岡山の中小事業者、賃上げ実施約8割 昨年調査の約2倍に
岡山県商工会連合会(岡山市)は中小規模事業者に賃上げや価格転嫁の動向について聞いたアンケート報告書をまとめた。調査は10月に実施し、県内382事業者から回答を得た。賃上げを「実施する・した」または「実施する予定」とした回答は78.5%に及んだ。
2023年5月に131事業者に対して実施したアンケートでは同様の回答が40%にとどまっていた。
賃上げの理由として「従業員の士気高揚」や「人材の定着」が多く挙がった。最低賃金引き上げへの対応として実施したという回答は45%にのぼった。
「物価も上昇し続ける中で、小規模事業者にとって人件費の増加はかなり厳しい」(製造業)とする声もあった。賃上げの原資が不足しているとした回答は従業員20名以下の事業者で5割ほどに及んだ。
賃上げの原資にもなる原材料価格上昇の販売価格転嫁について「できていない」または「予定はない」と回答した事業者は43.7%だった。理由として販売数や受注の減少への不安や取引先との価格交渉力の弱さが多く挙がった。
賃上げの予定がない約2割の事業者に向けた対応とともに、賃上げの動きをこれからどう継続させていけるかが課題となる。