Google、AIの研究体制を再編 DeepMindと統合

【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルは20日、人工知能(AI)の研究体制を再編すると発表した。2014年に買収し、「アルファ碁」の開発などで知られる英ディープマインドと組織を統合する。対話AI「Chat(チャット)GPT」の登場などでAIをめぐる競争が激しくなるなか、組織を一本化することで開発や実用化を加速する。
ディープマインドは10年にデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)らが設立し、グーグルが14年に推定5億ドル(約670億円)で傘下に収めていた。一方、自社でも研究部門にブレインと呼ぶチームを設けてAIを開発してきたが、両者を新設する「グーグル・ディープマインド」に統合する。
グーグルのスンダー・ピチャイCEOは20日、「(AIの)進歩がかつてなく加速しており、汎用AIの大胆で責任ある開発を確かなものにする必要がある」と再編の狙いを説明した。グーグル・ディープマインドのCEOに就くハサビス氏は「(再編により)未来により早くたどり着けるようになる」と述べた。
グーグルはディープマインドを10年近く前に買収するなど長年にわたりAIの研究に取り組み、成果はインターネット検索やスマートフォンの画像処理などに活用してきた。技術力の指標とされる論文の引用数でも上位につけているが、文章などを自動的に作る生成AIの実用化ではチャットGPTを開発した米新興オープンAIなどが先行した。
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ChatGPTは米新興OpenAIが公開した自然な文章を生成する人工知能(AI)。2022年の公開以降、質問に答えて自然な言葉で文章を生成できることで注目されています。