ロシア、エネルギー施設攻撃　米製兵器使用に「報復」

【キーウ、モスクワ=共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、国内にロシア軍の多数のミサイルと無人機による攻撃があったと発表し「エネルギー施設に対する最大規模の攻撃の一つだ」と訴えた。エネルギー最大手DTEKは火力発電所が「深刻な被害」を受けたと明らかにした。

ロシア国防省は13日、米国製長射程兵器によりロシア南部タガンログの軍用飛行場が11日に攻撃を受けた報復として、ウクライナのエネルギー施設に大規模な攻撃を行ったと発表した。目的を達成し、すべての対象を撃滅したとしている。

トランプ次期米大統領は12日公表の米誌のインタビューで、ウクライナ軍による長射程兵器でのロシア領攻撃が緊張を高めているとして「大きな過ちだ」と批判した。

ゼレンスキー氏によると、ロシア軍は巡航ミサイルや弾道ミサイルなど93発を発射し、少なくとも1発は北朝鮮製だったとされる。このうち81発を迎撃したと主張した。200機近くの無人機も飛来したという。

ウクライナ各地では13日朝、空襲警報が発令された。ロシア軍は西部リビウ州や南部オデッサ州など各地を攻撃。東部ハリコフ州には弾道ミサイルを発射、4人が負傷した。国際原子力機関（IAEA）は、ウクライナで稼働中の原子炉9基のうち5基が出力を低下させたと公表した。

ウクライナ空軍は通信アプリに、ロシア西部ニジェゴロド州サワスレイカの空軍基地からミグ31戦闘機が出撃したと投稿した。極超音速ミサイル「キンジャル」が使われた可能性もある。

ロシア国防省は11日、ウクライナ軍がタガンログの軍用飛行場を米国製地対地ミサイル「ATACMS（エイタクムス）」6発で攻撃したと発表し、報復措置を取ると宣言していた。