グリー、時価総額3000億円割れ 半年で半分以下に
「コンプガチャ」の事業モデルに批判も
31日の東京株式市場でSNS(交流サイト)大手のグリーの株価が前日比5%下落し、株式時価総額が3000億円を割った。昨年11月のピーク時(約6500億円)から半年で半分以下になった。9日にソーシャルゲームの課金システム「コンプリート(コンプ)ガチャ」の廃止を表明。収益への影響が読めないうえ、事業モデルへの批判もあり、株価が下げ止まらない。
株価は昨年末までの1年間は業績の急拡大を背景に約2.5倍に上昇した。だが、今年に入ると消費者庁による法規制の観測が流れ、5月にコンプガチャ問題が浮上して株価が急落。株式相場全体の下落も追い打ちをかけ、4月末から足元までの1カ月で4割強下落した。
コンプガチャは特定のアイテムを有料でそろえると、より希少性の高い仮想アイテムが入手できる。同社は廃止による業績への影響額を開示していないため「先行きが読めず投資家の懸念が収まらない」(いちよし経済研究所の納博司主席研究員)。
今回の規制を機に「利用者に課金するために射幸心を過剰にあおっている」などソーシャルゲーム業界のビジネスモデルに対する批判も出ている。悪影響がコンプガチャ以外にも及ぶ可能性もある。
予想PER(株価収益率)は約6倍まで低下。「底値とみて買おうとする個人投資家の動きもあるが、保有リスクが高いとみた機関投資家の売り圧力が上回っている」(ネット証券幹部)といい、慎重な見方が多くなっている。
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