NYダウ反発、初の4万5000ドル台 金利低下が追い風
【ニューヨーク=野一色遥花】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比308ドル51セント(0.69%)高の4万5014ドル04セントで引け、初の4万5000ドル台に乗せた。市場予想を下回る経済指標で12月の利下げ実施の観測が高まった。長期金利の低下が株買いにつながった。
米サプライマネジメント協会(ISM)が4日発表した11月の米非製造業(サービス業)景況感指数は52.1と前月から3.9ポイント低下し3カ月ぶりの低水準となり、市場予想(55.6)も下回った。米民間雇用サービス会社ADPが4日発表した11月の全米雇用リポートの非農業部門雇用者数も市場予想を下回る水準にとどまった。
米連邦準備理事会(FRB)が17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを実施するとの見方が強まった。米金利先物の値動きから市場が織り込む政策金利予想を算出する「フェドウオッチ」では、0.25%利下げの確率が約8割となり、1週間前の7割弱から上昇した。
パウエルFRB議長は4日午後に登壇したイベントで「米景気が9月に想定していたよりも強い」と説明した。「利下げに慎重な姿勢は今まで通りだった」(米調査会社ヤルデニ・リサーチのチーフ・マーケット・ストラテジスト、エリック・ウォーラーステイン氏)との見方があり、相場を動かす材料にはならなかった。
利下げ観測を映し、米長期金利の指標となる10年債利回りは一時4.17%台にまで低下(債券価格は上昇)した。金利に反応しやすいハイテク株に買いが入った。エヌビディアは3%高、マイクロソフトも1%高になった。
顧客情報管理(CRM)ソフトウエア大手の米セールスフォースは株価が11%高となった。3日発表した2024年8〜10月期決算は、売上高が前年同期比8%増の94億4400万ドル(約1兆4000億円)で市場予想を上回った。企業の営業やマーケティングを支援する人工知能(AI)エージェントなど、AIを組み込んだサービスが好調だった。
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