JAXA、探査機「SLIM」運用を終了 日本初の月面着陸実現
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日、日本初の月面着陸をした無人探査機「SLIM(スリム)」の運用を終了すると発表した。1月に着陸して、月面の岩石をみる科学観測を実施した後、極寒の月の夜を3度乗り越えた。ただ、5月以降は地上との通信を確立できていなかった。
JAXAによると23日午後10時40分、探査機の活動をすべて停止する指令を地上から出し、スリムの運用を終えたという。スリムの詳細な成果は取りまとめ次第、別途報告する。
スリムは1月に日本の探査機として初めての月面着陸に成功した。目標地点から100メートル以内の精密着陸を世界で初めて実現した。着陸後は月面の岩石を観測し、当初の想定を上回る成果を残した。
月は約2週間ごとに昼と夜が入れ替わる。昼の温度はセ氏110度、夜はマイナス170度にもなるといわれ、月の夜を越えるごとに、機体が故障するリスクは高まる。スリムはもともと過酷な温度変化に耐えられる設計ではなかったが、2〜4月に月の夜を3度越えた。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が手掛ける大型ロケット「H2A」や新型ロケット「H3」、イーロン・マスク氏が率いるスペースXなど、世界中で官民が宇宙開発競争を繰り広げています。ロケット開発や実験、衛星など最新ニュースをまとめました。