九州・沖縄の百貨店、23年度売上高3%増 地域差が拡大
帝国データバンク福岡支店がまとめた九州・沖縄の百貨店調査によると、上位10社の2023年度の合計売上高が1550億円と、前年度比3%増加した。都市部の店舗がインバウンド(訪日外国人)や国内富裕層の需要を取り込んで売り上げ増をけん引した一方、地方店舗は伸び悩み、地域格差が拡大した。
九州・沖縄に本店を置く日本百貨店協会の会員上位10社の売上高を集計した。佐賀玉屋は京都市に経営拠点が移ったため除外した。売上高1位は岩田屋三越(福岡市)で、9%増の392億円。インバウンドや国内富裕層に高級ブランド品などの販売が好調だった。
次いで鶴屋百貨店(熊本市)が2位となり、井筒屋を抜いた。両社とも新型コロナウイルス禍の収束で客足が回復したが、なかでも鶴屋は台湾を中心としたインバウンド増加が寄与した。
帝国データバンク福岡支店の担当者は「インバウンドや人流回復の恩恵を受けているのは業界のごく一部にとどまり、全体としては厳しい状況が続いている」と指摘する。郊外型ショッピングモールの出店で競争が激化しており、不採算店の閉鎖などが相次いでいる。
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