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韓国軍、SLBM発射実験に成功 南北の競争激化も

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【ソウル=恩地洋介】韓国軍が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験に成功し、近く実戦配備する方針であることが7日、明らかになった。SLBMを保有するのは、米中ロ英仏印の各国と北朝鮮に続き8番目。北朝鮮と韓国のミサイル開発競争が今後、一段と激しくなる可能性がある。

聯合ニュースによると韓国軍は1日、8月に就役した3000トン級潜水艦「島山安昌浩」を使い、非公開でミサイルの水中発射実験を実施した。

高圧ガスでミサイルを海上に打ち出し、空中で固体燃料に点火する「コールドローンチ」という手法を用いた。韓国軍は技術開発が事実上完了したと判断しているという。

発射したミサイルは、韓国軍が保有する射程500キロメートルの弾道ミサイル「玄武」の改良型だった。報道によれば、近く実施する飛行実験を経て、量産と実戦配備に向けた体制へ移る。韓国国防省は「保安上、個別事案の確認はできない」(報道官)と説明し、詳細は公表しない姿勢だ。

韓国が3000トン級潜水艦として初めて開発した「島山安昌浩」には、6本のSLBM発射管が備えられている。同艦の実戦配置は2022年の予定だ。

韓国は近年、北朝鮮の後を追う形でSLBM開発を急いできた。後押ししたのは、米韓首脳が5月の首脳会談で合意した「米韓ミサイル指針」の撤廃だ。指針は射程が800キロメートルを超える韓国のミサイル開発を制限してきた。

ミサイル開発を妨げる規制がなくなり、韓国は平壌だけでなく東京や北京も射程に収める弾道ミサイルを保有できるようになった。軍事産業や宇宙開発の発展への期待も高まっている。

探知が困難な海中から発射するSLBMを保有する戦略的な意義は大きい。韓国国防省は26年までの中期計画で、潜水艦による戦略的抑止力を強化すると明記した。

国防予算を年平均で6.5%増やしてきた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、海軍の増強に注力する。文氏が大統領選で公約した原子力潜水艦の建造構想も、米国から許可を得ようと交渉に動いている。

一方、北朝鮮は15年以降にSLBM開発を本格化した。17年5月には金正恩(キム・ジョンウン)委員長(当時)が「北極星2」の実戦配備を承認したと報じられた。

最近では19年10月に、射程2000キロメートルと推定される「北極星3」の水中発射実験をした。1月の軍事パレードでは弾頭部分を大きくした新型の「北極星5」を公開した。米韓の軍事当局は発射実験の可能性に警戒の目を向けてきた。

北朝鮮はSLBMを発射できる1500トン級の潜水艦を1隻保有している。さらに、3000トン級を含む2隻のSLBM搭載型の潜水艦を建造中だとの見方がある。金正恩総書記は1月の朝鮮労働党大会で原子力潜水艦の開発を推進すると言及している。

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