サムスン営業益43%増 21年12月期、売上高は27兆円
【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスン電子が7日発表した2021年12月期の連結決算は、営業利益が51兆5700億ウォン(約5兆円)と前の期比で43%増だった。売上高は18%増の279兆ウォン(約27兆円)と過去最高を3年ぶりに更新した。パソコンやデータセンター向けの半導体メモリーが引き続き好調で利益を押し上げた。
増収増益は2年連続。売上高営業利益率は18%と前の期から3ポイントあまり上昇した。純利益や事業部門別の収益は1月末に発表予定の決算確報値で公表する。
オンライン経済浸透の恩恵を受けてデータを蓄積する半導体メモリーの需要が21年も旺盛だった。世界的な半導体不足を背景に受託生産事業の収益も伸びており、営業利益の6割程度を稼ぐ半導体部門の好業績が増収増益をけん引した。
スマートフォン部門は旗艦モデル「ギャラクシーノート」シリーズの発売を見送った影響もあり、コロナ禍で生産が停滞した20年をわずかに上回る水準だった。小米(シャオミ)やOPPO(オッポ)など中国勢の台頭による競争激化も響いた。
在宅時間の長期化によって20年に好調だった家電部門も21年はやや息切れした。液晶市況の悪化によってディスプレー部門も伸び悩んだ。
同日発表した21年10~12月期の業績は、売上高が前年同期比23%増の76兆ウォン、営業利益が52%増の13兆8000億ウォンだった。昨夏以降にメモリー市況は調整局面を迎えており、7~9月期の営業利益と比べると13%減だった。