ビーズの色が七変化 NIMS、偽造品防止の認証キーに
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物質・材料研究機構(NIMS)は可視光から近赤外まで様々な波長の光を放つ微小なビーズを開発した。大きさは10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルほどで、植物の成分を材料に使って容易に製造できる。大きさや形に応じて光の波長と強度が変わり、商品の偽造を防ぐタグなどに使える。
開発したビーズは光を吸収して別の色の光を放つ「蛍光体」だ。蛍光体は蛍光ペンのインクやバイオマーカー、白色LEDに使う。近年はクエン酸やアミノ酸などの環境に優しい材料を蛍光体に使う研究が進むが、乾燥して固体になると発光強度が下がる。隣接した発光体同士が互いの光を吸収し合うためだ。
今回は微生物による発酵生成物のポリリジンやクエン酸を主原料に使った。水熱合成法という簡易なプロセスで作れる。発光体同士の間隔が広く、固体でも発光強度が維持できるという。
このビーズは紫外線を吸収して青色の光を発し、青色を黄色に、緑色をオレンジ色や赤色に変え、さらに近赤外の光も放つ。可視光や近赤外の光を自在に変化させて発光する材料は「世界的に見ても報告の例がない」(NIMSの長尾忠昭グループリーダー)という。発光体に入り込んだ窒素不純物の影響としている。
光の波長と強度はビーズのサイズや形で変わるため、偽造品を防ぐ商品タグなどに応用できる。一つひとつのビーズを識別して追跡できるため、生命科学の研究で胚の分割をたどるバイオマーカーへの利用も期待できる。今後英エクセター大学と細胞イメージングに使う共同研究をする。
成果は米ワイリー社の「アドバンスト・サイエンス」に掲載された。