。据え置きとなる介護分の納付額17万円などとあわせ、上限を106万円とする。
引き上げ後の上限額に達するのは年収が1160万円以上の世帯で全体の1.35%と推計される。これまでは1140万円以上の世帯が上限の104万円を支払っていた。
新型コロナウイルスの影響を考慮した21年度を除き、国保保険料の上限額はほぼ毎年引き上げている。医療分は2万〜4万円の範囲で引き上げが続き、19年度に80万円に達した。介護分は20年度に17万円に達して以降、据え置いている。
国保には20年3月末時点で2660万人が加入している。健保組合や協会けんぽと比べて加入者の平均年齢が高く、所得水準が低いといった特徴がある。