プリゴジン氏死亡か ロシアで自家用ジェット機墜落
【ロンドン=江渕智弘】ロシア非常事態省は23日、小型ジェット機がモスクワ北西のトベリ州内で墜落し、乗客乗員10人全員が死亡したとみられると発表した。航空当局は、6月に反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏(62)の名前が搭乗名簿にあると明らかにした。
ワグネル関係者が管理しているとみられる通信アプリ、テレグラムの「プリゴジン2023」は、プリゴジン氏が同機に乗っており遺体が確認されたと投稿した。
ロシアメディアによると、墜落は午後6時40分ごろ。ジェット機はモスクワからロシア北部のサンクトペテルブルクに向けて飛行していた。
乗員3人を含む搭乗者全員が死亡したという。墜落現場で8人の遺体が発見された。自家用ジェット機は爆破されたとの見方が出ている。
米国家安全保障会議(NSC)のワトソン報道官は23日の声明で「報道を認識している。(事実だと)確認されても誰も驚かないはずだ」と指摘した。
自家用ジェット機は2020年にワグネルのグループ会社が購入した機体とみられ、モスクワとサンクトペテルブルクの間を定期的に運航していた。
ワグネルは6月23〜24日にロシアで武装蜂起した。ワグネルの部隊は首都モスクワまで一時200キロメートルほどの地点に迫ったが、ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介で進軍をやめた。ワグネルの戦闘員の多くは受け入れ先のベラルーシに移動していた。
プリゴジン氏は反乱鎮圧後、ロシア国外を拠点に活動しているとみられていた。同氏は8月21日、ワグネルに近いとされる通信アプリのチャンネルに動画メッセージを投稿し、ワグネルの主要活動拠点の一つであるアフリカで活動していることを明かしていた。
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